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どん底から復活テンバガー、LAHDの成長戦略

特集
2025年2月27日 11時15分

~株探プレミアム・レポート~LAホールディングス 第1回

登場する銘柄
LAHD<2986>、ディア・ライフ<3245>、アスコット<3264>、レーサム<8890>、トーセイ<8923>

取材・文/真弓重孝、高山英聖

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この記事を読んで分かること
1.  経営危機から再建、成長に転換したニッチ戦略
2.  ニッチ戦略の具体例
3. ニッチ戦略を支えた2つの戦術

経営危機に追い込まれ、会社の形態を変えて再スタートすると、約5年でテンバガー(10倍株)を達成したのが、商業ビルやオフィスビル、投資用マンションなどを開発・販売するLAホールディングス<2986>だ。

足元で株価の急成長が著しい同社だが、ここまでには紆余曲折があった。同社の前身であるラ・アトレは、2006年に大証ヘラクレス(当時、証券コードは8885)に上場するも、その後の不動産市場の異変などもあって業績が落ち込み、06年の上場直後に付けた6900円の株価は、09年と12年に140円にまで凹んでいる。

■前身のラ・アトレを含むLAHDの年足チャートと長期業績の成長性推移

【タイトル】

その2度目の最安値となる12年から経営再建を担ったのが、LAHDの脇田栄一社長だ。プロ棋士の養成機関「新進棋士奨励会(奨励会)」に入門経験を持つ同社長が推進してきたのが、ニッチ戦略だ。

ラ・アトレは20年7月にLAHD<2986>として再上場後も、ニッチ戦略を軸に業績を伸ばし、今期(25年12月期)は5期連続での増収増益を計画する。その状況に株価も反応し、24年12月に付けた再上場後の最高値6770円は、ラ・アトレ時代の最高値6900円に迫るまでとなった。

経営危機から再建、そして急成長のフェーズにいるLAHDは、今後もニッチ戦略を武器に業績を伸ばしていけるのか。

脇田社長へのインタビューを基に、同社の成長戦略や課題を2回に分けて見ていく。1回目は、同社の復活、そして成長を牽引してきたニッチ戦略に焦点を当てる。

■LAホールディングスの概要

基本項目株価関連
事業内容不動産・住宅時価総額409億円
東証33業種不動産業流通株比率/流通時価総額80.7%271億円
会社設立日(登記)2020/07/01海外売上高/外国人持ち株――4.2%
上場日2020/07/0152週高値/期日6770円2024/12/12
上場区分東証グロース52週安値/期日3070円2024/08/05
連結子会社/うち上場5社――上場来高値/期日6900 注2006/6/13
連結持分適用/うち上場1社――上場来安値/期日140円 注2009/3/26
業績関連株主還元・株価水準
過去最高売上高/決算期447億円2024/12総還元性向/配当性向52.0%38.5%
過去最高経常益/決算期68億円2024/12株主優待
3期平均ROE/ROA29.2%6.9%75日平均250日平均
今期計画3期平均PBR2.1倍1.9倍
増収率14.1%45.0%予想PER8.3倍7.9倍
経常増益率8.1%34.0%予想配当利回り4.8%4.9%
売上高経常利益率16.4%14.5%予想PSR0.8倍0.8倍
3期平均進捗率(1Q、2Q累計、3Q累計)過去1000日最高値(日付)最低値(日付)
売上高15%/40%/69%PBR(倍)3.0(22/12/16)0.9(21/01/29)
経常利益6%/29%/57%PER(倍)9.6(24/02/09)4.1(21/01/29)
当期純利益6%/28%/52%配当利回り(%)7.4(24/02/09)2.0(21/01/29)
EBITDA8%/32%/59%PSR(倍)1.1(24/02/09)0.3(21/01/29)

出所:『株探』『QUICK』。注:2月25日時点。3期平均は前期までの実績ベース。
流通時価総額は算出基準日を基に計算した値。海外売上高および外国人持ち株の比率は原則、有報で取得できた時点。
総還元性向と配当性向は前期実績。予想PERと予想配当利回りはQUICKの値から計算。
上場来高値と安値は、前身のラ・アトレ<8885>(上場廃止)のもので、上場来安値は12年5月15日にも付けている。

■LAHDの(赤)と東証業種別・不動産(紺)と日経平均(緑)のパフォーマンス比較

【タイトル】

注:2月26日終値時点。日足は24/8/14、週足は22/2/10、月足は15/3/31、年足は06/1/1が起点。前身のラ・アトレのチャートを含む

「販売件数より販売単価」で稼ぐ力が向上

同社のニッチ戦略について触れる前に、ニッチ戦略の効果を成長性収益性安全性から見ていく。各項目の注目指標は以下の通りになる。

1. 成長性~棚卸資産、有利子負債、

2. 収益性~売上高当期純利益率、

3. 安全性~自己資本比率、有利子負債EBITDA倍率、

――となり、それぞれの効果をまとめたのが以下になる。

1の成長性については、棚卸資産は5年で約5倍に増加、

2の収益性は、再上場の初年度以降は10%台以上で推移、

3の安全性について、自己資本比率は5年で+7%P、EBITDA倍率は低下、

――となる。それぞれについて、もう少し詳しく見ていこう。

有利子負債を使って将来の収益を確保

1.成長性

不動産開発を中核とするLAHD<2986>にとって、成長のための1丁目1番地が開発用の不動産の仕入れになる。財務諸表では、BS(貸借対照表)の棚卸資産に表れる。

不動産の仕入れは、通常「億」の単位の資金を要するため、すべてを自己資金で賄うことは難しく、金融機関そして資本市場からの調達が必須になる。LAHD<2986>の脇田社長も「金融機関からいかに借り入れをできるかが、事業成長の鍵」という。

■LAHDの脇田栄一社長【タイトル】

以下のグラフは、LAHDが有利子負債を使って棚卸資産を拡大させてきた推移を示している。

前身のラ・アトレ時代の2019年12月期の有利子負債と棚卸資産は、100億円台の前半ないし半ば水準だった。そこからLAHDとなった20年12月期は、コロナ禍に見舞われたこともあり、2つとも前年度より水準を落とした。

だが、21年度からいずれも拡大基調となり、24年度の棚卸資産は20年度の5倍水準まで成長し、有利子負債も3倍水準となっている。

■棚卸資産と有利子負債の推移【タイトル】

出所:『QUICK』、同社IR資料、注:決算期は12月

有利子負債の増加は売上高当期純利益率の向上に連動

2.収益性

06年3月期~19年12月期までのラ・アトレ時代を含めて、売上高当期純利益率の推移を見たのが以下の折れ線グラフだ。

19年12月期までは断続的に10%台を下回っていたのが、LAHDとなった2年目の21年度からは10%台で安定的に推移している。同社の中期経営計画(中計)では、26年度には19%とラ・アトレ時代を含めて過去最高を見込む。

どの事業も収益性が高いことに越したことはない中で、不動産開発業にとって売上高当期純利益率の水準は、成長資金の確保と拡大につながる点で重要指標になる。収益性の向上は、

→利益水準の拡大、

→利益剰余金の積み増しを伴う自己資本の成長、

→自己資本比率の向上、

→借り入れ余力の拡大、

→仕入不動産の増加、

――のサイクルを生み出すからだ。上の棒グラフにある有利子負債の水準が伸びているのは、収益性の向上があってこそとなる。

■LAホールディングスの売上高当期純利益率の推移

【タイトル】

出所:『QUICK』、同社IR資料、注:2006年から19年までは前身のラ・アトレ。25~26年は会社計画

同社の当期純利益率を、事業領域の近い4社と比べたのが下のグラフになる。21年以降、LAHDは計5社のうち1~3位で推移している。

仮にLAHDが26年度に中計通りに19%に達すれば、24年時点の他社を5~12%ポイント上回ることになる。

同社が収益性を向上させてきた要因は、販売件数より単価の向上を重視してきたからだ。資金調達力を強化し、開発規模を拡大しながら、希少性の高い商品づくりで単価を引き上げてきた。

脇田社長は、「なるべく人数を増やさず利益を伸ばすことを意識してきた」と話す。販売件数を増やそうとすると、従業員の増員が必要となり、効率やリスクの観点から得策ではないと考えている。

■売上高当期純利益率の同業比較

【タイトル】

出所:『QUICK』、同社IR資料、注:決算期はLAHDが12月、ディア・ライフとアスコットが9月、
レーサムが3月(25年から9月に変更)、トーセイが11月。

不動産開発業は、営業CFよりEBITDAに注目

3. 安全性

LAHDの自己資本比率は、19年12月期から24年12月期までの5年間で18%台から25%台に上昇している(下のグラフ)。

同比率の向上を支えているのは、先に触れたように収益性向上を伴う当期純利益、そして利益剰余金の拡大だ。2項目の20年12月期~24年12月期の額は以下になる。

当期純利益 6.5億円→47億円

利益剰余金 37億円→153億円

利益剰余金の拡大は、自己資本の厚みを以下のようにもたらしている。

自己資本  43億円→180億円

LAHDは利益剰余金の成長による、有利子負債の水準を引き上げているかっこうだが、問題は返済原資となるCF(キャッシュフロー)との兼ね合いだ。

同社のCF創出力に対して有利子負債の水準の大きさを見た「有利子負債EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)倍率」で測ると、LAHDの24年度は6.2倍。コロナ禍に見舞われた20年度は10倍を超えたが、足元はコロナ前の19年度の7.2倍を下回る水準となっている。

企業のCF創出力では、営業CFが注目されることが多いが、巨額の不動産を日常的に仕入れる不動産開発業の場合は営業CFよりEBITDAで見た方が実態をつかみやすい。

LAHDの場合、21年12月期~24年12月期は利益が拡大しても営業CFはマイナスが続くが、EBITDAは毎期積み上がっている。

■有利子負債EBITDA倍率と自己資本比率の推移

【タイトル】

出所:『株探』、『QUICK』、同社IR資料、注:決算期は12月

狙いは「人気エリア」、だけど……

こうした効果をもたらしてきた同社のニッチ戦略とは、どのようものなのか。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 経営再建そして成長路線を導いたニッチ戦略の中身

 

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