ナノキャリア---3Qビジネスモデル転換 mRNA創薬及び知財獲得・導出による収益モデルを推進
ナノキャリア<4571>は14日、2023年3月期第3四半期(22年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が1.42億円、営業損失が10.92億円、経常損失が10.19億円、親会社株主に帰属する四半期純損失が9.99億円となった。なお、2023年3月期第2四半期よりmRNA医薬の開発を推進する子会社PrimRNAを連結しており、前年度第3四半期は四半期連結財務諸表を作成していないため、2023年3月期第3四半期の対前年同四半期増減率の記載をしていない。
新たなビジネスモデルの中心となるmRNA医薬パイプラインについて、変形性膝関節症の治療薬として開発中のRUNX1は、2021年にアクセリード社と共同でPrimRNAを設立し、2023年度の医師主導第I相臨床試験開始に向けた研究開発を推進中だ。非臨床薬効試験において良好な成績が得られており、非臨床安全性試験および原薬・製剤などの準備を進めている。他にも、mRNAパイプライン候補が複数あり、パイプライン化を推進していくとともに、さらに候補を拡充していく計画としている。
また、アクセリード社の傘下にある国内最大級の非臨床試験受託企業および国内では未だ困難とされるmRNA製造受託企業など、グループ企業の活用を視野に2023年1月26日にアクセリード社と包括提携契約を締結し、mRNA創薬ビジネスを推進できる一貫体制を構築している。
mRNA医薬以外のパイプラインについて、ENT103は2022年4月に外耳炎及び中耳炎を対象に製造販売承認申請を行った。同社では、2023年度前半の販売開始を見込んでいる。siRNA医薬であるNC-6100は公益財団法人がん研究会有明病院において、再発・進行HER2陰性乳がんを対象に医師主導第I相臨床試験を実施している。ASO医薬であるTUG1は脳腫瘍の中でも悪性度が高い膠芽腫を対象とした医師主導第I相臨床試験を2023年度に開始する準備を進めている。
販売事業の状況について、アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシア ブライトニング イマキュレート セラム用の同社技術を応用した原材料を供給している。また治療法がない領域に新たな医療を届ける一環として、エイオンインターナショナルとの契約に基づき、PRP療法を用いた不妊治療をサポートしている。
2023年3月期通期について、売上高が1.84億円、営業損失が15.40億円、経常損失が14.63億円、親会社株主に帰属する当期純損失が14.71億円とする2022年11月11日に公表した連結業績予想を据え置いている。
《YI》
株探ニュース