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アンジェス Research Memo(8):Emendoは家族性高コレステロール血症での臨床入りを目指す

特集
2024年1月15日 13時08分

■アンジェス<4563>のEmendoBioの開発状況

2. 今後の事業戦略

Emendoの事業戦略は、自社開発による収益化とOMNIプラットフォーム技術のライセンス供与による収益獲得の2軸で展開する方針である。

自社開発については、ELANE変異によるSCNを対象とした臨床試験を開始すべく、FDAとIND申請に向けた最終ミーティングを予定していた矢先に、イスラエルとパレスチナの紛争が勃発し、ミーティングは延期されることになった。当初は2023年内のIND申請を目指していたが、現状は早期にIND申請できるよう準備を進めている。臨床試験の症例数は10名前後、観察期間は6ヶ月程度となる見通しで、2024年内には臨床試験を開始し、早期のPOC取得を目指している。

SCNの現在の治療法は、ST合剤(抗生剤、スルファメトキサゾール・トリメトプリム)による感染予防が一般的で、感染症がコントロールできない場合にはG-CSF※を使用して好中球の誘導を促す。ただし、G-CSFを高用量で使用した場合、骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病へ移行し、造血幹細胞移植が必要となるケースもある。Emendoでは患者から造血幹細胞を取り出し、OMNIヌクレアーゼを用いて正常な機能を有するELANEを発現させたうえで患者の体内に戻し、好中球の機能を回復させる根治療法の開発を目指している。Emendoが実施した動物実験では、正常な遺伝子を傷つけずに異常な遺伝子のみを正確に区別して破壊することで造血幹細胞が好中球に分化できたことが確認されており、早期の臨床試験開始が望まれる。なお、動物実験の論文に関しては世界最大の遺伝子治療及び細胞治療の研究者団体のジャーナルにも掲載された。

※G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子):サイトカインの一種で顆粒球産出の促進、好中球の機能を高める作用がある。

2つ目のパイプラインとして家族性高コレステロール血症※を対象疾患とした臨床試験入りを2025年内に目指している。家族性高コレステロール血症は前臨床試験において既存薬よりも高い薬効を期待できるデータが確認されており、今後の開発進展が期待される。

※家族性高コレステロール血症は、高LDLコレステロール血症、早発性冠動脈疾患、腱・皮膚結節性黄色腫を特徴とし、肝細胞にLDLコレステロールを取り込む働きをするLDL受容体が遺伝子変異の影響によって正常に機能しなくなることで、血中のLDLコレステロール値が上昇する疾患である。若い年齢で動脈硬化が進行し、心筋梗塞や狭心症などを発症しやすくなる。罹患率は日本で500人に1人、米国で250人に1人と言われている。

一方、OMNIプラットフォームのライセンス供与については、バイオベンチャーからメガファーマまで合計10社程度の引き合いがきており、複数社と交渉を進めている段階にある。特に、CAR-T療法を開発する企業からの関心度が高い。CAR-T療法は免疫細胞療法の1つで、がん患者のT細胞に標的抗原に対するCAR(Chimeric antigen receptor:キメラ免疫受容体)をコードする遺伝子を導入することで、がん細胞に対する攻撃力を高める治療法だが、OMNIプラットフォームを活用することで、治療効果及び安全性の高い新薬を効率的に開発できる可能性があるためだ。現在、相手先企業で進めている前臨床試験の結果が良好であれば、ライセンス契約の締結まで進むことが期待される。なお、契約交渉については特定の開発プロジェクトで同技術を利用したい企業と、複数の開発プロジェクトで包括的に同技術を利用したい企業があるようだ。いずれにしてもEmendoでは疾患別に非独占的ライセンス契約を締結する方針で、ペプチドリーム<4587>のようなビジネスモデルを志向している。当初は2023年内に少なくとも1件の契約締結を目指していたが、イスラエル、パレスチナ紛争の影響で交渉スケジュールが遅延していることから、2024年内の契約締結を目指す考えだ。

Emendoの人員は2020年の子会社化時点で50名強であったが、その後開発体制を強化し2023年9月末時点では110名程度まで増加している。約8割が研究開発人員で占められ、その大半は博士号を持つなど優秀な人材が集結している。2022年12月期の研究開発費は30億円規模だったが、2023年12月期は人員増や為替の円安によって、開発費も増加する見通しである。このため、Emendoに関しては早期にPOCを取得し、OMNIプラットフォームの市場価値向上を図ったうえでIPOを行い、独自に株式市場から開発資金を調達することも選択肢の1つとして考えている。

米国ではゲノム編集技術を用いた臨床開発段階のバイオベンチャーが複数社上場しており、時価総額は収益化前段階でも数億米ドル(数百億円)から数十億米ドル(数千億円)規模になっている。特に、今回初承認を受けたCRISPR Therapeuticsについては株価が年初から35%上昇※した。国内でゲノム編集技術のバイオベンチャーとしてはモダリス<4883>が上場しているが、時価総額は30億円程度に過ぎない。開発の進捗状況やパイプラインの潜在価値、ライセンス契約の有無等によって異なるものの、総じて米国のほうがゲノム編集技術に対する投資家の期待値の高いことがうかがえ、Emendoも米国でIPOを実施し独自で資金調達を行うほうが効率的と考えられる。また、米国ではこれらゲノム編集技術を持つベンチャーと大手製薬企業が共同開発契約を締結する事例も増えており、Emendoにおいても共同開発契約を締結する可能性は十分に考えられる。2022年の事例を見ると、契約一時金で数十億円規模、マイルストーン収入で1,000億円以上と大型契約が締結された事例もあるだけに、今後の動向に注目したい。

※2023年12月8日終値株価で算出。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

提供:フィスコ

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