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SOLIZE Research Memo(11):競合先と比較することは、中長期の成長戦略を達成した場合の株価評価に有効

特集
2025年9月29日 11時11分

■類似企業との比較

● 類似企業との業績及び株価比較

SOLIZE Holdings<5871>の競合先としては、製造業向けを中心とした技術者派遣ビジネスでは、メイテックグループホールディングス<9744>、アルプス技研<4641>等が挙げられる。これらの企業は事業の9割以上が技術者の派遣であり、オンサイト支援及びオフサイト支援を提供する同社のビジネスモデルとは異なる。また、マニュファクチュアリング事業の3Dプリンター分野では、JMC<5704>等が競合先となるが、JMCでは売上高の大部分が鋳物産業向けであり、大手製造業を中心にサービス提供する同社とはターゲット市場、サービスの規模感や幅も大きく異なっている。

ただ、メイテックグループホールディングスやアルプス技研がどのようにマーケットから評価されているのかを確認することは、同社の中長期の成長戦略が達成された際の株価をイメージすることに役立つと言えよう。同社の中長期目標の開示は売上高のみであるが、2027年12月期に売上高400億円の目標を達成して、営業利益率が仮に4%に上昇すればPERは9.7倍程度となり、現在の50倍強から大きく低下すると試算される。同様に2033年12月期に売上高1,000億円を達成し、営業利益率が10%に上昇すればPERは1.6倍程度となる。一方、メイテックグループホールディングスやアルプス技研の今期予想平均PERは17倍程度である。このことは、同社が計画どおりに成長戦略を達成すれば、同社株価の上昇余地が非常に大きいことを示唆すると弊社では考える。

■株主還元策

業績変動の影響を受けない株主資本配当率を採用。2025年12月期も先行投資を行う一方、大幅な増配を計画

同社は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の1つと位置付けており、将来の事業展開のための内部留保を確保しつつ、安定的に配当を行うこととしている。このような基本方針のもと、株主資本配当率(DOE:Dividend on equity ratio)を採用し、年間の配当額は前期末の連結純資産の2.5%程度を目安としており、利益変動による配当への影響はない。

そのため、2024年12月期は減益決算でありながら1株当たり配当は前期比3.0円増の47.0円を実施し、配当性向は93.7%であった。また、2025年12月期の1株当たり配当は55.0円と同8.0円の増配で、配当性向は82.5%になる見通しであり、2025年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場するサービス業平均の32.9%、全産業平均の34.6%を大きく上回る。業績見通しにかかわらず、連結純資産の増加に伴い安定的に増配を続ける経営姿勢は、投資家にも評価されると弊社では考える。2025年12月期も先行投資を継続するが、配当利回りは投資が収益に転じるのを待つことができる高さであると言えよう。なお、同社では大きな設備投資は必要なく、利益に応じて現金及び預金が積み上がっていくため、株主還元余力については懸念がないと弊社では考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《HN》

提供:フィスコ

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