アップル Research Memo(6):2024年12月期は期初計画を上回る好調な滑り出し
■今後の見通し
● 2024年12月期の業績見通し
アップルインターナショナル<2788>の2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比4.4%減の29,563百万円、営業利益が同17.6%減の904百万円、経常利益が同17.5%減の1,048百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同22.4%減の781百万円を予想している。
減収減益の予想は、自動車関連メーカーによる不正行為に伴う新車の生産停止と不安定な供給状況、中古車の流通が停滞することを懸念したことによる。ダイハツ工業(株)は、2023年12月に車両の安全性に関する認証試験において新たに174件の不正行為が明らかになった。完成車工場における生産を停止し、国内4工場における全車両(27車種)の出荷を止めた。2024年2月中旬より、国土交通省の出荷停止の指示が解除された車種から徐々に生産が再開されている。現時点では、生産再開の時期が未定の車種がある。2024年2月に、ダイハツ工業は認証不正を受け経営陣を刷新した。会長及び社長が退任し、トヨタ自動車<7203>から新社長が就任した。
2024年1月に、トヨタ自動車が認証申請手続き用に豊田自動織機<6201>に委託した自動車用ディーゼルエンジン3機種の排ガス性能試験において不正が行われたことが判明した。豊田自動織機製のディーゼルエンジンの出荷が停止され、トヨタ自動車の生産ラインも止まった。国土交通省の出荷停止解除を受け、3月4日よりランドクルーザー300を含む生産及び出荷が再開された。タイのハイラックスの出荷も再開された。トヨタグループ企業では、2022年3月に日野自動車<7205>の国内向けエンジンの排出ガスや燃費に関連した不正が発覚した。相次ぐ品質不正問題により、日本のモノづくりが揺らいでいる。
同社の2024年12月期の期初予想は、コロナ前・コロナ中と比べて水準が一段上がっている。営業利益の期初予想は、コロナ前の2018年12月期と2019年12月期が577百万円、342百万円、コロナ中の2020年12月期から2023年12月期の4期間は、それぞれ226百万円、256百万円、203百万円、480百万円であった。新型コロナが2類相当から季節性インフルエンザなどの分類である「5類」に移行されたのが2023年5月であったことから、2023年12月期の期初予想には反映されていなかった。2024年12月期の営業利益の期初予想は904百万円とこれまでよりも高い水準となる。過去2期に、実績が期初予想を大幅に上回ったことを踏まえた。また期首の商品在庫の水準を高めていたことが、業績の見通しを確かなものにした。マレーシアは、中古自動車の輸入許可書(AP)を3ヶ月ごとに発給する。1月1日の発給に合わせて、12月末まで在庫を積み増した。2024年12月期に入り、在庫は順調に捌けている。中古車買取販売事業のFC加盟店は、3月現在で259店舗まで増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
《HN》
株探ニュース