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アルプス技研 Research Memo(7):最先端技術による新領域への挑戦や新たな収益柱の育成で持続的な成長を目指す

特集
2024年4月3日 13時07分

■中長期の成長戦略

1. 第12次5ヶ年計画(定性目標)

アルプス技研<4641>は創業以来、5年単位の定性目標及び3ヶ年の定量目標(ローリング方式による中期経営計画)を推進してきた。55周年を迎えた2023年7月には、2028年までにありたい姿として第12次5ヶ年計画(定性目標)を公表した。「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマに掲げ、以下の4つの施策に取り組んでいる。もっとも、これまで掲げてきた方向性に大きな変更はなく、さらにフェーズを上げることにより、持続的成長に向けた基盤強化を目指していく。最大のポイントは、生成AIなどに代表される最先端技術の発展、環境対策や脱炭素化に向けた社会的要請の高まりなどを背景として、今まで想定していなかった新たな市場やサービスが生まれてくることを視野に入れ、これらを先取りすべく人材の教育に取り組んでいくところにある。

●第12次5ヶ年計画の4つの施策

1) 技術系アウトソーシング事業の新領域への挑戦

最先端の技術を身に付けた技術者を育成し、既存の枠に捉われない新たな事業・業務の領域へ挑戦する。

2) 新たな収益の柱を創る

農業・介護事業は、テクノロジーとの融合を強化し、事業の拡大と収益力の向上を目指す。

3) 持続可能で豊かな社会の創生へ貢献

当社グループの持つ技術力、人間力を生かして社会的課題である地方創生に繋がる新規事業の創出を目指す。

4) デジタル化で多様な人材が活躍する組織・風土の醸成

社内に点在している経営資源を一元管理し効率化を進めることで、多様な人材がより活躍できる体制を目指す。

2. 中期経営計画(3ヶ年の定量目標)

また、2024年2月には3ヶ年の定量目標(ローリング方式)を公表した。2026年12月期の目標として売上高55,500百万円、営業利益5,700百万円、経常利益5,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,800百万円を目指すとともに、ROEも20%以上を確保する計画である。

3. 業界動向と同社の位置付け

全国の派遣労働者数は、厚生労働省「労働者派遣事業の事業報告の集計結果(速報)」によると、リーマンショックが起こった2008 年の202万人をピークに減少傾向にあったが、2013年に底を打ち、2021年時点では209万人となっている。また、労働者派遣法の改正や同一労働同一賃金制度の導入(いずれも2020年4月1日施行)※などによって、派遣事業をめぐる環境は大きな転換点を迎えている。それは、派遣社員の有する技術力や専門性などに加えて、派遣先企業が派遣社員に何を期待するかによって、今後大きく変貌していくと考えられる。端的に言えば、より新規で高度な技術力・専門性を持った人材へのニーズは堅調に推移するが、下流工程の作業については、景気動向などで大きく変動するだろう。

※同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)間にある不合理な待遇差の解消を目指すもの。一般的には、本件の導入により、非正規雇用労働者の賃金アップや非正規雇用労働者間での賃金格差拡大などが懸念されている。

同社では技術者の立場が無期雇用(正社員)で安定しており、高度な技術力と専門性を持つべく教育研修を受けているため、顧客企業からも信頼を得ている。無期雇用型技術者派遣に特化した同社の業績は、堅調に拡大していくと期待される。もちろん、電気・機械、自動車、航空・宇宙など、技術力と専門性が生かせる業種の顧客ニーズを汲み取り、上流工程を任せられるためには、努力が必要となるだろう。長期的な人間教育に支えられ顧客の信頼を得ることによって、継続的に事業が拡大できると考えられる。

また、ここ数年の動きを見ても、「働き方改革」の影響などを受け1人当たりの工数が減少する一方、エンジニア要請人数の増加のほか、メーカーの人手不足を補うだけでなく特定技術を必要とする先端技術領域においても需要が増えているところに特徴的な傾向が現れている。したがって、同社が重点領域と位置付ける最先端技術の分野においていかに優秀なエンジニアを確保(育成)できるかが、今後ますます重要な成功要因になるであろう。

4. 中長期的な注目点

弊社でも、同社の事業展開の方向性は、国内人口の減少や経済のグローバル化が進展するなかで、今後の産業構造の変化や社会的課題を見据えた合理的な戦略であると評価している。新規事業の進捗を含め、需要が拡大している新たな技術分野への対応や社会的課題の解決に向けた取り組みを、いかに持続的な成長に結び付けていくのかが今後の注目点となるだろう。特に農業・介護関連分野については、同社が他社に先駆けて新たな市場を創っていけるかどうか、先端技術の活用やノウハウの蓄積等により、人手不足の解消及び生産性の向上(及び収益性の確保)にもつなげられるかどうかが成否を決すると見ている。また、デジタル・スパイスやDONKEYを中心とするものづくり事業についても、業績のアップサイド要因となる可能性があり、今後の具体的な動きに注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HH》

提供:フィスコ

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