かぶたん ロゴ
5803東証P貸借
業種 非鉄金属

フジクラ 株価材料ニュース

5,849
-281
-4.58%

業績

(15:30)
PTS

5,910

(23:58)
株価は15分ディレイ

【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─ディープシーク・ショックは限定的、AI半導体関連の押し目に妙味

市況
2025年2月2日 14時00分

●株価の重石となっていた企業業績は拡大をみせるか?

2月の東京株式市場は、決算発表を横睨みに引き続きボックス圏内の値動きが予想される。2月は日米の金融政策の公表日程がなく、波乱要因に乏しい。懸念はトランプ米大統領の関税などに対する不規則発言となりそう。中国新興企業が開発した生成AI(人工知能)を巡る「ディープシーク(DeepSeek)・ショック」の影響は短期的にとどまるとみられる。

日経平均株価の予想レンジは3万8500円から4万1000円。

2月の主なスケジュールはいずれも米国で、3日にISM製造業景況指数、7日に1月雇用統計、12日に消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)、14日に小売売上高、26日にエヌビディア<NVDA>の11月-1月期決算などとなっている。なお、2月にFOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合はなく、次回はFOMC、日銀金融政策決定会合ともに3月18日~19日の予定となっている。

最大の注目点は、米雇用統計だ。1月に発表された12月の雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回り、インフレへの懸念が高まる場面があった。

日本でのポイントは、中旬にかけてピークを迎える3月期決算企業の第3四半期累計(4-12月期)決算発表となる。日経平均株価の予想1株利益は直近で2480円程度。期待されていた第2四半期(7-9月)は、中国経済の低迷や日本の酷暑・豪雨、米消費鈍化などでさえなかった。予想1株利益は横ばいないしやや減少となっている。株価の上値が重いのは、業績が伸びていないことが理由の一つとなっている。第3四半期決算での1株利益の動向で、26年3月期に向けて業績が拡大していくイメージが出てくるか注目したい。

●久々に関心を集めるFA関連

中国の新興企業「ディープシーク」が低コスト生成AIモデルを開発したことを受けて、米国や日本の株式市場に警戒感が走っている。短期的には動揺が続く可能性がある。ただ、対話型でチャットGPTの性能を超えたとしても、先端技術の自動運転ロボティクスといった高度なAIの推論まで代替できるかは疑問だ。ディープシークの使っているAI半導体は旧タイプ。エヌビディアも「AIの推論には当社の半導体チップが大量に必要」とコメントしたと報じられている。

検査装置のアドバンテスト <6857> [東証P]や光ファイバーのフジクラ <5803> [東証P]、古河電気工業 <5801> [東証P]のほか、AI半導体で重要な半導体後工程に関連するレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、TOWA <6315> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]などの押し目は中長期を睨めば妙味がありそう。エヌビディアの決算も注目される。

一方、久々にFA(工場自動化)関連に関心が集まっている。中国景気の底入れ感の浮上や、トランプ大統領が中国にすぐには関税をかけない見通しであることが手掛かりとなっている。日本工作機械工業会の稲葉善治会長(ファナック会長)が1月に、2025年の 工作機械の年間受注総額が前年(推定)に比べ1割増の1兆6000億円になるとの見通しを示した、との報道も追い風だ。

工作機械用NC(数値制御)装置世界首位のファナック <6954> [東証P]、インバーター(制御装置)や産業用ロボットの安川電機 <6506> [東証P]、ロボット用精密減速機のナブテスコ <6268> [東証P]、ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [東証S]、直動システムのTHK <6481> [東証P]、工作機械大手のオークマ <6103> [東証P]、DMG森精機 <6141> [東証P]、自動装着装置のFUJI <6134> [東証P]などに妙味がありそうだ。

出遅れていた不動産株に反転の兆しがある。日銀による利上げは資金調達コストの上昇で逆風に見られがちだが、デフレ脱却でオフィス賃料の上昇、空室率の低下傾向が鮮明になっている。三井不動産 <8801> [東証P]、三菱地所 <8802> [東証P]、東京建物 <8804> [東証P]、東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]などの大手を軸に見ておきたい。

3月期本決算企業の配当取りの動きも想定される。デフレ脱却による金利上昇で利ザヤ改善が期待される銀行では、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]のメガバンクの利回りが相対的に高水準。金利上昇で運用利回りの改善が期待される東京海上ホールディングス <8766> [東証P]、T&Dホールディングス <8795> [東証P]。利回りが高くPBRの低い主力株では日本製鉄 <5401> [東証P]、三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]、商船三井 <9104> [東証P]、マツダ <7261> [東証P]などは下値不安が乏しいといえそうだ。

(2025年1月28日 記/次回は3月2日 配信予定)

株探ニュース

▶︎この銘柄を取引する

証券会社のアプリを起動して
この銘柄の取引画面へ移動します