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トランプ2.0始動、株価モメンタムで鍵となる「漢字二文字」は

特集
2025年1月21日 10時35分

トランプ、トレンド、TOPIX~3つの「T」の行方を読む~トランプ編
黒瀬浩一りそなアセットマネジメントチーフ・ストラテジストに聞く

登場する銘柄
ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、モルガン・スタンレー<MS>、アルファベット<GOOG>、メタ・プラットフォームズ<META>、トヨタ<7203>、日産自<7201>、ホンダ<7267>

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この記事を読む3つのポイント
1 トランプ政権発足後の日米の相場展望
2 日米の期待セクター
3 高ボラ相場での心構え

トランプ(Trump)2.0の始動は、株式市場にどのような影響を与えるのか。

東証株価指数(TOPIX)改革のプラスとマイナスは。

今年の相場のトレンド(Trend)は。

年初から日米ともに高ボラティリティ(株価の変動率)の相場が展開される中、株探プレミアム編集部では、3つの「T」をキーワードに2025年に注視すべきことを、3人の専門家に尋ねた。

初回は、日米の経済動向を見渡し、戦略立案にあたるりそなアセットマネジメントの黒瀬浩一さんに聞いた。

(聞き手は真弓重孝/株探編集部、福島由恵/ライター)

黒瀬浩一さんのプロフィール黒瀬浩一さんのプロフィール:
りそなアセットマネジメント運用戦略部チーフ・ストラテジスト兼チーフ・エコノミスト。約25年にわたり、資産運用業務に一貫して従事。エコノミスト業務、資産配分に関するストラテジスト業務を経て現在に至る。日米を見渡したグローバルな視点で戦略立案を行い、経済情報番組等のコメンテーターとしても活躍中。

トランプラリーは第2幕、第3幕へと続く

――第2次トランプ政権が始動しました。大統領就任前から既に見られていたトランプラリーは、今後どのような展開が想定されますか。

黒瀬浩一さん(以下、黒瀬): トランプ2.0が株式市場に与える影響は、1にも2にも景気の拡大にかかっています。

トランプ氏が大統領に再選された背景の1つは、インフレの収束に時間がかかり家計の不安が広がる中で、移民の流入などで労働者の雇用や収入面での不安が高まったことがあります。

こうした選挙民の不安に対し、トランプ氏は「MAGA(「米国を再び偉大に」の頭文字)」をキャッチフレーズに反移民、関税引き上げなどの対外的な強硬姿勢を打ち出して支持を得ました。

日本を含めた海外からは、米国第一主義というか孤立主義的な政策に目が向かいがちですが、見逃してならないのは米国の家計に広がる不安です。トランプ氏は減税や規制緩和による景気刺激策、雇用機会の創出で、有権者からの支持を引き寄せたのです。

――トランプ氏の再選が確実になった昨年(2024年)11月上旬から米国株はモメンタム(騰勢)を強めましたが、12月に入ると一旦、調整しました。第2次政権の始動で、再び騰勢は強まりそうですか?

黒瀬: 新政権の親ビジネス的な政策への期待を背景に、米国株が上昇していくトレンドは続くと見ています。

ただし、期待感の継続には政権基盤の安定が欠かせず、その点で、昨年末から明らかにされてきた閣僚人事について、すんなりと議会の承認が得られるのかは最初の関門になります。

政権の体制や政策の輪郭がはっきりとするまでには、少なくとも半年程度はかかるでしょう。時間が経つに連れて、政権に対する期待は当初の高まりより落ち着き、それがセンチメント(投資家心理)に影響を与えることは留意しておくべきでしょう。

トランプ2.0では、減税と規制緩和を柱とする景気刺激策の中身が、株式市場の今後の展開に左右すると見られます。先の閣僚人事はその点でも注視されます。

財務長官に、経済通で投資家のスコット・ベッセント氏が指名された際には、ウォール街では歓喜が起こり、株価が上昇する場面がありました。

またベッセント氏並びに大統領主席補佐官として指名されているスーザン・ワイルズ氏の動向も、政策の執行力を占う上で注目されます。

両氏については、他の閣僚と比べて、過去の問題発言などを取り沙汰される可能性は低いと見られますが、この先、大ドンデン返しがないとは限りません。

――昨年の12月初旬に米ダウ工業株30種平均(NYダウ)が続落した要因をどう見ていますか。

黒瀬: NYダウは12月5日~18日に10日の続落となり、18日は前日比▲2.6%もの大きな下落に見舞われました。

■NYダウの日足チャート(24年7月中旬~)

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

要因の1つは、トランプ再選に対して「果たして手放しで喜んでいいのか」という不安感が市場に台頭したことで、一旦利益確定の動きが出たと見ています。それまでの過度な期待感の修正が入ったと捉えています。

もう1つの要因は、利下げ期待の縮小です。NYダウが大きく下落した18日には、FOMC(米連邦公開市場委員会)で25年末の政策金利の見通しが引き上げられることが明らかになりました。

見通しの中央値が3.9%とそれまでの3.4%から0.5%ポイント引き上げられたことで、25年の利下げ回数は4回から2回に減少しました。

この利下げ方針の変更で、急遽ポジション調整を迫られたために、この日のNYダウは前日からの下げが大きかったと見ています。

金利上昇でも、景気が良ければノープロブレム

―― 足元の米国の長期金利(10年債利回り)は約4.7%、超長期の30年債は5%に迫る水準にあります。長期金利の上昇が進むと、株式市場の上値は重くなる懸念もあります。

黒瀬: 米10年債や30年債の利回り上昇は、FOMCが今年末の政策金利の見通しを引き上げた影響もあるでしょう。

同時にトランプ政権の景気刺激策が効果を発揮して、景気が堅調に推移していく期待を織り込んでいる面もあります。そうした期待が株式市場にも広がれば、金利上昇が株価にネガティブに働く可能性は薄れるでしょう。

■米国10年債と30年債利回り、政策金利(FF金利)の推移(15年1月~)

米国10年債と30年債利回り

出所:QUICK

―― 上のグラフのように、景気悪化のサインといわれる米10年債と2年債の逆イールドは昨秋に解消していますが、新政権では景気の腰折れを防ぐ刺激策の具体化が、株式市場の注視材料になりますね。

黒瀬: その通りで、当面は「減税」と「規制緩和」の中身がポイントになります。

減税については、トランプ政権1期目の17年に成立した「税制改革と雇用法(TCJA)」の延長および拡充です。TCJAは今年に期限を迎えますが、これの恒久化と拡充を目指しています。

TCJAでは、個人向けには所得税率の軽減や標準控除の拡大が組み込まれ、それらの恒久化を目指しています。2次政権では、さらに、各種控除額や給付金の非課税化などの拡充も検討されています。

また法人向けでは、現行のTCJAでは21%の法人税率をさらに引き下げ、特に製造業の税率を引き下げて雇用創出を狙っています。また減価償却の即時償却を可能とする制度を恒久化して、企業の投資意欲を刺激したり、研究開発費控除などの優遇措置を追加したりする方針も掲げています。

これに規制緩和が推し進められれば、新しいビジネスやサービスも育ち、さらなる経済成長へとつながるでしょう。

■トランプ政権1期目のTCJAの主な内容

対象項目具体内容
個人所得税率の引き下げ最高税率39.6%を37%に
所得税基礎控除拡大夫婦合算で1万3000ドルから2万4000ドルに
遺産税の税額控除拡大従前の2倍に
法人法人税率の引き下げ最高税率35%を21%に一本化
減価償却資産の経費計上優遇即時償却を可能に(23年以降は段階的に削減)
国際課税の緩和海外子会社から米国親会社への 配当を非課税に

注:JETRO(日本貿易振興機構)や各種資料を基に『株探プレミアム』編集部作成

トランプ2.0ラリーで恩恵を受けるセクターは

―― 2つの景気刺激策で恩恵を受けると見られるセクターはどこでしょうか?

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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