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ファンペップ Research Memo(4):皮膚潰瘍治療薬の追加第3相臨床試験と花粉症ワクチン第1相臨床試験を開始

特集
2025年3月28日 16時14分

■主要開発パイプラインの動向

ファンペップ<4881>の開発パイプラインは、皮膚潰瘍を適応症とする「SR-0379」のほか、抗体誘導ペプチド技術で開発した乾癬及び強直性脊椎炎を適応症とする「FPP003」、花粉症を適応症とする「FPP004X」、乾癬を適応症とする「FPP005」の4品目があり、そのほかにも複数の開発候補品を抱えている。2024年に入ってからの新たな進捗として、2024年3月に塩野義製薬と「FPP004X」に関する全世界を対象とした独占的開発及び商業化権に関するオプション契約を締結し、2025年12月期第1四半期から第1相臨床試験を開始するほか、「SR-0379」に関して第3相臨床試験の追加試験を2024年12月から開始し、2025年3月に1例目の組み入れが始まっている。

皮膚潰瘍向け治療薬の試験結果は2026年末~2027年初に判明の見込み

1. SR-0379(皮膚潰瘍)

皮膚潰瘍(褥瘡※及び糖尿病性潰瘍)の治療法として、皮膚組織の欠損部分に感染の疑いがある場合には、まず感染リスクを見極めるための一定の観察期間を必要とし、次の段階で組織再生のための治療(細胞増殖因子の投与や湿潤療法の実施)などを行うため、長い治療期間を要することが課題となっていた。「SR-0379」は、抗菌作用と創傷治癒促進効果(血管新生作用)を併せ持つことから観察期間を短縮でき、現行よりも短い時間で治療を開始することで患者のQOL向上につながる効果が期待されている。褥瘡になると、患者本人だけでなく介護者にも負担が掛かるほか、治療期間が長くなれば治療代や入院費用など経済的負担も増すため、治療期間の短縮は医療現場より強く望まれている。

※ 褥瘡とは、寝たきりや車いす生活などによって、体重で圧迫されている皮膚の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができる症状のことを言い、一般的に「床ずれ」と言われている。

2022年11月に発表された第3相臨床試験※の速報結果では、主要評価項目である「簡単な外科的措置に至るまでの日数」において、プラセボ群と比較して日数を短縮する傾向が見られたものの、統計学的な有意差は得られなかった。ただ、事後部分集団解析を実施したところ潰瘍サイズ(長径×短径)36cm2未満の被験者(N=101)のデータを比較した場合、プラセボ群が外科的措置までの日数で27日要したのに対して、「SR-0379」は22日間と5日間短縮し、有意差(p=0.027)も確認できた。このため、ライセンス契約先である塩野義製薬と協議を行い、潰瘍サイズを36cm2未満に限定して追加の第3相臨床試験(02試験)を実施する方針を決定した。予定症例数は142例でプラセボ対照二重盲検比較試験(1日1回、28日間投与)とし、01試験と同様に外科的処置に至るまでの日数をプラセボ群と比較する。2025年3月に1例目の組み入れが始まっており、順調に進めば、2026年末または2027年初頭にトップラインデータが発表される見通しだ。結果が良好であれば、承認申請を行い2028年にも上市する可能性がある。01試験と比較して症例数を多めにとっているが、治験施設数も前回より増やしており組み入れを早期に完了できるような体制を整えた。前回試験の結果を再現できれば承認される見込みで、弊社でもその可能性が高いと見ている。なお、海外市場での開発方針については国内の試験結果を見て塩野義製薬が判断することになる。

※ 外科的措置(縫合、植皮、有茎皮弁)が必要な重度な患者(入院患者)120例を対象に、プラセボ対照二重盲検比較試験を2021年6月より実施した。

高齢化社会の進展に伴い褥瘡の原因である「寝たきり患者」や糖尿病性皮膚潰瘍患者の増加が予想されるなか、「SR-0379」は社会ニーズにマッチした製品と言える。「SR-0379」は誰にでも使えるスプレー式でベッドサイドに置けるため、安定性や利便性の面でもメリットがある。同社は各種統計データから、皮膚潰瘍患者数を国内で約100万人(褥瘡約20万人、糖尿病性潰瘍約80万人)、米国で約230万人(褥瘡約50万人、糖尿病性潰瘍約180万人)と試算している。これら患者のうち、潰瘍サイズ36cm2未満の患者の割合がどの程度かは不明だが、01試験の結果(101/120例)から8割程度が対象になる可能性がある。

現在、皮膚潰瘍治療薬としては軟膏タイプのものから湿布、スプレータイプのものまで様々なものがあるが、スプレータイプの治療薬である「フィブラストスプレー(科研製薬<4521>)」は薬価が約7千円/瓶で、国内売上が約26億円(2024年3月期実績)である。すべての皮膚潰瘍患者で利用されることになれば、国内だけで潜在市場は約100億円程度と見られるが、対象範囲をやや絞り込むため市場規模も数十億円規模になると予想され、同社の売上としては一定料率をかけたロイヤリティ収入を計上することになる。なお、塩野義製薬と締結した全世界を対象としたライセンス契約では、契約総額(契約一時金、開発及び販売マイルストーンの合計)が100億円となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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