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アイル Research Memo(5):「CROSS-OVERシナジー」戦略が特徴(3)

特集
2023年4月13日 15時05分

■事業概要

5. 利益重視戦略

アイル<3854>は利益重視戦略として、開発・カスタマイズ時の工程管理・品質管理強化や生産性向上、ストック売上拡大などを推進している。

開発・カスタマイズ時の工程管理・品質管理強化や生産性向上としては、受注段階で営業と開発が連携を強化することでカスタマイズ工数を削減することや、トラブル未然防止に取り組むなど、総合的な品質・生産性向上策と売上総利益率上昇策を推進している。さらに2020年7月期からは、組織変更によって営業とサポートを一体化(システム営業、システムサポート)し、連携を一段と強化している。また、個別カスタマイズ対応を基本戦略とする一方で、カスタマイズを最小限に抑えパッケージ機能に沿った受注の拡大や、品質・生産性向上によるリードタイム短縮など売上総利益率の改善を推進している。これらの結果、2022年7月期の売上総利益率は52.1%(2019年7月期比10.1ポイント上昇)、システムソリューション事業52.3%(同10.7ポイント上昇)、CROSS事業57.2%(同2.6ポイント上昇)と大きく改善した。

ストック売上拡大としては、システムソリューション事業ではシステム保守サービス、Webソリューション事業では「CROSS MALL」及び「CROSS POINT」などに注力している。2022年7月期のストック売上高は前期比16.0%増の5,576百万円、ストック売上総利益は同18.4%増の3,304百万円、ストック売上総利益率は同1.1ポイント上昇の59.2%と好調に推移しており、特にストック売上比率は43.1%と初めて40%台に乗った。

6. 連携パートナーとのサービス連携強化

同社は、さらなる売上成長と利益拡大に向けた施策として、既存製品のバージョンアップのほか、様々な分野での連携パートナーとのサービス連携強化などを推進している。

2022年7月期の連携パートナーとのサービス連携としては、Webソリューション事業の「CROSS MALL」がFacebook及びInstagramのショップ機能と連携(2021年9月)、(株)NTTドコモ「dショッピング」と注文情報・在庫情報の連携(同年10月)、(株)清長のクラウド物流アウトソーシングサービス「LogiMoPro(ロジモプロ)」と自動連携(同年12月)、ルームクリップ(株)のECショッピングモール「RoomClip(ルームクリップ)ショッピング」と注文情報・在庫情報の連携(2022年1月)、(株)Graciaのギフト専門ECショッピングモール「TANP(タンプ)」と注文情報・在庫情報の連携(同年3月)、ヤマト運輸(株)のフルフィルメントサービス(マルチチャネル契約)と自動連携(同年5月)、Qxpress Corp.(株)の物流プラットフォーム「SmartShip(スマートシップ)」と自動連携及びCAFE24 JAPAN(株)のECプラットフォーム「Cafe24(カフェ24)」と注文情報・在庫情報の連携(同年6月)をした。

2023年7月期の連携パートナーとのサービス連携としては、システムソリューション事業の「アラジンオフィス」がマネーフォワード<3994>の中堅企業・上場企業向け会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計Plus」と連携(2023年4月)、「アラジンEC」がGMOペイメントゲートウェイ<3769>の総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」及びSMBC GMO PAYMENT(株)の決済サービス「SMBCマルチペイメントサービス」とそれぞれ連携(2022年8月)、「アラジンクラウド」が(株)網屋のクラウドゼロトラストサービス「Verona(ヴェローナ)と連携(2023年1月)した。Webソリューション事業の「CROSS MALL」はRecustomer(株)の購入体験プラットフォーム「Recustomer(リカスタマー)」と連携(2022年9月)、(株)コマースロボティクスのeコマースクラウドWMS「Air Logi(エアロジ)」と自動連携(2023年1月)、(株)ソウゾウのEコマースプラットフォーム「メルカリShops」と連携(2023年4月)した。

また、2023年7月期の既存製品のバージョンアップとしては、システムソリューション事業で「アラジンオフィス」のプロジェクト管理オプションをリリース(2022年9月)したほか、「アラジンオフィス」の伝票承認機能を強化したオプション機能「アラジンワークフロー」の提供を開始(2023年3月)した。Webソリューション事業では、「CROSS MALL」が次世代サービスとしてバックヤードを支援する業界初のバックヤードプラットフォーム「BACKYARD(TM)」を開始(同年12月)した。プラットフォームのコンテンツであるCLOUD SERVICE、EVENT、AWARD、MEDIA、REAL SPACE、TOOLで複合的にバックヤードを支援し、業務の効率化だけでなく、バックサイドから変革につなげる「BX」を実現している。2023年1月よりモデルユーザーの利用を開始しており、同年1月にはバックヤードを表彰する「BACKYARD AWARD」を「BACKYARD(TM)」サイトで公開した。2023年春より新規申し込みを受付開始予定で、2023年秋~2024年春の本格稼働を目指している。

なお、資本業務提携しているシビラに対しては、シビラと電通グループ<4324>の資本業務提携に伴い、出資比率を維持するため2021年6月に追加出資を行った。さらなる連携強化により、セキュリティと利便性が両立した新しいサービスを追求する方針である。

7. リスク要因・収益特性と対策

情報システム・サービス産業における一般的なリスク要因としては、受注競合、案件大型化に伴う開発期間の長期化、個別プロジェクトの不採算化、技術革新への対応遅れ、人材確保などがある。ただし、同社の場合はパッケージソフト開発・販売が主力のため、受託開発が主力のシステム開発会社に比べて個別プロジェクト不採算化のリスクは小さい。一方で、顧客に適合した柔軟な個別カスタマイズによって競合他社との差別化を図っていることが特徴のため、開発・カスタマイズ時における工数増加やバグ発生などが利益率低下要因となるが、この対策として利益重視戦略を推進し、売上総利益率改善に取り組んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《AS》

提供:フィスコ

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