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巴川紙 Research Memo(9):静電チャック、高性能金属繊維シートを中心に拡大を推進

特集
2023年7月10日 12時29分

■中長期の成長戦略

ターゲット領域並びに量産化の見通しとして以下のようなスケジュールを想定している。

(1) 「静電チャック」

巴川製紙所<3878>は半導体市場ディスプレイ関連の新製品のなかでもその起爆剤として期待しているのが新型「静電チャック」である。同社は大幅に性能向上した新型静電チャックを開発中で、現在300mmウエハ対応で標準採用となっているセラミック静電チャックに対し、高容量半導体メモリ向け等に利用される新型静電チャックを2023年3月期にユーザーの新モデルに内蔵されることを見込んでいた。しかし昨今のメモリ需要の急下降から投入がずれ、本格量産は2025年3月期にずれ込む見通しとなった。積層数が200層を超すようなフラッシュメモリではエッチング装置のマルチチャンバー化が加速すると見られ、静電チャックの伸びがエッチング装置の伸びを上回ると見られる。しかも多層化に伴い、静電チャックにはパーティクル発生を低減させる表面加工精度、ウエハ温度制御のよりきめ細かい制御技術、長寿命化などが要求されるが、これに対応できる製品になっていると見られ、2026年3月期には1,000百万円を超える売上が期待される。さらに現在、静電チャック市場は全体として500億円弱の市場があると見られるが、同分野で10%シェアを獲得するだけで50億円規模の事業となるだけに、中期的にはさらなる拡大が期待される。

(2) 「フレキシブルヒータ」と「高性能ヒートシンク」

金属繊維シートを利用した「フレキシブルヒータ」と金属繊維シートを活用した「高性能ヒートシンク」も注目度が高い。同社は1980年代より、ステンレスやセラミックスといった金属、無機材料を繊維化、シート化する技術開発を行ってきた。ステンレス100%の多孔質シートは金属繊維同士が交互で融着しているため繊維剥離が少なく、ステンレスの持つ耐熱性、耐薬品性、導電性などを備え、1998年にはノートPC用電磁波シールド材として上市した。また2016年に世界で初めてシート化に成功した銅繊維シートは大電流、小型化が求められるデバイスなどへの用途展開が期待できる。同社は金属繊維シートを単体として販売するだけでなく、半導体製造装置にユニット製品として組み込んだ製品にすることで半導体製造装置用関連機器として販売拡大を狙う。具体的には金属繊維シートを用いた「フレキシブルヒータ」として利用するもので、金属繊維シートが熱を通すと瞬時に500℃まで加熱が可能となる。しかも製造装置部材の表面に密着することで熱を効率的に利用できることから、省エネ効果も高い。さらに均質な面内発熱が可能な点も精密制御が可能となっており、2024年3月期から2025年3月期における量産のスタートを目指している。また前述の銅繊維シートは表面積の大きさを利用して、「高性能ヒートシンク材」としての利用を狙う。放熱効率が従来品の2~3倍も得られることから半導体製造装置のコンパクト化に役立つだけでなく、水冷から空冷化も可能なことから装置の流路設計の自由度が上がり、省エネ効果があることも大きなポイントとなっている。こちらは製造装置の温度制御に加えて工業設備などでも利用が見込まれ、2025年3月期には量産化を予定している。どちらの製品も本格採用となれば大きな製品に育つと見られる。

機能性不織布の新製品展開やセルロースマイクロファイバー製品の量産化は2023年3月期より開始

(3) 機能性不織布分野での量産展開

抄紙技術の展開として、銅やステンレスの「金属繊維シート」以外でも、「セラミック繊維シート」は1600℃の環境でも使用可能な繊維シートで、金属、セラミックス等の熱処理工程の断熱材、電池用類焼防止剤などの利用が見込まれる。また環境配慮型製品として機能性粉粉体を高密度で高充填したシートは、防湿、ガス吸着シートとしての利用が見込まれる。なおこれらの製品群はすでに2023年3月期より量産化が始まっており、金額は小さいものの、用途の広がりで徐々に売上拡大が見込まれる。さらに環境負荷低減に優れた材料である木材パルプ(セルロース)材料技術の展開として、セルロースマイクロファイバー製品「グリーンチップR CMF R」の量産化も進めた。同市場では他社がセルロースナノファイバーの開発に注力しているが、同社はコスト高である点や他の素材と複合化しにくいなどの問題点があるとの認識で、マイクロファイバーの拡大を目指す。セルロースマイクロファイバー製品であれば、コストメリットがあるほか、紙などと混ぜても利用できるためセルロース繊維混入率51%以上で可燃物として廃棄が可能という利点もある。

新製品開発にあたって積極的な研究開発を実施

(4) 新製品の売上計画増額に対して積極的に投資、またインオーガニックな成長も模索し企業変革を進める

同社は今回の修正目標において、新製品の売上高比率を従来の16%以上から24%に引き上げている。そして、この増額を達成すべく、今後3年間で累計5,000百万円以上の成長のための設備投資を計画、また既存の延長線上にないインオーガニックな成長も企画、出資を含めて技術提携等のアライアンス戦略の検討にも着手することとした。現在、有望商品の立ち上げが本格化しつつあり、「巴川コーポレーション(英文表記:TOMOEGAWA CORPORATION)」として、企業変革の実現に期待が高まる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《SI》

提供:フィスコ

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