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三洋化成 Research Memo(6):2024年3月期第2四半期は需要低迷の影響で減収減益

特集
2023年12月27日 12時26分

■業績動向

1. 2024年3月期第2四半期の業績概要

三洋化成工業<4471>の2024年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比10.4%減の79,278百万円、営業利益が同46.9%減の2,020百万円、経常利益が同32.8%減の4,947百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同6.8%減の4,398百万円となり、減収減益であった。ナフサ価格が下落に転じたことや為替の円安などがプラス要因だったが、全体として需要が低迷した。特に、自動車関連や半導体・電子部品関連の高付加価値製品群(特殊電子部品用薬剤、潤滑油添加剤、永久帯電防止剤など)の販売数量が減少して売上ミックスが悪化したことに加え、固定費の増加なども影響した。

営業利益の増減分析を見ると、増益要因として原料価格効果が960百万円、為替効果が590百万円であった。減益要因として、製品価格効果が730百万円、数量・商品構成効果が2,080百万円、コストダウン等が290百万円、固定費が230百万円であった。為替効果を含めた製品・原料売買バランスは合計820百万円増加したが、数量・商品構成などその他要因が合計2,600百万円減となった。売上総利益は前年同期比11.6%減少し、売上総利益率は同0.3ポイント低下して17.9%となった。販管費は同0.6%減少したが、販管費率は同1.5ポイント上昇して15.4%となった。この結果、営業利益率は同1.8ポイント低下して2.5%となった。営業外収益では為替差益2,327百万円を計上したが、前年同期比では295百万円減少した。また持分法投資損益が差引601百万円悪化(前年同期は投資利益488百万円、2024年3月期第2四半期は投資損失113百万円)した。親会社株主に帰属する四半期純利益については投資有価証券売却益2,030百万円を計上したため、営業利益、経常利益に比べて減益幅が小幅に留まった。

なお同社は、期中に2回の業績予想修正(2023年8月4日付で売上高、営業利益、経常利益をそれぞれ下方修正、親会社株主に帰属する四半期純利益を据え置き、同年11月6日付で売上高、各利益とも上方修正)を行っている。1回目の修正では需要低滞の影響、投資有価証券売却益の計上を織り込んだ。2回目の修正では、製造原価と販管費が想定を下回り、営業外収益での為替差益が想定を上回ったことを織り込んだ。結果的に、期初計画(売上高88,000百万円、営業利益4,500百万円、経常利益5,000百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3,000百万円)との比較で見れば、売上高と営業利益が需要低滞により計画を下回り、経常利益は想定以上の為替差益計上によりおおむね計画水準、親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券売却益の計上により計画を上回った。

2. セグメント別動向

(1) 生活・健康産業関連分野

売上高が前年同期比20.2%減の23,687百万円、営業損失が973百万円(前年同期は413百万円の利益)だった。生活産業関連分野は液体洗濯洗剤用界面活性剤やポリエチレングリコール(PEG)の市況低迷により需要が減少し、売上高は同13.2%減の6,370百万円となった。健康産業関連分野は高吸水性樹脂(SAP)の販売数量が減少し、売上高は同22.6%減の17,300百万円となった。利益面は減収影響や高吸水性樹脂(SAP)の採算悪化などにより営業損益が悪化した。

(2) 石油・輸送機産業関連分野

売上高が前年同期比3.8%増の24,818百万円、営業利益が同17.5%減の1,075百万円だった。自動車内装表皮材用ウレタンビーズ(TUB)が中国市況不振により低調に推移したが、自動車シートなどに使用されるポリウレタンフォーム用原料(PPG)が大幅に増加した結果、増収となった。利益面はタイムラグによる売買スプレッド縮小などの影響で減益だった。

(3) プラスチック・繊維産業関連分野

売上高が前年同期比13.6%減の12,222百万円、営業利益が同17.6%減の1,139百万円だった。プラスチック産業関連分野は電子部品需要低迷の影響で永久帯電防止剤が低調となり、塗料コーティング用薬剤・添加剤も中国向けの需要が減少した結果、売上高は同14.8%減の8,490百万円となった。。繊維産業関連分野は、炭素繊維用薬剤やタイヤコード糸等の製造時に使用される油剤の需要が減少した結果、売上高は同11.0%減の3,720百万円となった。利益面はタイムラグによる売買スプレッド縮小などの影響で減益だった。

(4) 情報・電気電子産業関連分野

売上高が前年同期比0.3%増の11,338百万円、営業利益が同28.2%増の1,101百万円だった。情報産業関連分野はトナー関連材料の需要が減少したが、価格改定効果により、売上高は同10.0%増の7,050百万円となった。電気電子産業関連分野は半導体関連材料やアルミ電解コンデンサ用電解液が低調に推移した結果、売上高は同12.5%減の4,280百万円となった。利益面は、売上高が全体として横ばいに留まったものの、価格改定効果などで増益だった。

(5) 環境・住設産業関連分野他

売上高が前年同期比23.1%減の7,211百万円、営業利益が同45.8%減の338百万円だった。環境産業関連分野は高分子凝集剤用カチオンモノマー、住設産業関連分野は家具・断熱材に使用されるポリウレタンフォーム用原料や建築シーラント用原料が低調だった。利益面は減収影響で減益だった。

財務の健全性は良好を維持

3. 財務状況

2024年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比6,961百万円増加して209,144百万円となった。主に商品及び製品が2,001百万円減少した一方で、現金及び預金が4,703百万円増、受取手形及び売掛金は1,831百万円増、投資有価証券が1,467百万円増であった。負債合計は同2,351百万円増加して55,538百万円となった。主に未払金が1,898百万円減少した一方で、買掛金が4,300百万円増加した。有利子負債(長短借入金合計)は同382百万円減少して9,848百万円となった。純資産合計は同4,611百万円増加して153,606百万円となった。主に利益剰余金が2,512百万円増加したほか、その他有価証券評価差額金が1,050百万円増、為替換算調整勘定が917百万円増加した。この結果、自己資本比率は同0.2ポイント低下して72.0%となった。特に課題は見当たらず、財務面の健全性は良好を維持していると言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

提供:フィスコ

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