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いい生活 Research Memo(7):持続可能な成長を支えるため、引き続き人的資本への投資を継続

特集
2024年12月5日 11時07分

■いい生活<3796>の今後の業績見通し

1. 2025年3月期の業績見通し

2025年3月期の業績見通しは、売上高で前期比11.1%増の3,119百万円、営業利益で同43.2%減の100百万円、経常利益は同52.4%減の99百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同54.1%減の67百万円と期初予想から据え置いている。同社は、2024年3月期から仕掛り中の大型案件をクローズし、新規顧客の獲得と既存顧客からのクロスセル及びアップセルを通じて約11%の売上成長を見込んでいる。エンタープライズ市場のSaaSへの移行が加速しており、賃貸管理SaaS案件の堅調な積み上げと導入支援のニーズの増加が予想される。2026年3月期も10%超の売上成長が見込まれていることから、中長期的な成長軌道にあると思われる。

同社は持続可能な成長を支えるため、引き続き人的資本への投資を継続していく。具体的には、グループ全体の給与水準を平均10%以上引き上げることで優秀な人材の獲得とリテンションを図っており、開発チームの増員やプロダクト開発のペースを加速させている。さらに、エンタープライズ顧客に対する新プロダクトの投入準備を加速し、売買向けSaaSの強化を進めることで、市場ニーズに迅速に対応している。

2. 2025年3月期の基本方針・成長戦略

2025年3月期における同社の基本方針と成長戦略は、大手企業へのSaaS導入推進と唯一無二のポジショニングを活かしたSaaSシフト支援に焦点を当てている。特に、インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正に適切に対応し、大手企業のカスタマイズ志向に応えるためのSaaS導入に注力している。同社は、不動産賃貸管理及び賃貸募集業務を一元管理できるSaaSオンリーのシステムを提供する唯一の上場企業として、その独自のポジショニングを活かしている。これにより、エンタープライズ顧客のSaaSシフトを支援し、業務の効率化と法令遵守を実現する。「いい生活Square」プラットフォームを通じて、不動産会社を無料ユーザーとして獲得し、物件供給力の高い大手賃貸管理会社を顧客化することで業者間流通を拡大している。特に、「いい生活賃貸クラウド 物件広告」や「いい生活賃貸クラウド 営業支援」を推進し、仲介側ユーザーにエントリー導入しやすいサービスを提供している。2024年3月時点で約19,000社が「いい生活Square」に登録済みであり、これが今後の成長の基盤となっている。さらに、連携サービスの拡大にも力を入れており、Web会議や汎用性ある電子契約ツールの販売代理を通じて導入を増やしている。これにより、従量課金をビルトインし、安定した収益を確保している。データ保存ツールもラインナップに加え、ワンストップサービスの提供を加速している。

これらの戦略により、同社は持続的な成長を目指し、業界内での競争力を強化している。大手企業の高機能ニーズに応えるとともに、中小企業にもスケーラブルなSaaSソリューションを提供することで、市場シェアを拡大し続ける方針だ。弊社では、法改正に対応する柔軟なシステム提供と連携サービスの拡充が、同社の成長を後押しする要因となると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《HN》

提供:フィスコ

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