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トレードワークス Research Memo(7):中期経営計画の1年目は順調な滑り出し

特集
2022年9月9日 16時07分

■今後の見通し

2. 中期経営計画

(1) 中期経営計画の概要

トレードワークス<3997>は、2026年12月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を2021年12月に発表した。同社が今まで培ってきたコア技術・資産である証券・FX・情報セキュリティ領域におけるソリューションをベースに、今後テクノロジーを基盤に創生される新たな市場へと展開する戦略で、「次世代金融、新デジタル時代を見据えたテクノロジー・ファースト型の企業成長」を目指す。こうした「事業領域の拡大」に加えて、「ビジネスモデル転換(利用型・ストック型ビジネスモデルの売上比率UP)」に取り組むことで、事業規模の拡大と収益力向上を図るとともに、持続的な成長を実現する考えだ。

(2) 業績目標

業績目標値は、最終年度となる2026年12月期に売上高6,000百万円、営業利益795百万円を掲げている。2021年12月期実績に対して売上高で2.4倍、営業利益で2.8倍増の規模となり、5年間の年平均成長率では売上高で18.6%、営業利益で22.5%となる。そのほかKPIとして既存事業のストック売上高を2021年12月期の1,400百万円から3,074百万円に拡大し、ストック売上比率を同様に56.0%から62.7%に引き上げるほか、エンジニアを90名から210名に増員する計画となっている。開発リソースが強化されれば、今までよりも大規模の開発案件を受注することも可能になると見ている。

市場環境については、前述のとおり主軸となる金融・証券業界のIT投資は旺盛で、今後も新規サービスの開発需要も取り込みながら、同業界におけるシェアを拡大することで成長を続けることは可能と見られる。また、ECソリューションなど新規事業領域で2026年12月期に1,100百万円の売上高を計画している。2021年12月期から取り組んでいるECソリューションを中心に、メタバース・リーガルテック・医療分野などで蒔いてきた種が順調に育てば、業績目標の達成も見えてくるだけに、その動向が注目される。

そのほか、同社は新規事業を中心にM&Aやアライアンス戦略についても引き続き前向きに検討するほか、サスティナブルな企業活動を実現するためSDGs推進に資する分野に対する投資も行う予定である。

(3) 事業別売上計画

a) 金融ソリューション事業

金融ソリューション事業では、Web3.0※の本格到来を見据え、暗号資産・デジタル証券・DeFi・NFT等の新たなテクノロジーへ積極投資し、次世代金融領域のフロンティア・カンパニーを目指す方針だ。施策としては、既存ビジネスの深耕を着実に行い、証券インターネット取引システム領域でのシェアを拡大するとともに、次世代金融領域(暗号資産・デジタル証券・DeFi・NFT等)でのビジネス開拓を進め、売上高を2021年12月期の2,377百万円から2026年12月期には1.9倍の4,500百万円を目指す。

※Web3.0とは、パブリック型のブロックチェーン技術を基盤とするインターネットの概念。

また収益性についても、既存ビジネスにおけるシェア拡大や、次世代金融領域での新規ユーザー獲得によるストック売上比率の維持・向上と併せて、データセンター設備や基盤ソフトウエアの最適化に取り組むことで引き上げていく。そのほか、新仲介やAPIエコノミーの広がりを見据えて現在のASPサービス基盤を拡張し、より接続性の高いプラットフォームに進化することで、新たな金融サービスのビジネスモデル創出・発展につなげる考えだ。

なお、次世代金融領域への展開については、2022年1月に資本業務提携を行ったCXRエンジニアリング(株)との共同開発に着手している。具体的には、NFT・STO※・DeFi等のシステムやFX及び暗号資産CFD等の店頭取引システム、暗号資産取引所システムの共同開発に取り組む。CXRエンジニアリングは、暗号資産取引システムの開発を中心に手掛けるスタートアップ企業で、暗号資産取引所マッチングエンジンなど高いコア技術を用いて次世代金融に特化したUX(User Experience)のノウハウを保有している。同社の基盤となる「Trade Agent」のマルチプロダクト型アーキテクチャとの親和性も高く、新たな金融商品を共通のプラットフォーム上でサービス展開することも可能だ。既に受注も獲得済みで2022年12月期から売上貢献が見込まれる。

※STO(Security Token Offering)とは、デジタル証券(Security Token)を活用した資金調達手段を指す。

同社は共同開発した次世代金融システムを、既存顧客に対して導入提案する予定である。証券会社でも暗号資産等の新たな金融商品の取り扱いを拡充する方向であることから、ビジネスチャンスは大きいと見られる。

b) FXシステム事業

FXシステム事業では、モデルユーザーに提供したプロトタイプを製品化し他社に横展開することでライセンス・保守収入を獲得し、高利益率を維持しながら売上成長を目指す戦略だ。また、モデルユーザーの対象企業数を増やし、様々なニーズを収集しブラッシュアップすることで、製品の高付加価値化を図り競争力を高める。営業方針としては規模や顧客数を無理に追わず、顧客満足度の向上を優先して取り組むことにしている。2026年12月期の売上高は320百万円と、2021年12月期の151百万円から2.1倍を目指す。

c) セキュリティ診断事業

セキュリティ診断事業では、単価がリーズナブルな自動診断ツール「SecuAlive」を契約獲得のためのフックツールとし、付加価値の高い手動診断サービスの受注につなげる戦略である。営業方針については金融ソリューションの営業部と連携しながら証券会社向けの顧客開拓を進め、2026年12月期に売上高80百万円を目指す。

d) 新規事業

新規事業については、計画3年目となる2024年12月期の黒字化と、2026年12月期の売上高1,100百万円を目標に掲げた。新デジタル時代におけるECの多様化・仮想空間の実用化・AIや高度通信技術の発展による様々な変革に対応しながら、「次世代のデジタルコマースを創生する」をミッションとし、金融システム開発で培ったコア技術をベースとして、プラットフォーム/ソリューションにより新たなビジネス展開を図る。

新規事業の核となるのは、クラウドECプラットフォーム「Emerald Blue」を基盤としたデジタルコマース事業である。前述のとおり、既に「AZLM」や「Tax Free Online」で導入しており、2022年12月期で1億円弱の売上を見込んでいる(2022年12月期第2四半期累計では金融ソリューション事業の売上に含む)。今後これらのビジネスを拡大するだけでなく、蓄積したノウハウをもとに横展開して事業拡大を目指す。また、今まで手掛けてきたAR/VRソリューションやAIソリューションのノウハウを新たな業界や事業者へと横展開することでも収益化を図る。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

提供:フィスコ

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