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rakumo Research Memo(4):2024年12月期は2ケタ増収増益、会社計画を上回って着地

特集
2025年3月17日 12時04分

■rakumo<4060>の業績動向

1. 2024年12月期の業績概要

2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比11.4%増の1,443百万円、調整後EBITA※が同30.4%増の436百万円、営業利益が同26.1%増の383百万円、経常利益が同26.5%増の375百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.8%増の253百万円となった。

※ 調整後EBITA=営業利益+のれん償却費(PPAによる取得原価配分後の各種償却費を含む)+株式報酬費用+一過性のM&A関連費用(仲介費及びデューデリジェンス費用)。また、PPAはPurchase Price Allocationの略で、M&Aにより取得した資産及び賦算を時価評価する会計処理のこと。

サービス別売上高は、SaaSサービスが前期比18.7%増の1,392百万円、ソリューションサービスが同49.6%減の26百万円、ITオフショア開発サービスが同65.2%減の24百万円であった。SaaSサービスに注力するため、ソリューションサービス及びITオフショア開発サービスを縮小した。一方、SaaSサービスは2024年4月に実施した価格改定や、自治体における1,000IDを超える大型案件の複数獲得などにより、成長した。

費用面について、売上原価は円安の進行等によるサーバー費用の増加などにより前期比6.2%増となったが、同社の売上原価は固定費が中心のため、売上原価率は増収効果により34.1%と同1.7ポイント改善した。販管費は同7.6%増の567百万円であり、販管費率は39.3%と同1.4ポイント減少した。対前期比では、アイヴィジョンの連結に伴うのれん償却費等が同22百万円増、新製品・新機能開発に向けた研究開発費が同15百万円増、人件費が同13百万円増となったが、売上原価同様に固定費が中心の構成であるため、増収効果により販管費率が改善した。

この結果、調整後EBITAは前期比30.4%増の436百万円、EBITAマージンは同4.4ポイント改善の30.2%、営業利益は同26.1%増の383百万円、営業利益率は同3.1ポイント改善の26.6%と、大幅増益となった。通期営業利益計画は353百万円であり、計画比8.4%過達して着地した。

Googleの再販プログラム変更などに伴う影響は一巡

2. 主要KPIの推移

(1) ユニークユーザー数及びクライアント数

同社のクライアント数は、2021年12月期末に2,201社、2022年12月期末に2,334社(前期末比133社増)、2023年12月期末に2,442社(同108社増)、2024年12月期第1四半期末に2,486社と着実に増加している。一方、同社は効果的なユーザー数拡大のために大企業へ1社当たりの潜在獲得ユーザー数の大きい大企業を中心に営業活動を行っており、クライアント数以上に、ユーザーのアカウント数を示すユニークユーザー数を増やしてきた。2021年12月期末に44.8万人、2022年12月期末に50.2万人(同5.4万人増)、2023年12月期に56.3万人(同6.1万人増)となり、2024年12月期第1四半期末には57.9万人となった。

しかし、2024年12月期第2四半期末のユニークユーザー数は57.1万人、クライアント数は2,468社と、いずれも前四半期末比で減少へと転じた。この主な要因は、1) Googleの再販プログラムの変更により、一部顧客が他の代理店パートナー企業へ移行したこと及びMicrosoft 365へ利用転換するなどの解約影響が発現したこと、2) 2024年4月に実施した価格改定に伴う駆け込み需要により、例年よりも契約が3月に集中したことで、第2四半期の新規顧客獲得が減少したことなどである。

これに対し同社は、中・大手案件の増加を目的とした担当部署の設置によるアウトバウンド営業の強化、サポート体制の強化、GoogleのAIサービスの販売強化、プロダクト開発による魅力度の向上、教育機関や自治体などへの拡販のための各種施策を実行している。その結果、2024年12月期末のユニークユーザー数は前四半期末比0.2万人増の57.3万人、クライアント数は同6社増の2,473社と、再び増加基調に転じている。同社を取り巻く事業環境は段階的に改善に向かっていると評価できる。

(2) 解約率

解約率は既存クライアントの離脱状況を示すKPI指標である。同社の解約率は、2018年12月期以降一貫して低い水準で推移しており、近年は1%前後で安定的に推移している。同社は2021年ごろから、解約理由の調査やサポート体制の強化など、解約率低減施策を実施している。また、業務基盤ツールとして使用される製品の特性も低解約率につながっている。2023年12月期は0.57%という過去最低水準の解約率で着地したが、2024年12月期第2四半期に1.35%へ急上昇した。期初計画時点では想定していなかったGoogleの再販プログラム変更(実質的な値上げ)が十分な事前予告期間なしに5?6月ごろ(弊社推定)に実施され、それにより同社製品がプラットフォームとしているGoogle Workspace自体をリセラーチェンジする動きが加速したことで、同社クライアントの一部が他の代理店パートナー企業へ移行したことが背景にある。なお、2024年12月期は1.03%と当第2四半期比0.32ポイント改善しており、下期のみでは0.71%と、例年との乖離もなく、順調に進捗している。

ちなみに、同社によるとGoogle自体の解約を除いた実質ベースの解約率は従来の低水準にとどまっており、「rakumo」自体の価格改定により解約率が想定以上に上昇しているわけではないという。また、2025年12月期は解約率の開示方法をより理解しやすい形式に修正する予定である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)

《HN》

提供:フィスコ

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