昭栄薬品 Research Memo(7):最終消費財メーカーへの展開で成長を目指す
■中長期の成長戦略
1. 中長期の成長戦略の全体像
昭栄薬品<3537>は中長期の成長について、事業間シナジー・国内外間シナジーの追求と集中型市場深耕モデルの追求の2つの軸による成長を目指している。
事業間シナジーは、中核の化学品事業の知見を日用品事業や土木建設資材事業の新商品開発に生かすことで収益拡大を図る。集中型市場深耕モデルの追求では、オレオケミカルと界面活性剤にフォーカスした事業モデルを生かしつつ、川下(最終消費財メーカー)寄りの顧客層を開拓することで、収益機会と付加価値の拡大を目指している。
数値目標については時期を明記していないものの、早期に連結売上高250億円以上、海外売上高比率10%以上を目指すとしている。
2. 今後の戦略・展開
(1) 環境(Environment)への取り組み
a) RSPOの啓蒙を行い、産業界・市場への浸透、製品販売を進める。パーム油の需要拡大による生物や環境への影響を真摯に捉え、改善する。具体的な行動としては、化粧品向け原料(活性剤など)として、サスティナブルなパーム油生産の認証に対応している製品の販売を進める。JaSPON(Japan Sustainable Palm Oil Network)正会員として、業界間の垣根を越えて持続可能なパーム油の調達と消費の促進に向けて協働する。
b) 上水化システム、排水ゼロ化・排水処理システムの普及を推進する。工場排水による環境負荷を下げることで、川や海をより美しくする。具体的には、排水処理設備及び排水ゼロシステムの普及に貢献する。
(2) 社会(Social)への取り組み
a) 工場で発生する臭気の軽減や捕集技術の普及を進める。職場の臭いを軽減し、従業員の健康と安全を守る。工場から排出される臭いを軽減し、住みよい街づくりに貢献する。具体的には有機溶剤使用企業への脱臭機の普及を促進する。
b) 塵芥車で発生する悪臭をマスキングし、低減する。塵芥車の強い臭気による体調悪化を軽減する。また、作業員が周囲を気にして作業しなければならない状況に配慮する。具体的には塵芥車メーカーを通じて悪臭改善薬剤の展開を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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