本日の注目個別銘柄:富士石油、鉄建、日ギアなど
<6920> レーザーテック 43060 +1340
大幅続伸。注目されたFOMCでは年内3回の利下げ見通しが維持されており、安心感から米国株式市場は上昇、前日にはSOX指数も反発に転じている。さらに、半導体大手のマイクロンが決算発表を行っており、3-5月期の売上高見通しは64-68億ドルとし、市場予想の60億ドル程度を上回る形に。マイクロン株は時間外取引で一時15%の上昇となっており、同社など国内半導体関連株の支援材料につながる。
<3863> 日本紙 1204 +21
大幅続伸。未定としていた配当予想を公表、24年3月期期末配当金は10円としている。2期ぶりの復配となる。来期以降の業績動向なども踏まえて、復配に向けた環境が整ったと判断しているようだ。会社側では従来から復配の可能性を示唆していたことから、サプライズは限定的とみられるものの、第3四半期決算発表時には下方修正を行っていたため、無配継続への懸念が残っていたと考えられる。
<8524> 北洋銀行 458 +22
大幅反発。株主優待制度の導入を発表している。1年以上株式を保有している2500株以上の株主を対象に、3000円相当の優待品を贈呈する。保有期間5年以上では6000円相当となるもよう。優待品は地域振興のための北海道の特産品となるようだ。なお、銀行株は全般、一昨日は日銀決定会合の決算発表を受けて出尽くし感からの売りがやや優勢となっていたが、本日は総じて買い先行の動きになっている。
<6356> 日ギア 638 +55
大幅反発。一昨日に業績予想の上方修正を発表している。24年3月期営業利益は14.6億円から21億円、前期比2.2倍の水準まで大幅上方修正。歯車装置事業の補修用部品、原子力発電所向けの売上増や工事事業の売上が予想以上に好調なもよう。業績上振れは確実視されていたとみられるが、修正幅は想定以上の大きさに。また、年間配当金も従来計画の6円から8円に引き上げている。
<4716> 日本オラクル 11965 -440
大幅反落。一昨日に第3四半期決算を発表。12-2月期営業益は194億円で前年同期比8.3%増となり、第1四半期の14.4%増、第2四半期の7.0%増に引き続き順調な推移となった。クラウドサービス収入が拡大のほか、料金値上げ反映でライセンスサポートなども増収率が高まる。ただ、一昨日にかけて株価は一段高となるなど、安定した業績拡大期待は十分織り込まれており、出尽くし感が先行する展開になった。
<8367> 南都銀 3095 +227
大幅続伸。一昨日に業績・配当予想の上方修正を発表している。24年3月期純利益は従来予想の110億円から120億円、前期比2.5倍の水準にまで引き上げ。想定に比べて貸出金利息および役務取引等利益などが上振れ、与信関連費用などが下振れるもよう。業績上振れに伴って期末配当金は従来計画の64円から74円に引き上げ、年間配当金は前期比1円増の114円としている。
<9412> スカパーJ 1049 +90
大幅続伸。米軍との連携拡大に向けた協議を進めると、米倉社長が明らかにしたと伝わっている。衛星を使った宇宙状況監視で協力、今後は安全保障分野を収益の柱に育てていく方針のようだ。先にホワイトハウスで宇宙政策を担当する幹部と面会し意見を交換しているもよう。同社では静止衛星を17基保有し、インド太平洋地域をカバーする静止衛星数では世界最多。同社の衛星を米軍が活用できるようにしていく計画のようだ。
<1375> 雪国まいたけ 1136 +80
大幅反発。業績予想の上方修正を発表。24年3月期営業利益は従来予想の16.2億円から29.6億円にまで引き上げ、一転しての2ケタ増益見通しとしている。適切な単価水準への引き上げが奏効したほか、ユーティリティ関連費用も想定以上に抑制できている。上振れ期待は高かったとみられるが、修正幅は想定以上との見方に。なお、配当金については最終的な確定利益をベースとして増配金額を決定するとしている。
<1815> 鉄建 2832 +252
大幅続伸。一昨日に24年3月期の増配を発表している。期末一括配当の年間配当金は、従来計画の80円から100円に引き上げ。前期比でも20円の増配となる。具体的な資本政策や株主還元方針は「次期中期経営計画」において公表するが、検討内容を踏まえて、今期から株主還元の充実を図っていくとしている。一昨日終値ベースでの配当利回りは3.9%の水準となる。
<5017> 富士石油 464 +80
ストップ高。出光興産が住友化学の保有する同社株を市場外で取得予定と伝わった。これにより、出光興産の出資比率は6.67%から13.22%に上昇し、同社の筆頭株主となる。今回の株式異動に伴う資本関係の強化を踏まえ、出光興産との既存燃料油事業の競争力強化及び2050年のカーボンニュートラル時代を見据えた取り組みの協業深化に関する協議を進めていく。今後の一段の株式取得など再編思惑も先行する形に。
《ST》
株探ニュース