橋本総業HD Research Memo(11):住設機器、空調機器の好調で2ケタ営業増益
■橋本総業ホールディングス<7570>の業績動向
4. 2025年3月期第1四半期の業績動向
2025年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が37,185百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益が408百万円(同10.4%増)、経常利益が758百万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が499百万円(同7.5%減)となった。前年同期に計上した投資有価証券売却益がなくなったため、親会社株主に帰属する四半期純利益のみ減益となった。
日本経済は引き続き激しい変動と進化が共存する混沌とした状況にあるが、建設業界は民間住宅投資、民間非住宅投資、公共投資すべてにおいて前年比プラスで推移している。こうした環境下、同社は中期計画の戦略に沿って重点施策を着実に推進し、積極的な営業活動を展開した。みらい市は既に北海道と東北、中部で開催し、合計7,050名の参加があった。こうしたなか、猛暑が年々厳しくなっていることから空調機器類は東北から北海道へと需要が広がり、住宅設備機器類はTOTO製品の価格改定前の駆け込み需要が発生し、空調機器類と住宅設備機器類はともに好調に推移した。第1四半期は売上高のシェアが低いこともあり、売上高の好調が採算の大きな改善にはつながらなかったが、売上総利益率は横ばいを確保、採用難やベースアップなどにより人件費は増加傾向にあったが、その他の販管費で削減を進めたため、営業利益は2ケタ増益となった。
セグメント別では、管材類は、非住宅向けの金属管材類と水処理施設向けのバルブ類の需要が減少したが、空調機器類の需要増に伴う空調配管部材の拡充と、樹脂管材類の需要増に対応した在庫と物流の強化を図ったことにより、売上高が11,014百万円(前年同期比3.5%増)となった。衛生陶器・金具類は、戸建住宅のリフォーム需要増加に伴って衛生機器類や温水洗浄便座の取替需要、高付加価値商品の販売が堅調に推移したこと、宿泊施設やオフィスビルなど非住宅分野でリニューアル需要が増加したことにより、売上高が10,461百万円(同8.8%増)となった。住宅設備機器類は、補助金活用により高付加価値給湯器やエコキュートなど給湯機器類の需要が増加したこと、住宅リフォームと非住宅リニューアルの需要増加に応じて建材の新規商材の販売に注力したことにより、売上高が6,860百万円(同17.1%増)と2ケタ増となった。空調・ポンプは、空調機器類が全国的な猛暑の影響を受けて省エネ機器など高付加価値商品への取替需要が住宅、非住宅ともに増加、特に近年猛暑が及ぶようになった北日本エリアにおいて大幅に伸びたことにより、売上高が8,558百万円(同9.2%増)と好調に推移した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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