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北の達人 Research Memo(4):積極的な広告宣伝費への投資により成長加速を図る

特集
2019年6月6日 15時14分

■決算概要

1. 過去の業績推移

北の達人コーポレーション<2930>の過去の業績を振り返ると、定期購買会員数の拡大に伴って業績が伸びているが、特に2013年2月期からの業績の伸びが大きい。これは、それまで「カイテキオリゴ」への業績依存度が高かったところから、新たな主力商品として「ヒアロディープパッチ」を筆頭に、「みんなの肌潤糖」シリーズや「二十年ほいっぷ」が定着してきたことに起因する。また、2017年2月期からは「アイキララ」など新商品群による業績貢献も上乗せされている。したがって、ここ数年は「カイテキオリゴ」への依存度を引き下げながら、新たな収益柱の伸長によりバランスよく成長してきたと言える。

また、利益面も、広告宣伝費の効果的な投入により、売上高の拡大に伴って営業利益率は25%を超える高い水準に上昇してきた。もっとも、2019年2月期は、機会ロスの回避や新規会員獲得の増加を図るため、計画を上回る広告投資を戦略的に実施したことから営業利益率は若干低下したが、それでも22.4%の水準を確保している。

一方、財務基盤の安定性を示す自己資本比率も、公募増資や内部留保の積み上げによって2016年2月期には86.5%の高い水準に到達。2017年2月期は長期借入金による手元流動性の確保を行ったことから再び67.4%に低下したものの、財務基盤の安全性に懸念はない。また、資本効率を示すROE(自己資本当期純利益率)についても、高い収益力に支えられて50%に近い水準で推移しており、同社の財務内容は極めて優れていると評価できる。

キャッシュ・フローの状況も、大きな設備投資を必要としない事業特性から、投資キャッシュ・フローは潤沢な営業キャッシュ・フローの範囲内に収まり、現金及び現金同等物の期末残高は大きく積み上がってきた。2016年2月期は広告宣伝費の投入や将来を見据えた先行投資に加えて、売上高の拡大に伴う在庫投資により一時的に営業キャッシュ・フローが落ち込んだが、2017年2月期以降は再び大幅なプラスで推移している。したがって、強固な財務基盤や潤沢な営業キャッシュ・フローを、これからの成長に向けていかに生かしていくのかも課題となってくるだろう。

2. 2019年2月期決算の概要

2019年2月期の業績は、売上高が前期比57.1%増の8,312百万円、営業利益が同32.6%増の1,861百万円、経常利益が同32.6%増の1,861百万円、当期純利益が同36.4%増の1,293百万円と大幅な増収増益を実現し、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。ただ、期初予想に対しては、売上高が大きく上回ったものの、利益面では下回る着地となっている。

売上高は、定番ヒット商品の「カイテキオリゴ」が堅調に推移したことに加え、ここ、1、2年で発売した商品群が大きく伸びている。なかでも2019年2月期においては、「ヒアロディープパッチ」の売上増が目覚ましい。同社によると、発売以来累計で約1,000万枚が売れており、製造が追いつかずに、5月時点で予約待ちが3万人超えという人気商品に育っている。また、残りの商品についても、定められた広告予算や営業人員の制約を受けつつも、継続需要に支えられながら堅調に推移しており、収益構造に厚みが増してきたと言える。特に、「スキンケア商品」が伸びており、これまでの「健康食品」中心の商品構成から大きく変化するとともに、男性中高年層など会員属性の幅も拡大してきた。

また、売上高が期初予想を上回ったのは、上位商品を中心とする積極的な広告投資や集客体制の強化により、新規顧客の獲得(及び定期購買会員の積み上げ)に成功したことが理由であり、2019年2月末の会員数も25万人弱(前期末は約17万人)に拡大している。特に、第4四半期に入ってからの月間新規獲得件数や月商の伸びが大きく、成長スピードがさらに引き上がってきた※。

※2019年1月度の新規獲得件数は過去最高の51,000件を超過。また、月商についても、2019年1月から2月度は2ヶ月連続で8億円を超えており、期初の水準(2018年3月度は6.1億円台)から大きく伸びている。

一方、利益面でも、一部商品の影響により原価率が若干上昇したほか、積極的な広告投資により販管費が大きく増加したものの、増収により吸収して増益を実現。ただ、期初予想を下回ったのは、計画を超える広告投資を戦略的に実施したことが理由である。特に、新規顧客の獲得が順調に伸びていることを踏まえ、第4四半期において広告投資を先行費用的に増やしたことが利益を圧迫した※。また、顧客層の裾野拡大に伴って1件当たりの新規獲得コストが上昇したことや、自社広告システムの立ち上げに際して発生した運用上のミスが、一時的な獲得効率の低下を引き起こしたことも未達要因になったようだ。もっとも、自社広告システムについては、運用を一旦停止し、不具合を解消した上で、更なる改良を重ねながら段階的に稼働を再開している。

※広告投資が新規顧客獲得やその後の利益貢献により回収される期間として、通常4ヶ月を見込んでいる。したがって、第4四半期での広告投資の増加は、翌期の利益に対するプラス要素となる。

財政状態については、売上高の拡大に伴う「現金及び預金」や「売掛金」「製品」の増加などにより、総資産が前期末比21.8%増の4,240百万円に拡大。一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同25.5%増の2,942百万円に拡大したことから、自己資本比率は69.4%(前期末は67.3%)に若干上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《ST》

提供:フィスコ

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