霞ヶ関キャピタル---1Qは2ケタ増収増益、物流関連市場、ホテル関連市場およびヘルスケア関連施設開発事業が順調に推移
霞ヶ関キャピタル<3498>は12日、2024年8月期第1四半期(23年9月-11月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比61.8%増の120.94億円、営業利益が同96.0%増の6.52億円、経常利益が同65.2%増の3.93億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同44.3%増の2.24億円となった。
物流関連市場においては、同社グループでは冷凍冷蔵倉庫をメインターゲットに開発を進めている。現在稼働している冷凍冷蔵倉庫の多くは、築30年以上かつ特定フロンや代替フロンを用いた物件であり、特定フロンに対する規制や代替フロンの温室効果の大きさから、自然冷媒を用いた冷凍冷蔵倉庫への建替需要の増加が期待されている。また、日本では冷凍食品の消費量は増加しており、このトレンドは今後も継続する見通しとしている。さらに、人手不足や冷凍倉庫内での過酷な労働環境に起因した労働災害などの社会課題の解決に向けて、冷凍自動倉庫の開発にも積極的に取り組み、「LOGI FLAG TECH 所沢I」においてSBSゼンツウに冷凍自動倉庫内の約半分を貸し出すことおよび倉庫内の荷役業務を委託する覚書を締結した。加えて、SREホールディングス<2980>とは冷凍自動倉庫における冷凍保管サービスの提供および当該システム開発を趣旨とする基本合意書を締結し、X NETWORK(クロスネットワーク)を合弁会社として設立した。同社の物流施設パイプラインは11月にドライ型の物流施設1件を売却したことで冷凍冷蔵機能を有した物流施設のみになり、これまでにない環境配慮型の冷凍冷蔵倉庫のみで構成された長期運用型ファンド組成に向けた体制構築を進めるなど順調に事業を進捗させている。
ホテル関連市場においては、2023年9月から10月までの宿泊者数はコロナ禍前の同期間を上回り、外国人宿泊者数においても同様にコロナ禍前を上回っている。さらに、消費者物価指数(宿泊料)もコロナ禍前を上回っており、ホテル需要はインバウンド需要を含めコロナ禍前を上回る水準で推移している。このように良好な外部環境の下、「FAV HOTEL 広島平和大通り」が2023年度グッドデザイン賞を受賞、「FAV TOKYO 両国」が訪日・在留外国人向けウェブメディア「Japan Web Magazine」の「10 Best New Hotels Opening in Tokyo 2023」で採り上げられるなど同社開発ホテルのブランド力は高まっている。また、ホテル開発用地1件を新規に取得、開発用地1件を開発フェーズに移行、ホテル1件を売却するなど順調に事業を進捗させている。
ヘルスケア関連施設開発事業においては、終末期医療や在宅看護、在宅介護の需要増加が強く見込まれており、同社の開発するホスピス住宅が最期を迎える場所として重要な役割を担っていく存在となるべく鋭意取り組んでいる。その結果として、施設開発のみにとどまらず運営面まで一貫しておこなうことで既存のサービスとの差別化を図るべくヘルスケア関連施設運営会社の株式を取得した。さらに、ヘルスケア関連施設開発用地1件を新規に取得するなど順調に事業を推進している。
海外事業においては、人口増加率が高く政情が安定しているドバイに注力している。当第1四半期においては取り扱っているレジデンスを2案件売却するなど着実に事業を推進している。
2024年8月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比60.9%増の600.00億円、営業利益が同91.3%増の85.00億円、経常利益が同82.1%増の75.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同143.8%増の50.00億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》
株探ニュース