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ソフト99 Research Memo(8):2025年3月期は、2期連続増益となる見通し

特集
2024年6月19日 16時08分

■今後の見通し

1. 2025年3月期の業績見通し

ソフト99コーポレーション<4464>の2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.9%減の29,300百万円、営業利益で同0.6%増の3,600百万円、経常利益で同0.5%増の3,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.7%増の2,650百万円を計画している。売上高については、ファインケミカル事業において海外向け他社仕入商品の販売を2024年4月で終了したことや温浴施設1店舗を閉店したことなどによる1,850百万円の減収、120百万円の減益要因はあるものの、ポーラスマテリアル事業を中心とした既存事業の成長とプロダクトミックスの変化により増益を確保する。一時的要因を除けば実質4%の増収増益見通しとなる。

(1) ファインケミカル事業

ファインケミカル事業の売上高は前期比5.6%減の13,700百万円、営業利益は同4.4%増の2,010百万円となる見通しだ。売上高は海外向け仕入販売の終了で1,500百万円の減収となるが、利益への影響は軽微で自社製品が約5%増と伸長することにより増益を見込んでいる。自動車分野については、一般消費者向けがボディケア製品、ガラスケア製品、リペア製品ともに1ケタ台の増収となるほか、業務用製品についても自社ブランド品を中心に堅調を見込む。海外向け自社製品についてはボディケア製品やガラスケア製品を中心にSNSプロモーションを展開し1ケタ台の増収を見込む。家庭用品についてはメガネケア製品の下げ止まりが期待されるほか、新たに自転車のスポーク用コーティング剤を発売する計画となっており、若干ながらも増収に寄与する見通しだ。そのほかTPMS事業は前期比横ばい、電子機器・ソフトウェア開発は4G対応品へのリプレース需要により1ケタ台の増収を見込んでいる。

(2) ポーラスマテリアル事業

ポーラスマテリアル事業の売上高は前期比7.8%増の8,950百万円、営業利益は同1.5%増の1,100百万円となる見通しだ。売上高については産業資材で同10%増、生活用資材で前期並みの水準を見込んでいる。産業資材ではAI半導体の需要急拡大に伴い、半導体製造用消耗部材の需要回復が見込まれる。AI半導体は最先端プロセスで製造されるため、同社の受注増加に寄与する。需要拡大を見越してブラシローラーの生産能力を1.2~1.3倍に増強する計画である。製造ライン数は変わらないものの、ボトルネックとなっていた工程を強化し全体のスループットを挙げていく。また、医療分野についてもPVAスポンジの持つ高吸水性といった特性を生かし、検査キット用吸液材だけでなく新たな用途開拓に取り組んでおり、着実な増収が見込まれる。新用途としては口腔外科領域向けに口腔ケアセットの試験販売を前期よりスタートしている。減価償却費の増加を主因に利益率の低下を見込んでいるが、同事業の利益計画については例年、保守的に立てる傾向にあり増額余地があると弊社では見ている。

(3) サービス事業

サービス事業の売上高は前期比0.6%増の5,550百万円、営業利益は同14.6%増の210百万円となる見通しだ。売上高は自動車整備・鈑金事業、自動車教習所事業ともに微減と保守的に見ている一方で、生活用品企画販売の回復を見込んでいる。利益面では、生活用企画販売事業の収益改善により増益となる見通し。なお、自動車整備・鈑金事業においては、前期に引き続き工賃の値上げを進める意向である。自動車の整備事業者は市場の縮小とともに年々減少しており、同社は残存者利益を獲得する戦略だ。

(4) 不動産関連事業

不動産関連事業の売上高は前期比28.7%減の1,100百万円、営業利益で同25.4%減の280百万円と減収減益の見通しだ。温浴事業(2025年3月期よりSI事業に改称)で「極楽湯 尼崎店」を2024年3月末に閉店した影響で、350百万円の減収を見込んでいる。同店舗の閉店後はIR・インバウンド需要を見越して、和食をベースとした飲食店モールの開発計画を進めており、2026年3月期中の開業を予定している。不動産賃貸事業や介護予防支援事業については前期並みの水準を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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