利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 34社選出 <成長株特集>
本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
今回は14日に配信した総集編 第1弾(時価総額5000億円以上)に続き、14日時点の時価総額が1000億円以上5000億円未満の銘柄を対象に、25年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、25年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している34社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、東京きらぼしフィナンシャルグループ <7173> [東証P]。25年7-9月期(第2四半期)の経常利益は192億円とこれまでの過去最高益を67.8%も上回って着地。14四半期ぶりの最高益更新を果たした。日銀の政策金利引き上げなどを背景に貸出金利回りが上昇したことに加え、ファンド収益の増加や非金利収支の改善も利益拡大に貢献した。26年3月期の同利益は前期比12.8%増の470億円と5期連続で過去最高益を更新する見通しだ。株価は上場来高値圏を走る展開となっている。
選出リストには金利上昇が追い風となる銀行が目立つ。東京きらぼしのほか、あいちフィナンシャルグループ <7389> [東証P]、西日本フィナンシャルホールディングス <7189> [東証P]、山陰合同銀行 <8381> [東証P]、百五銀行 <8368> [東証P]、三十三フィナンシャルグループ <7322> [東証P]がリスト入りしている。
2位には石油精製プラント補修大手のレイズネクスト <6379> [東証P]が入った。7-9月期(第2四半期)は大型の定期修理工事における追加工事量が想定以上に増加したほか、タンク分野の保全工事やエンジニアリング分野の大規模工事も寄与し、経常利益は前年同期比4.4倍の68.5億円と実に17年ぶりに過去最高益を塗り替えた。併せて、最高益予想だった26年3月期の同利益をさらに上乗せするとともに、配当も増額修正した。株価は5日に上場来高値2461円まで上値を伸ばしている。
4位の五洋建設 <1893> [東証P]は国内土木事業と国内建築事業で大型案件を含む手持ち工事が順調に進捗したうえ、設計変更などによって工事採算も改善し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比2.5倍の151億円と10四半期ぶりに過去最高益を達成した。26年3月期の同利益は前期比91.1%増の360億円と6期ぶりの最高益更新を見込む。併せて、発行済み株式数の1.63%にあたる450万株または50億円を上限に自社株買いを実施すると発表したことも好感され、株価は1日に1756.5円と約30年10ヵ月ぶりの高値をつけた。
6位にリスト入りした電線・ケーブルメーカーのSWCC <5805> [東証P]は国内で旺盛な電力インフラ需要を取り込んだほか、米国AIデータセンター向け通信ケーブルの販売が好調だった。また、3月に子会社化したTOTOKU(旧東京特殊電線)の業績上積みなども寄与し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比2.6倍の63.4億円と2四半期連続の最高益更新を遂げた。業績好調に伴い、最高益予想だった26年3月期の同利益を250億円(前期比2.2倍)と15億円上乗せし、年間配当も増額修正した。株価は連日急騰し、11月14日に1万1460円と約35年9ヵ月ぶりの高値まで上昇する場面があった。
8位に入ったのは電子基板向け薬品を手掛けるメック <4971> [東証P]。7-9月期(第3四半期)は主力の密着向上剤が生成AI関連などの先端半導体パッケージ基板、パソコンやスマートフォンなどの汎用半導体パッケージ基板向けに販売が増加し、経常利益は前年同期比76.4%増の18.6億円に拡大して着地。業績好調に伴い、最高益予想だった25年12月期の同利益をさらに上乗せし、配当も従来計画の55円→85円に大幅増額修正した。これを受けて、株価は上場来高値圏に浮上している。
24位のトクヤマ <4043> [東証P]は多結晶シリコンをはじめとする半導体材料の販売が伸びたほか、石炭・ナフサ価格の下落によって製造コストの改善が進み、7-9月期(第2四半期)の経常利益は113億円(前年同期比2.2倍)と31四半期ぶりに最高益を更新した。26年3月期の同利益は前期比40.3%増の415億円と8期ぶりの最高益更新を見込む。株価は15日に4216円と約16年11ヵ月ぶりの高値をつけている。
このほか、森永乳業 <2264> [東証P]、BuySell Technologies <7685> [東証G]、因幡電機産業 <9934> [東証P]、中国塗料 <4617> [東証P]、Genky DrugStores <9267> [東証P]、AREホールディングス <5857> [東証P]は決算発表後に上場来高値を塗り替えた。なかでも今月に最高値を更新しているバイセル、因幡電産、中国塗、AREHDは過去の売買による抵抗帯がない“株価青天井”銘柄として注目される。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<7173> 東京きらぼし 67.8 19299 11501 12.8 47000 41652 8.0
<6379> レイズネク 49.4 6858 4589 24.2 14000 11270 13.6
<4784> GMOインタ 43.3 2399 1674 921 7800 764 36.1
<1893> 五洋建 34.0 15103 11267 10.6 36000 32545 16.0
<7389> あいちFG 28.8 8931 6934 107 26000 12584 12.5
<5805> SWCC 28.2 6349 4952 105 25000 12213 18.7
<4180> Appier 24.3 1039 836 84.3 3801 2062 30.8 *
<4971> メック 23.8 1868 1509 20.7 5650 4682 21.6
<7189> 西日本FH 21.5 18463 15201 20.8 55000 45537 11.4
<7552> ハピネット 19.2 4849 4068 0.3 12000 11963 17.6
<8381> 山陰合銀 18.4 10854 9168 11.5 29800 26716 10.4
<2492> インフォMT 17.7 983 835 13.4 2790 2460 59.4
<4776> サイボウズ 15.4 2915 2527 69.3 9032 5335 21.0
<8020> 兼松 13.4 13634 12025 20.3 46000 38233 9.6 *
<7864> フジシール 13.0 6369 5635 7.5 19700 18323 9.4
<2317> システナ 11.6 4180 3747 25.7 14900 11855 18.0
<3923> ラクス 11.3 4069 3657 56.6 16000 10218 31.5
<2264> 森永乳 9.5 12420 11342 8.9 33900 31127 16.0
<7685> バイセル 9.3 2551 2335 100 8400 4198 26.8
<8919> カチタス 9.2 4585 4199 24.7 17300 13876 20.7
<8368> 百五銀 7.2 8968 8367 12.0 28800 25704 13.0
<9672> 東競馬 6.6 4733 4441 6.0 15017 14171 15.4
<7322> 三十三FG 6.4 4005 3763 33.6 15700 11751 9.8
<4043> トクヤマ 5.2 11342 10780 14.7 41500 36196 10.0
<8050> セイコーG 5.0 8910 8488 18.0 24500 20769 18.3
<2124> ジェイエイシ 4.8 3590 3424 28.3 11700 9122 20.4
<9934> 因幡電産 4.7 8579 8192 2.6 27400 26698 14.3
<4617> 中国塗 4.6 4849 4636 7.4 17700 16481 18.6
<6544> Jエレベータ 4.5 2626 2513 23.0 10600 8621 47.8
<9267> Genky 3.7 2959 2853 8.1 10700 9899 20.8
<4373> シンプレクス 2.5 3871 3778 29.7 13918 10729 25.5 *
<6929> 日セラ 2.1 1968 1927 5.7 6180 5844 12.6
<5857> AREHD 0.9 8880 8804 10.3 29100 26372 11.0 *
<3097> 物語コーポ 0.2 2738 2732 17.3 10600 9035 23.1
※ 2024年7月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
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