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ファンペップ Research Memo(3):塩野義製薬や住友ファーマとライセンス契約及びオプション契約を締結

特集
2025年3月28日 16時13分

■会社概要

2. 会社沿革

ファンペップ<4881>は2013年に設立され、本格的に事業活動を開始したのは大阪大学との間で抗体誘導ペプチドの共同研究を開始した2015年に入ってからである。同年10月には塩野義製薬との間で機能性ペプチド「SR-0379」に関する全世界を対象としたライセンス契約を締結し、現在は第3相臨床試験まで進んでいる。2016年9月から大日本住友製薬(株)(現 住友ファーマ)と標的タンパク質IL-17Aに対する抗体誘導ペプチドの共同研究を開始し(2018年3月に開発コード「FPP003」としてオプション契約を締結)、直近では2024年3月に塩野義製薬と花粉症ワクチンの抗IgE抗体誘導ペプチド「FPP004X」に関する全世界を対象とした独占的開発及び商業化権のオプション契約を締結、併せて資本業務提携も行った。

創薬以外の分野では、化粧品や除菌スプレーなどの成分の一部として機能性ペプチドを子会社で販売している。具体例としては、2018年3月にファンケル<4921>が発売開始した「マイルドクレンジングシャンプー」で、特徴の1つとなっている「根活トリプル成分」の1つとして採用されたほか、2020年4月に(株)SMV JAPANが発売した「携帯アルコール除菌スプレー」などに採用されている。また、2022年2月には次世代創傷用洗浄器の開発を目指し、ファインバブル技術のリーディングカンパニーである(株)サイエンスと共同開発契約を締結したほか、同年12月にファンペップヘルスケアが(株)ASメディカルサポート及び(株)N3と幹細胞化粧品の共同開発で、2023年2月に(株)サンルイ・インターナショナルとフェムテック化粧品の共同開発でそれぞれ契約を締結した。

なお、2020年12月に東京証券取引所マザーズ市場に株式上場を果たしており、2022年4月の市場区分見直しによりグロース市場に移行した。

製薬企業とライセンス契約し、収益を得るビジネスモデル

3. ビジネスモデルとリスク要因

(1) ビジネスモデル

同社は大学発の創薬ベンチャーとして、機能性ペプチドの研究成果のなかから実用性の高いプロダクトについて、製薬企業やアカデミアなどと共同研究を行い、シーズをインキュベーションし、製薬企業などに実用化への橋渡しを行う役割を果たしている。開発ステージの第2相臨床試験までを自社で行うことを基本にしており、多額の開発費用を要する第3相臨床試験は製薬企業などとライセンス契約を締結することで進め、契約一時金や開発の進捗に応じて得られるマイルストーン収入、上市後の製品売上高に対して一定料率で掛かるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルである。ただ、抗体誘導ペプチドについては標的タンパク質や作用機序が抗体医薬品で明らかとなっているため、第1相臨床試験の段階で中和抗体の産生状況などのデータを取得できればある程度の成功確率が読める。このため一般のケースと比較して、ライセンス契約の締結タイミングが早くなる可能性もある。

臨床試験の規模や期間は対象疾患などによって異なるが、第1相から第3相試験までおよそ3~7年程度かかると言われている。臨床試験の結果が良好であれば規制当局に製造販売の承認申請を行い、おおむね1年余りの審査期間を経て問題がなければ承認・上市といった流れだ。現在は開発ステージのため損失が続いているが、開発品が上市され一定規模の売上に成長すれば利益化も視野に入ってくる。

(2) リスク要因

同社の事業リスクとしては、大きく2点挙げられる。1つ目のリスクとしては医薬品研究開発の不確実性であり、特定の開発品への依存度が高く、研究開発の延期や中止となった場合に経営状態にマイナスの影響を与えるリスクがある。こうしたリスクへの対応策として、同社は外部企業やアカデミアとの連携も含めた創薬基盤技術「STEP UP」を活用した創薬活動により、2年に1品目のペースで新規開発品を創製し開発ポートフォリオを充実する方針である。通常の創薬ではターゲットの探索に時間がかかるため新規開発品の創製期間は3~5年と言われているが、抗体誘導ペプチドの場合は既存の抗体医薬品と同じターゲットで開発を行うため創製期間は約2年と短く、この点は優位点として挙げられる。

2つ目のリスクとしては特定の提携契約への依存度が高い点にあり、契約終了時に収益計画に影響を与えるリスクがある。この対応策として、共同研究プロジェクトをライセンス契約に発展させることや、新規提携契約を増やすことで、特定の提携契約への依存度を低減する方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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