エクサウィザーズ:AIで幅広い業種の大手企業が顧客、売上高の成長に伴って利益創出フェーズへ
エクサウィザーズ<4259>は、AI(人工知能)を利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決に取り組んでいる。
独自開発のAIアルゴリズムと、様々な業界や業務に関する知見を組み合わせたAIサービスを顧客及び事業提携先に提供している。具体的には、(1)主に大企業を顧客とし、そのデジタル・AI化を推進し産業・社会革新を図るAIプラットフォーム事業(前期実績で売上高の64%)、(2)広範な顧客向けに業務プロセスに簡易に導入・活用可能なAIソフトウエアを提供するAIプロダクト事業(同20%)、(3)SaaS商材やIT商材などの営業課題に人的リソース提供を行う事業等を展開するその他サービス事業(同16%)を展開。ほぼ全ての事業を通じて、独自開発のAIアルゴリズムと、様々な業界や業務に関する知見やデータを「exaBase」に蓄積することで、サービスの効率化及び高付加価値化を実現している。AIプラットフォーム事業の取引社数は前期で178社。売上高は第4四半期(1-3月)、特に3月に偏在する傾向がある。長期継続顧客による売上は前期実績で約70%となった。
2025年3月期第1四半期の売上高は前年同期比62.0%増の2,110百万円、営業利益は289百万円の赤字で着地した。AIプロダクト事業では、「exaBase DXアセスメント&ラーニング」や「exaBase 生成AI」が引き続き成長を牽引し、第1四半期の売上高は520百万円(同2.8倍)と大きく成長。大手企業や自治体で導入が進んでおり、「exaBase生成AI」は561社(7月末時点)に導入されて金額ベースで市場シェア1位(デロイト トーマツ ミック経済研究所「法人向け生成AI導入ソリューションサービス市場動向 2024年度版)を獲得し、「exaBase DXアセスメント&ラーニング」は1,590社に導入された。また、AIプラットフォーム事業でも、exaBase Studioを活用した案件も増加し、1人当たりの営業生産性向上も順調に推移した。開発・営業人員の採用を中心にした先行投資により営業赤字で着地。通期の売上高は前期比20%増の10,060百万円、営業利益は200百万円を見込んでいる。
生成AI市場は国内外ともに年率約50%で成長しており、2030年には国内で1.7兆円に達する見込みとなっている。生成AI導入で幅広い業種・職種で業務生産性の向上が期待されている中、直近では、西武ホールディングス<9024>傘下の西武鉄道、住友生命、関西電力<9503>などとの連携を開示しており、過去実績ではみずほ銀行や第一生命などとの取引実績も持つ。今後も、AIプロダクト事業・AIプラットフォーム事業ともに売上高・顧客数・ユーザー数の拡大など、各種指標の増加を重要視して、必要な領域への投資も実行して成長を図っていく。2024年3月末時点で国内外の機関投資家比率は合計19.4%と機関投資家からの期待値も高い同社の今後の成長に注目しておきたい。
《NH》
株探ニュース