決算発表予定日 2024/05/09
3242東証S貸借
業種 不動産業

アーバネットコーポレーション 株価材料ニュース

426
0
0.00%
業績
(15:00)
PTS

(ー)
株価は20分ディレイ

アーバネット Research Memo(7):既存事業を軸とした事業ポートフォリオの拡充により、持続的な成長を目指す

特集
2021年3月5日 15時17分

■アーバネットコーポレーション<3242>の今後の方向性と進捗

循環的な景気変動への懸念のほか、コロナ禍の影響も加わり、先行き不透明感が高まっているものの、今後の成長戦略の方向性に大きな修正はない。すなわち、既存事業の拡大を軸としつつ、ストックビジネス(自社保有の賃貸収益物件など)や子会社による小売・サービス事業(マンション管理及び賃貸業等)の強化により、事業ポートフォリオの拡充と財務基盤の安定化を図るものである。

1. 既存事業の拡大

既存事業については、都心での用地価格が高騰しているなかで、将来リスクも念頭に入れつつ、より採算性やタイミングを重視した慎重な用地取得に取り組み、事業環境や景気変動に柔軟に対応しながら、持続的な成長を目指していく方針である。また、ITを含めた新しい技術やコンセプト(特定ターゲットへの対応など)を導入した次世代型マンションの開発※のほか、中長期的な視点からは、若年層以外の単身所帯の増加に向けて、シニア向けマンションなど新しい需要の取り込みにも対応していく。

※2019年9月に実施した定款一部変更(事業目的に「顔認証システム等を含むセキュリティー機器の輸入、開発、販売、レンタル、メンテナンス」を追加)についても、その方向性を示す活動の一環として捉えることができる。

2. ストックビジネスの強化

ストックビジネスの強化については、ここ数年、賃貸収益物件を自社保有することによる安定収益源や融資担保の確保に取り組んできた。現在の賃貸収益物件は6棟となり、年間の不動産収入は約400百万円(弊社推定)にまで拡大している。今後も、手元流動性の活用により安定稼働が期待できる賃貸収益物件を着実に増やしていく計画である。また、駅近好立地での開発力を生かして参入した「ホテル事業」については試行錯誤の段階であり、ストックビジネスとして保有するか、販売チャネルの拡大を目的として売却するのか、長期目線で検討していく方針である。

3. BtoC事業の拡大

同社の中核事業である投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売では、物件竣工後のマンション販売会社への物件引渡しで事業のルーチンが完了しており、同社が開発してきた分譲マンションにおいても、戸別分譲後のマンション管理等については管理会社に引き継いで終了としてきた。すなわち、賃貸管理並びにマンションビル管理等の収益については対応しておらず、取りこぼしてきた感があるが、(株)アーバネットリビングの設立により、この分野での収益が可能となることから、ボリュームビジネスと言われるこの分野も積極的に推進を図っていく。

なお、2015年3月に設立したアーバネットリビングについては、これまで同社内にあった分譲用マンションの販売部門を別会社化し、自社保有の賃貸収益物件の管理や他社物件の買取販売などにより順調に立ち上がってきた。今後は、年間500戸以上を供給してきた投資用ワンルームマンションの一部の管理業務を販売先との調整が可能なものに限って取り込む可能性を追求するほか、ホテル事業の運営を含め、他社との提携やM&Aも視野に入れた事業拡大により、グループ全体の収益力の底上げを図る方向性を描いている。

4. 弊社による注目点

弊社では、東京都心における投資用ワンルームマンションは、循環的な景気変動の影響や一時的な相場調整等により強弱を繰り返しながらも、持続的な成長が可能な市場であるとみている。特に、コロナ収束後においても、国際都市として発展を続ける東京の居住環境の改善及び進化には大きな可能性が残されている。また、ファンドやリート、クラウドファンディングなどを含め、投資対象(金融商品)としての不動産(特に、安定したキャッシュ・フローを生み出す賃貸収益物件)に注目が集まるなかで、優良物件の開発に定評のある同社の役割はますます重要なものになってくるだろう。見方を変えれば、不動産投資市場の発展を自社成長にいかに結び付けていくのかが今後の課題と言える。その一方で、事業ポートフォリオの拡充及び安定収益源の確保についても同社にとって重要な中長期的テーマである。とりわけ財務基盤の安定化は、リスク対応力はもちろん、新たな成長に向けた投資の原動力となることから、業績が好調な今のうちにしっかりと手を打っておくことが重要となろう。

さらに長期的な視点からは、国内人口が減少傾向をたどるなかで、持続的な成長を実現するためには、新たな需要を取り込む分野へのチャレンジも視野に入れる必要があるだろう。弊社では、これまで都心及び好立地にて、小さくても快適な居住空間を開発してきた同社にとって、そのノウハウやネットワークが生かせる宿泊施設やシニア向けマンションへの進出は成功への確率が高いものとみている。また、新しい技術やコンセプトを導入した次世代型マンションの開発など、同社ならではの活動の成果にも注目したい。加えて、今後、市場が縮小する環境下においては、周辺分野を含めて業界淘汰に伴う成長機会(残存者利益の享受)が顕在化する可能性もあるだろう。いずれにしても、持続的な成長のためには、強固な財務基盤をしっかりと維持・拡大していくことと、投資機会の取捨選択の判断、及びそのタイミングが一層重要となると考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《ST》

提供:フィスコ

株探ニュース

▶︎この銘柄を取引する

証券会社のアプリを起動して
この銘柄の取引画面へ移動します

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.
各証券会社のスマホアプリを起動できます。アプリのインストールがまだの場合は、以下からダウンロードしてください。
SBI証券 株 アプリ
閉じる