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マーケットE Research Memo(5):売れ筋の把握、販売タイミングの判断力などを向上させ収益力アップを狙う

特集
2018年4月6日 17時19分

■中長期の成長戦略と進捗状況

3. 販売力の強化

マーケットエンタープライズ<3135>が現在取り組む販売力の強化は、同社の内部管理体制における強化だ。具体的には“値付け力”や価格的な販売のベストタイミングを適切に判断して収益力強化につなげようというものだ。この新システムはほぼ完成しており、早期に稼働させたのちはブラッシュアップを重ねて精度を向上させていく方針とみられる。

これらの実現には、世の中の様々な売り場で当該商品がいくらで販売されているかを把握する必要があるほか、価格変動や商品に対する商品の評価(口コミなど)が情報として必要になる。同社は現在、こうしたことを可能とする社内システムの開発に注力している。

この施策から期待される効果は、直接的には実行販売価格の引き上げによる収益力アップがある。加えて、適切な時期に適切な価格で売り出すことで、在庫回転率にもプラスの影響をもたらすことが期待されている。

レンタル事業の知見・ノウハウの蓄積が順調に進捗。販売とレンタルの一体化の早期実現が望まれる

4. レンタル事業の本格稼働への取り組み

前回レポート(2017年10月4日付)でも取り上げたが、同社は2017年6月期に宅配レンタルのトライアルを開始した。これは冠婚葬祭など非日常の需要や、お試し需要などを狙って同社の取扱商材をレンタルするものだ。弊社では同社のレンタル事業について、リユース品の特徴を生かしたアイデアであり、非常に興味深い取り組みだと考えている。レンタル事業は、1つの商材当たりの収益力向上に貢献すると考えられる。1つの商材を販売して終了とするのではなく、レンタルでの収益を組み合わせることでその商材から得られる収益の最大化を図るということだ。商品のLTV(Life Time Value)戦略と言える。

レンタル事業の現状は、これまでのところ同社自身が学習する期間と言えるが、一定の知見やノウハウが蓄積できたもようだ。当初の予想どおり、カメラや交換レンズ、ビデオカメラ、楽器などにお試し需要を確認できたほか、年末には掃除用品のレンタルが想定以上に伸長するなどの発見があったとみられる。

前述のように弊社では、レンタル事業の持つ潜在性を高く評価しているが、まだ課題も多いと考えている。第1には販売とレンタルとで会計システムが連携していないことだ。ここは早急な改善が望まれる。レンタルの顧客の中には、まずはレンタルで注文し、気に入れば現品をそのまま買い上げたいというニーズが一定数存在しているとみられる。現状はそうした対応ができていないため、シナジーの実現に至っていない。この点の早期の対応が望まれる。

また、レンタル事業には自社サイトによる販売の増加を促進するという大きな期待がかかる。同社の現状はサードパーティのECモール支店(楽天市場店、Yahoo!ショッピング店、Amazon店など)での販売が多数を占めているとみられる。しかし支払手数料が不要な自社サイト経由の販売を伸ばすことは経営上の大きな課題と言える。レンタルと販売の連携は自社サイトならではの施策であるため、前述のレンタルと販売のシステム統合は当然のことながら、それに加えて消費者を引き付ける同社独自の仕組みの開発・導入が注目されるところだ。

販売力強化の一環で、民泊専門の不動産ポータルサイト運営のスペースエージェントと提携

5. スペースエージェントとの資本業務提携

前述のSORABITOとの提携のほかに、同社は当第2四半期において(株)スペースエージェントとの間でも資本業務提携を行った。スペースエージェントは民泊に特化した不動産ポータルサイトの運営を行っている。

同社の狙いは、スペースエージェントを通じて民泊事業者に対して同社のリユース品(家電製品、家具など)を販売することにある。民泊事業者は初期投資を抑制できるリユース品の活用には積極的と考えられる。今後はスペースエージェントのポータルサイトから、同社のリユース品購入につなげる仕組みづくりなどが進められるとみられる。

この業務提携もSORABITOとのケースや社内システム開発同様、販売力強化の一環だ。車の両輪である仕入と販売の両面で着実に進捗がみられるのは、素直にポジティブとして評価してよいと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

提供:フィスコ

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