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ADワークスグループ Research Memo(8):第2次中期計画では毎期10%以上のEPS成長を目指す(2)

特集
2024年9月13日 15時08分

■ADワークスグループ<2982>の中期経営計画と長期経営方針

(2) 事業環境及び重点施策

同社は国内の不動産市場の環境について、人口減少傾向の継続やリモートワーク定着によるオフィス需要の減少、マイナス金利解除による市況悪化リスクなどがマイナス要因となる一方で、都市部の不動産物件に関しては人口集中により一定の需要が見込まれること、また直接金融の整備による個人投資家資金の不動産市場への流入や、グローバルで見た日本の不動産価値の割安感から海外投資家からの継続的な資金流入がプラス要因になると考えている。

また、同社独自の強みとして不動産物件のソーシング・選定力と多様なニーズにマッチした商品の企画開発力、商品に対する高い信頼(遵法性/誠実性)、海外不動産事業の実績と展開力を挙げている。一方で弱みとして収益不動産販売事業への依存度が高いこと、自己資本比率が30%弱程度で財務レバレッジを高める余地が限られること、細分化された業務プロセスなどを挙げている。これら外部環境と内部要因を踏まえて、同社では以下の6つの重点施策に取り組んでいく。

a) 大都市圏の不動産投資を継続

収益不動産販売事業において、国内では東京や大阪、名古屋、博多など大都市圏を対象に投資を継続する。人口集中が続く傾向にある大都市圏では投資利回りが他の地域と比較して低い(不動産価格が高い)ものの稼働率など安定性は高く、2024年以降、金利が多少上昇したとしても不動産価格への影響は相対的に小さいと見ているためだ。また、大都市圏では賃料も上昇傾向にあるため、長期保有目的の購入を検討しやすいといった点もメリットである。同社では、長期保有用の収益不動産の割合を高め賃料収入を増やすことで安定収益基盤を拡大する方針だ。

b) 不動産小口化事業の拡大

国内における不動産小口化商品(任意組合型)の市場規模(募集額)は、2014年度の65億円から2022年度は437億円と8年間で6.7倍に急拡大している。良質な不動産に対して、少額から投資できること(同社の場合、1口100万円から)、相続対策にも利用できることなどが人気を集めている要因と見られる。今後も「貯蓄」から「投資」の流れが続くなかで、投資対象として低リスクで安定した利回りが期待できる同商品に対する需要は拡大するものと予想され、同社も積極的に「ARISTO」シリーズの商品化を進める方針だ。

不動産小口化商品については競合も多いが、一棟再販事業との親和性が強く、仕入力と商品企画力を生かして付加価値の高い商品を企画・販売することで競争優位性を確保している。実際、2023年12月期の運用商品の平均稼働率(=入居率)は99.9%と極めて高く、「ARISTOシリーズ」のブランド力も向上している。2024年には営業企画部を新設し、さらなる組織体制の強化も図った。販売に関しては金融機関等も含めた提携パートナーが約470社まで拡大しているが、今後もパートナー数やオーナー数※をさらに拡大するとともに、これらのノウハウを海外不動産事業や他の新規事業に活用できる可能性についても模索する。

※ 2024年6月末までに合計12商品(総額200億円超)を累計1,200名超の顧客に販売した。

c) 海外不動産の積極的な仕入

2022年以降、米国ではインフレ抑制のためFRBが政策金利の引き上げを行ってきたが、インフレもようやく沈静化し、2024年9月以降は政策金利の引き下げを段階的に開始することが濃厚となっている。金利引き上げ局面では、収益不動産価格も下落傾向となり同社も仕入活動を抑制してきたが、2025年以降は市況の好転が見込まれることから、積極的な仕入方針に転換し、事業拡大を目指すことになりそうだ。海外事業の売上高は2023年12月期で約30億円と2020年3月期の約61億円から半分の水準にとどまっているが、市場環境の好転を機に早期に同水準まで回復を目指す考えだ。

d) 海外投資家とのリレーション強化

アジア太平洋地域を投資対象とする不動産ファンドのドライパウダー(未投資資金)は2017年から増加傾向にあり、クロスボーダー投資家にとって東京は魅力的な都市として常にランキング上位に位置している。こうした状況を鑑み、収益不動産事業における取引先、特に販売先として海外投資家とのリレーション強化を図る。

e) 金融機関とのリレーション強化とオルタナティブファイナンスの活用

同社は国内外の約40行から、ピーク時で約400億円規模の借入れを行っているが、今後のさらなる規模拡大に備え、資金力を持つメガバンクとの取り引きの比重を高めていく考えだ。このため、金融機関の融資基準(行内格付け/自己査定)を意識した財務戦略を推進する。具体的には、賃料収入を目的とした長期保有不動産を100億円規模にまで増やし(2023年12月期末約63億円)、販管費等の固定費を賃料収入など安定収益で賄うことで、固定費カバー率を引き上げ、融資を受けやすい体制を整備していく。

また、金融機関からの借入れを補完する位置付けとして、クラウドファンディングなどのオルタナティブファイナンスや、コマーシャルペーパー及びグリーンボンドの発行など直接金融なども継続的に活用する方針だ。

f) ノンアセットビジネスの探索

第1次中期経営計画にて、2025年12月期に“脱”不動産事業の収益比率3割を目標に掲げたが、これを「ノンアセット事業シェア30%」とし、期限は定めずに取り組んでいく。FA事業にて4件のアドバイザリー収入を獲得するなど実績も徐々に出始めており、提携先とも協業しながらフィービジネスの基盤を固めていく。また、その他にも新規事業を創出すべく、グループ全体で組織面及び人材面から取り組む方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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