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プロパスト Research Memo(6):2024年5月期第2四半期は増収増益決算。賃貸開発事業が好業績けん引

特集
2024年2月2日 13時06分

■業績動向

1. 2024年5月期第2四半期の業績概要

2024年5月期第2四半期累計期間の日本経済は、一部に足踏みも見られるが、緩やかに回復している。プロパスト<3236>が属する不動産業界においては、弱含みの動きが見られる。先行指標となる新設住宅着工戸数の季節調整済み年率換算値は10月が808千戸と前月比1.0%増となり、おおむね800千戸前後で推移している。また、首都圏マンションの初月契約率については、11月が74.2%となったが、10月までは好不況の分かれ目とされる70%を3ヶ月連続で下回っている。

このような状況のなか、同社は、賃貸開発事業及びバリューアップ事業における新規物件の取得や保有物件の売却及び分譲開発事業における個別分譲販売を進めてきた。この結果、2024年5月期第2四半期累計の売上高は17,618百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益2,681百万円(同16.6%増)、経常利益2,427百万円(同15.6%増)、四半期純利益1,695百万円(同8.1%増)と増収増益決算となった。今後の市況の悪化を予想して保有物件の売却を進めたことで前年同期に比べ利益率がやや低下しているものの、2022年5月期第2四半期の利益率を上回る水準を確保している。事業環境や市況に応じて物件の仕入・売却のタイミングを柔軟に変える同社の経営戦略の成果が表れた好決算であったと評価できる。収益性に関しては、2023年5月期通期決算では、ROE19.7%、ROA(総資産経常利益率)7.0%と、2023年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場の不動産業平均の8.7%、4.2%を上回っている。ROEについては自己資本比率が不動産業平均をやや下回っている影響があるものの、収益性も着実に改善している。

セグメント別では、分譲開発事業は、ガレリア ドゥエル神田岩本町の52戸全戸の引き渡しが完了した結果、売上高は3,755百万円(前年同期は売上高なし)、営業利益は443百万円(同3百万円の損失)に回復し、営業利益率は11.8%であった。また、売上高は会社全体の21.3%、営業利益でも13.6%を占めた。前年同期には、売上計上する引き渡し物件がなかった一方、売却済の物件に係る追加工事費用が発生したことから、営業損失を計上している。同事業では、首都圏市場全体で地価や建築費が上昇し販売価格が高くなり、土地の取得が難しくなったことや、高い水準での収益確保が難しくなったことから、同社全体に占める売上高・営業利益のウェイトは低下している。

賃貸開発事業では、目黒本町2プロジェクト、湯島2プロジェクト及び豊町プロジェクト等の15物件を売却した(前年同期は13物件)。その結果、売上高は11,627百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益は2,512百万円(同8.7%増)と増収増益となった。売却物件のエリアが都心部中心という地域優位性や商品企画が投資家から評価され、また物件が大型化したことも好業績につながった。この結果、同事業は、売上高で会社全体の66.0%、営業利益でも77.2%を占め、営業利益率は21.6%と引き続き高水準を維持し、同社の業績をけん引している。個人の相続税対策として、都心の優良物件に対するニーズが強いことを示すものであるが、当期は特に投資ファンドやワンルーム業者による1,000百万円以上の大型物件の購入が多かった。

バリューアップ事業では、上大崎プロジェクト、豪徳寺プロジェクト及び東麻布2プロジェクト等の5物件を売却したが、販売棟数が前年同期の9棟から減少した結果、売上高は2,235百万円(前年同期比43.3%減)、営業利益は297百万円(同49.7%減)と減収減益となった。その結果、売上高は会社全体の12.7%、営業利益は9.1%に縮小している。同社では、付加価値が見込める物件の仕入及び売却を続けているが、人気のある場所の優良物件を厳選して仕入れることから、前年同期に比べて仕入ペースは落ちている。ただ、営業利益率は13.3%(同1.7ポイント低下)と、引き続き安定して推移している。

2. 財務状態及びキャッシュ・フローの状況

2023年5月期の資産合計は、前期末比3,221百万円減の27,729百万円となった。これは主に、保有物件の売却を積極的に進めた結果、販売用不動産と仕掛販売用不動産が合わせて3,016百万円減少したことによる。また、物件売却を推進したことにより、現金及び預金が223百万円増加した。負債合計については、前期末比4,776百万円減の17,407百万円となった。これは主に、保有物件の売却により借入金の返済が進んだことから、有利子負債が 4,636百万円減少したことによる。純資産合計については、前期末比1,556百万円増の10,322百万円となった。これは主に、四半期純利益の計上により利益剰余金が1,626百万円増加したことによる。

利益の積み上げにより、自己資本比率は37.0%(前期比9.0ポイント上昇)と、2023年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する不動産業の33.0%を上回っている。今後も自己資本30%台を確固たるものにし、厳しい経営環境下でも生き残れる会社となることを目指している。また、D/Eレシオ(負債資本倍率)は1.56倍(同0.82ポイント低下)となり、流動比率も297.3%(同87.9ポイント上昇)で、短期的な資金繰りに困らない十分な支払い能力を確保している。こうした強固な財務内容は、不動産の仕入などの事業面でも有利に働くと考えられる。

現金及び現金同等物の2024年5月期第2四半期末残高は、前期末より352百万円増加し、5,582百万円となった。各キャッシュ・フローの状況について見ると、営業活動により獲得した資金は4,998百万円となった。これは、主に保有物件の売却により棚卸資産が3,015百万円減少し、税引前四半期純利益を2,442百万円計上したことによる。投資活動により獲得した資金は123百万円となった。これは、主に定期預金の払戻しにより166百万円を獲得する一方で、定期預金を37百万円預入れしたことによる。財務活動により使用した資金は4,772百万円となった。これは、主に新規物件の取得に伴う9,224百万円の借入を実行した一方で、保有物件の売却により借入金を13,859百万円返済したことによるものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《HH》

提供:フィスコ

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