北陸企業News-「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」-【今村証券アナリストレポート】
2015年のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)適用開始から約10年が経過、日本企業のコーポレートガバナンス改革は進展してきた。殊に2023年に東京証券取引所が上場企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請して以来、企業の取り組みが進み、投資家から高い評価を得る企業も多い。他方、形式的な順守にとどまっている場合もある点が課題となっている。
こうした中で、金融庁は2026年中にコーポレートガバナンス・コードを改訂する方針だ。企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与すべく、全体的なコードのスリム化/プリンシプル化のほか、現預金などの資源の配分の適切性の説明、有価証券報告書の定時株主総会前の開示、取締役会事務局の機能強化を改訂の方向性として挙げる。コーポレートガバナンス・コードの改訂により企業の取り組みがさらに進めば、海外投資家の日本市場に対する注目度が高まることが期待できよう。
現預金などの経営資源の配分は、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の中で、キャッシュアロケーションとして開示する企業が増えてきた。今村証券では2025年2月の「Imamura Report 196号」ででこれにフォーカスした。今回はその後に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を開示した企業の中から、手元の現金・預金が借入金を上回る(ネットキャッシュが黒字)キャッシュリッチな企業としてシステムサポートHDを取り上げる。キャッシュリッチな企業は手元資金を成長投資や株主還元に充当することが容易だ。会社の取り組みに注目したい。

●システムサポートホールディングス <4396> [東証P]
レーティング:OUTPERFORM
◆クラウド分野が成長を牽引

顧客企業の情報システムの企画から開発、運用・保守をワンストップで提供するシステム開発会社。顧客・社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の基盤として市場が拡大しているクラウド分野に重点を置き、取引先に応じた提案を行うことで基幹系システム開発領域まで拡大させていく戦略をとる。
クラウド分野は前期が34%の増収、今期第1四半期が33%の増収となり、国内クラウド市場の拡大を上回るペースでの成長を続けている。今期から3年間の中期経営計画においても、年率2割程度の増収を見込んでいるようだ。この分野の強みには、クラウドサービスで高いシェアを有するAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azure、Google Cloudなどのそれぞれで多くの技術者を有し、近年需要が高まっているマルチクラウド(複数クラウドを適材適所で利用)に対応できることが挙げられる。足元では、セキュリティを確保した環境で生成AIを活用するニーズの高まりに応えたサービスの提供も受注獲得に寄与しているほか、顧客がクラウドサービスに移行した後のリセール(ライセンス等の再販)も積み上がっている。引き続き積極的な新卒採用とキャリア採用、既存技術者のクラウド分野へのスキルチェンジの推進により、受注拡大につなげていく方針だ。
売上高・利益の推移

今村証券による今期業績予想は売上高325億円、営業利益28億円とし、会社予想を若干上回るとみる。来期予想は中期経営計画(売上高356億9400万円、営業利益30億8900万円)を上回る売上高370億円、営業利益32億5000万円とする。配当金については、会社は「累進配当(原則として減配せず、配当の維持・増配を行う配当政策)を継続するとともに、業績や利益に応じて配当水準の向上を図る」方針であり、今期62円、来期72円を予想する。この業績予想を踏まえ、投資判断は「OUTPERFORM」とする。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
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※今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース