6358東証P貸借
業種 機械

酒井重工業 株価材料ニュース

1,872
-148
-7.33%

業績

(15:30)
PTS

1,856

(21:59)
株価は15分ディレイ

酒井重 Research Memo(5):重要戦略における数値目標は2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円

特集
2024年12月9日 11時05分

■中期の成長戦略

酒井重工業<6358>は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進している。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE8.0%を達成し、安定的に配当性向50%を維持することを目指す。売上高、営業利益ともに2024年3月期に目標を上回ったが、進行中の2025年3月期が減収減益予想であることから、現時点でこれらの数値目標は据え置いた。

1. 事業戦略

(1) 国内市場:安定化及び次世代事業開発による付加価値創造

ロードローラの国内市場は既に成熟期にあることに加えて同社のシェアも高いことから、既存製品に新たな付加価値(高機能等)を付けること、つまり次世代事業開発による成長を目指す。

(2) 海外市場:シェア拡大と事業領域の拡大

海外市場においては、需要が拡大している地域(国)が多いこと、また同社のシェアも低いことから成長の余地は大きい。このため、既存市場の深耕と事業領域の拡大の2つの戦略により成長を目指す。

2. 資本戦略

資本政策の基本方針はROE8.0%を目標としている。そのために株主還元の実施による、株主価値の向上(資本効率の改善)を掲げている。

一般的に、ROEの向上のためには2つの改善が必要である。1つは言うまでもなく親会社株主に帰属する当期純利益の改善(上昇)であるが、もう1つは株主資本の抑制(必要以上に株主資本を増加させない、あるいは減少させること)である。同社では、事業利益向上のために既述の事業戦略を推進しているが、同時に必要以上に株主資本を増加させないために、「ROE3%を下回る場合は配当性向100%の還元」「ROE3~6%の場合はDOE3%の還元」「ROE6%を超えた場合は配当性向50%の還元」とする配当政策を実行している。

自己株式の取得については、2026年3月期までに5~20億円規模を上限とした機動的な自己株式の取得を行う予定である。また、投資有価証券についても、事業戦略の観点から見直しを進めている。なお、成長投資については、投下資本利益率(ROIC)を重視しレバレッジの活用も検討する。

3. 中期経営方針:KPIの進捗状況

中期経営方針で発表した主なKPIの進捗状況は、下方修正後の通期業績予想では、売上高272億円、ROE5.8%と、売上高、ROEともに目標未達となる見通しだ。前期の収益構造改善には、価格改定の浸透と輸送費正常化に加え、円安など実力以外の上振れ要因が含まれているため、今後はROE8.0%を継続的に達成可能な収益構造を目指す。

4. ESGの取り組み

同社は、ESGに対しても積極的に取り組んでおり、様々な施策を推進している。特に足元では、下記の施策を進めている。

(1) 建設機械のCO2排出量削減

2024年10月より、本田技研工業<7267>製着脱式可搬バッテリーを採用した電動ハンドガイドローラHV620evoの販売を開始した。製品の普及を促進するため、2026年3月期に国土交通省が創設した「GX建設機械認定制度※」の認定取得を目指している。

※ カーボンニュートラルに資するGX(グリーントランスフォーメーション)建設機械の普及を促進し、建設施工において排出される二酸化炭素の低減を図るとともに、地球環境保全に寄与することを目的として、国土交通省が開始した制度。環境省による補助金の対象となる。

(2) インドネシアにおける道路建設への貢献と事業領域の拡大

JICAの「ビジネス化実証事業」として、インドネシア国内において、日本の道路補修技術であるCAE工法(路上路盤再生工法)の基準化認定取得に向けた取り組みを展開中で、2025年3月期中のインドネシア政府の認定取得に向け、活動中である。インドネシアの道路インフラ整備へ貢献するとともに、CAE工法に使用されるP.T.SAKAI INDONESIA製造のスタビライザの販売拡大を目指す。

(3) 政策保有株式縮減に向けた取り組み

2025年3月期第1四半期に「政策保有株式に関する方針」の見直しを行い、政策保有株式残高を連結純資産の20%未満とする方針を明記するとともに、政策保有株式の一部売却を実施した。2025年3月期第2四半期中に332百万円を売却し、2024年9月末の政策保有株式残高は5,358百万円、対連結純資産比率は17.8%となった(2024年3月末5,993百万円、同20.5%)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

提供:フィスコ

株探ニュース

▶︎この銘柄を取引する

証券会社のアプリを起動して
この銘柄の取引画面へ移動します

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.
各証券会社のスマホアプリを起動できます。アプリのインストールがまだの場合は、以下からダウンロードしてください。
SBI証券 株 アプリ
閉じる