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Jオイル Research Memo(2):「あぶら」のプロとして「おいしさデザイン(R)」を実現

特集
2025年9月3日 11時02分

■会社概要

1. 会社概要

J-オイルミルズ<2613>は、ホーネンコーポレーション、味の素製油、吉原製油の3社が統合して設立された油脂メーカー大手である。油脂事業(油脂・ミール)を基盤に、マーガリンや粉末油脂など乳系PBF(プラントベースドフード)及びスターチやファインなど食品素材を扱うスペシャリティフード事業を展開している。特に「あぶら」のプロとして「おいしさデザイン(R)※」の実現へ向け、安全・安心を基本に、幅広い用途に使われる汎用品から、「あぶら」ならではの調理・調味・健康の各機能を有した高付加価値品までを幅広く展開している。味の素<2802>グループの1社だが、出自の異なる3社がそれぞれに培ってきた長い歴史に裏打ちされたノウハウ・技術を強みとしている。こうした強みを背景に、同社の目指す未来(ビジョン)である「Joy for Life(R)-食で未来によろこびを(R)-」の実現へ向けて、あらゆるステークホルダーとの対話を進めながら長期的な事業成長を果たし、おいしさだけでなく顧客やサステナブルな社会への貢献を目指している。

※ 同社が培ってきた知見やノウハウをもとに「あぶら」が持つ価値・可能性を拡張して、揚げ物料理の価値、調理価値、健康価値、調味価値など様々な付加価値機能をデザインすること。さらには、あぶら・スターチ・マーガリン、粉末油脂などの製品や素材を組み合わせ、新しいおいしさを創出すること。

食用油メーカー3社が融合

2. 沿革

1922年に鈴木商店製油部をもとに豊年製油(株)が設立され、1934年に個人商店を改組し(株)吉原定次郎商店が設立、1999年には味の素の横浜工場を中心に味の素製油が設立された。2002年にホーネンコーポレーションと味の素製油が経営統合して持株会社(株)豊年味の素製油が誕生、2003年には吉原製油が合流して現在の社名となった。さらに2004年、ホーネンコーポレーション、味の素製油、吉原製油の3事業会社と日本大豆製油(株)が統合、形態も現在のものへと移行した。1990年代?2000年代は小売業や商社が大型化した時期だが、これに対応するように同業の日清オイリオグループ<2602>も、2002年に日清製油(株)、リノール油脂(株)、ニッコー製油(株)の3社統合により設立された。両社の経営統合により油脂メーカーは、チョコレート油脂に強みを持つ不二製油<2607>を含め3強の時代となった。

統合後は、成長戦略として、2007年にマーガリンなど製菓・製パン材料の強化を目的に豊年リーバ(株)を100%子会社化したほか、原料調達面などで不二製油と、2023年には製油の合弁会社設立に向けて日清オイリオグループと業務提携を果たしている。遅れていた海外展開も、2014年に豊田通商<8015>と合弁でタイにToyota Tsusho (Thailand) Co., Ltd.及びMHCB Consulting (Thailand) Co., Ltd.との合弁会社J-OILMILLS (THAILAND) Co., Ltd.を設立、2019年にはマレーシア油脂加工品会社Premium Fats Sdn Bhdを連結子会社化するなど積極化した。現在、旧3事業会社の融合が進んだことから、融合したからこそ発揮できる素材、技術力、顧客接点といった強みを背景に、第六期中期経営計画を推進している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

《HN》

提供:フィスコ

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