利益成長【青天井】銘柄リスト〔第3弾〕24社選出 <成長株特集>
本特集では、「利益成長“青天井”銘柄リスト」の【第1弾】(8月4日配信)、【第2弾】(8月12日配信)に続くシリーズ第3弾として、8月8日から9日の期間に発表された決算の中から、24年4-6月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。
下表では、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、24年4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を10%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している24社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、創薬ベンチャーのペプチドリーム <4587> [東証P]。24年4-6月期(第2四半期)の税引き前利益は258億円と過去最高益を3.7倍も上回って着地。スイス・ノバルティス<NVS>との間でペプチド-放射性核種複合体(RI-PDC)を含む複数のPDCプログラムなどに関する提携拡大契約を締結したことに伴い、契約一時金約282億円が発生したことなどが収益を押し上げた。上期(1-6月)の経常利益は247億円とすでに通期計画(199億円)を大きく上回っており、業績上振れが期待される。
2位に入ったリログループ <8876> [東証P]の4-6月期(第1四半期)税引き前利益は262億円と前年同期比4.4倍に急拡大し、9四半期ぶりに過去最高益を更新した。借上社宅管理事業の管理戸数や福利厚生事業の会員数といったストック基盤が堅調に積み上がったことに加え、日本ハウズイング <4781> [東証S]のMBO(経営陣が参画する買収)に応募し、持ち分法による投資の売却益187億円を計上したことも利益を大きく押し上げた。併せて、発行済み株式数2.62%にあたる400万株または55億円を上限に自社株買いを実施すると発表している。
3位にリスト入りしたオプティマスグループ <9268> [東証S]の4-6月期(第1四半期)は経常利益29.8億円(前年同期比3.3倍)と2四半期連続の最高益更新を遂げた。昨年11月に買収したオーストラリアの自動車販売会社オートパクト、今年5月に買収したオーストラリアの自動車総合物流企業であるオートケア・サービスの業績上積みなどが寄与したほか、為替差損益が好転したことも利益拡大に貢献した。
続く4位にリストアップされた住宅設備の保守・保証サービスを展開する日本リビング保証 <7320> [東証G]の4-6月期(第4四半期)は、社会的ニーズの高い蓄電池をはじめとした再生可能エネルギー機器への保証展開を中心に利益率の高いサービスが伸び、経常利益は前年同期比70.7%増の5.3億円と11四半期ぶりの最高益を達成した。同時に発表した25年6月期の同利益は前期比5.8%増の16億円と9期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
5位には転職・就職のための社員口コミ情報サイト「OpenWork」を運営するオープンワーク <5139> [東証G]が入った。4-6月期(第2四半期)は売上高9.1億円(前年同期比17.6%増)、経常利益4億円(同63.3%増)といずれも四半期ベースの過去最高を更新して着地。企業向け求人サービスのOpenWorkリクルーティング部門でWeb履歴書登録数が増加し、活発化する採用ニーズを取り込んだほか、広告宣伝費を抑制したことも大幅増益につながった。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4587> ペプドリ 268 25846 7021 199 19900 6653 19.8 *
<8876> リログループ 251 26205 7465 85.6 48000 25869 8.1 *
<9268> オプティマス 63.9 2982 1819 60.5 8400 5235 8.2
<7320> リビング保証 53.1 536 350 5.8 1600 1512 13.6
<5139> オープンW 52.7 400 262 17.1 1000 854 16.9
<9025> 鴻池運輸 44.7 6857 4738 5.7 18000 17034 10.5
<4977> 新田ゼラチン 38.3 1380 998 25.9 3000 2382 9.3
<7740> タムロン 38.2 6356 4598 36.7 19100 13972 11.5
<5989> エイチワン 37.0 4078 2977 30.3 10000 7676 3.5 *
<4971> メック 26.1 1509 1197 22.5 5200 4246 19.1
<9722> 藤田観 24.7 3438 2756 49.6 11000 7355 12.5
<8830> 住友不 22.6 103032 84057 4.7 265000 253111 11.5
<8439> 東京センチュ 19.4 38189 31986 6.6 125000 117303 9.3
<6785> 鈴木 19.1 1246 1046 4.3 3827 3668 9.8
<7317> 松屋R&D 18.5 480 405 16.8 1527 1307 10.9
<4613> 関西ペ 17.4 19924 16965 4.0 60000 57685 12.4
<8725> MS&AD 17.0 298624 255166 109 871000 416440 8.5
<8022> ミズノ 16.9 7398 6328 6.3 20500 19288 13.6
<6266> タツモ 16.9 2319 1984 15.7 4500 3890 14.7
<6430> ダイコク電 15.4 5605 4855 3.3 12500 12102 5.6
<7864> フジシール 14.6 5188 4529 5.9 15600 14732 11.4
<6524> 湖北工業 13.3 1623 1432 4.4 4637 4443 26.1
<3798> ULSグルプ 12.4 723 643 25.1 2200 1758 20.9
<4058> トヨクモ 10.3 299 271 14.3 1000 875 28.2
※2023年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース