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ウェーブロックHD Research Memo(3):マテリアルソリューション、アドバンストテクノロジー事業を展開(1)

特集
2024年6月18日 16時33分

■会社概要

2. 事業内容

ウェーブロックホールディングス<7940>は複数の素材(樹脂、繊維、金属など)と各種加工技術(接着、溶着、ラミネート、表面加工、印刷、エンボス加工、編織、蒸着、発泡など)を「組み合わせる」ことで生み出される様々な付加価値製品(農業用及び建設・工事用シート、防虫網、食品容器用シート、金属調加飾フィルムなど)の製造・販売を各グループ会社で展開している。

事業セグメントは、マテリアルソリューション事業及びアドバンストテクノロジー事業の2つで構成されている。2022年3月期以降の構成比推移を見ると、マテリアルソリューション事業が売上高の70%超、営業利益もバラつきがあるものの、60%以上を占める主力事業となっている。アドバンストテクノロジー事業については成長分野を手掛けているものの、まだ売上規模が小さく先行投資期間でもあることから、利益の振れ幅が大きくなる傾向にあるが、中長期的には売上規模の拡大にともなって利益構成比も上昇するものと見込まれる。

(1) マテリアルソリューション事業

マテリアルソリューション事業では、独自技術による高品質な各種合成樹脂製品(シート、フィルム、メッシュ、ネットなど)を建設資材、住宅資材、産業資材、農業資材、日用雑貨、食品包材等の幅広い分野に向けて販売している。このため、業界別・製品群別にビルディングソリューション、インダストリアルソリューション、パッケージングソリューション、リビングソリューション、アグリソリューションの5つのソリューションに営業組織を分け、市場の変化に対応した最適なソリューションを提供している。2024年3月期の売上構成比では、リビングソリューションとパッケージングソリューションの2分野で全体の5割強を占めている。その他には、タイや中国の子会社を通じた仕入販売品のほか地中熱ビジネスが含まれる。生産拠点については、(株)イノベックスの主力拠点である古河工場(茨城県)のほか、編織製品については静岡県にあるダイオ袋井工場、ダイオ掛川工場や中国で加工生産しており、一部製品については外部生産委託も行っている。

a) ビルディングソリューション

主な製品として、工事用シート・メッシュといった仮設建設資材や、土木・林業資材として利用される植生網、防草フェンス、また、間仕切用資材となるカーテン・シートシャッターなどを提供している。主な販売先は、仮設リース会社や代理店、商社となる。

b) インダストリアルソリューション

主な製品として、建物内で火災が発生した際に煙の拡散を防ぐ不燃シートである防煙垂壁や、レインウェアなどの原材料として衣料用に特殊配合したシートなどを提供している。主な販売先は代理店や商社、加工メーカーなどとなる。

c) パッケージングソリューション

乳製品、菓子、コンビニエンスストアなどの弁当容器など各種食品用パッケージから電子部品用パッケージまで幅広い製品を提供している。主力の食品用パッケージでは、賞味期限を延ばす高機能素材や特許技術による環境配慮素材を用いた製品を開発し販売を伸ばしている。主な販売先は食品メーカーや容器メーカーなどとなる。

d) リビングソリューション

網戸用の替え網(防虫網)や住宅まわりのネット資材、サッシと組み合わされ網戸として住宅などに設置される防虫網、農園芸用の被覆資材、関連商品などを主にホームセンターやサッシメーカー向けに販売している。防虫網では国内シェア約7割とトップシェアを握っており、そのほかの製品についても高シェアを有している。防虫網や園芸用ネット、遮光ネットなどに関しては売上の季節変動が大きく(例年3月から8月がピーク)、また、その年の天候状況によっても需要が大きく変化するため、ホームセンターでは在庫管理が難しい商材として位置付けられている。このため、同社は静岡県内にあるイノベックスの工場敷地内で一定量の在庫を保持することで、需要の急変動に対応可能な物流体制と通年での安定した生産体制を構築している。ここ数年は海外から競合する低価格商品が入ってくるものの、こうした物流体制は構築できておらず品切れが発生することも多い。樹脂の糸から自社で一貫生産していることによる製品の品質の高さだけでなく安定供給体制が整っていることも、同社が高いシェアを維持している要因と考えられる。

e) アグリソリューション

主に農業向け製品として、遮光・遮熱ネット、防虫網や保温シートなどの各種被膜資材、土壌改良材など幅広く提供している。主な販売先は大手種苗・農薬メーカー、農業資材卸専門店などとなる。

f) 地中熱ビジネス

地中熱ビジネスとは、自然エネルギーである地中熱を利用した高効率エネルギーシステム「ヒートクラスター(R)※」の設計・施工管理事業のことで数年前から一部手掛けていたが、2022年4月に設計・施工会社のエイゼンコーポレーションを子会社化し、システムインテグレータとして事業拡大を目指す。ビニルハウス栽培などの施設園芸農業や工場をターゲットに営業活動を推進している。

※「ヒートクラスター(R)」とは、地下10~200mの地中熱を利用したヒートポンプ方式の冷暖房システムで、年間を通して温度がほぼ一定となる地中に熱交換システムを設置し、冬の暖房時には外気より温度の高い地中から採熱し、夏の冷房時には外気より温度の低い地中に放熱することによって、既存の空調システムに対して大幅な省エネ化を実現している。

地中熱エネルギーシステムの場合、地中熱を利用するための穴を複数本、掘削するための工事が必要で設備投資額がかさみ、投資回収期間がほかの再生可能エネルギーシステムと比べて長くなることが課題と言われてきた。同社が手掛ける「ヒートクラスター(R)」は、熱交換効率を従来比3~5倍に高めたことで掘削する穴の本数を減らすことができ、設備投資負担も少なく済むといったメリットがある。また、同社の場合は農業分野や工場分野でグループ製品も合わせたソリューション提案を行うことができる点も強みとなる。さらに、室内の温度管理だけでなくフィルターが付いているため空気の清浄作用もある。工場内作業者からは夏場の暑い時期でも快適に作業できるとの声が上がっており、「脱炭素社会の実現」だけでなく「職場環境の改善」という面からも顧客に導入提案をしている。ビジネスの流れとしては、提案商談から基本設計、詳細設計を行ったうえで契約し、工事、効果測定を経て検収となる。商談開始から検収までの期間としては規模にもよるが、およそ6ヶ月から2年が目安となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

提供:フィスコ

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