澁谷工業:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
●澁谷工業<6340>[東証P]
レーティング: NEUTRAL(2025/9/8)→ NEUTRAL
◆ボトリングシステムで国内トップ。無菌技術に強み
◆食品や医薬品などの更新需要、メンテナンス需要で収益基盤安定
◆足もとの受注は低迷

◆会社概要…ボトリングシステムで国内トップ
ボトリングシステムで国内トップ。飲料用の無菌充填システムでは国内シェア80~90%とみられる。アジアや北米を中心に海外売上が拡大しており、海外売上高は約4割。
パッケージングプラント事業は食品や薬品・化粧品などの業界向けが中心、安定した需要があることや定期的なメンテナンスが必要なことが収益に寄与している。
◆業績
2026年6月期第2四半期連結業績は小幅な増収、営業減益。パッケージングプラント事業は増収増益と堅調だったが、メカトロシステム事業と農業用設備事業が減収・赤字となったことが足を引っ張った(資料1参照)。メカトロシステム事業においてはEV(電気自動車)やスマートフォン向けの需要回復が遅れているほか、医療機器の部品不足が影響し、農業用設備事業においては前期までの受注低迷が響いている。利益については人件費や原材料コストの上昇が利益を圧迫したうえ、パッケージプラント事業における他社製品の組み込み比率の高まりによる原価率上昇も利益率低下につながった。

受注は弱含みが続いている。パッケージプラント事業において高水準にあった飲料無菌充填システムの需要が一服していること、半導体製造システムの需要回復の遅れが要因だ。上期の受注高は前年同期比5.0%減の534億円にとどまり(資料2参照)、第2四半期会計期間のBBレシオ(販売額に対する受注額の割合)は0.8と、第1四半期からなお低下した。需要低迷期間は過去においては2年程度だったことを考えると、今期末頃からの需要回復が期待できそうだが、受注動向を注視する必要がある。

◆強み
同社の強みは技術力、イノベーション創出力、きめ細やかなサポート体制だ。創業以来のボトリング技術をコアにM&Aを通じて技術を蓄積、培ったロボット制御技術や無菌技術、レーザ技術などによって事業領域を拡大してきた。殊にパッケージングプラント事業では無菌技術が強みとなり、乳飲料や茶系飲料などの低酸性飲料の充填において優位性を発揮している。健康志向の高まりから低酸性飲料の需要が増加する中で、北米のほか中国や東南アジアでの需要も伸びている。
無菌技術は再生医療システムにつながっている。細胞培養アイソレータや自動培養装置、バイオ3Dプリンターなど豊富な品揃えが強みだ。再生医療の実用化が視野に入る中で、需要拡大が期待される。
メカトロシステム事業ではニプロ <8086> [東証P]向けに人工透析装置のOEM生産を行っているほか、半導体製造装置も手掛けている。透析患者は北米や中国、インドを中心に増加傾向にあるため、人工透析装置の需要は堅調に推移しそうだ。
◆業績予想と投資判断
通期業績予想に対する上期の進捗率は売上高で47.4%、営業利益で38.9%にとどまるが、同社業績は下期に偏る傾向があり、通期予想の達成は可能と考える。ただ、来期以降については足元の受注低迷が影響しそうだ。今村証券では受注の回復を来期と想定し、来期業績については売上高1200億円(今期比1割減収)、営業利益は2割程度減益の100億円、純利益72億円、EPS300円を予想する。
食品や医薬品、化粧品などが主要な需要先であり、更新需要やオーバーホールなどのメンテナンス需要が収益の支えとなることで、資本財セクターでありながら業績の変動が他の機械株ほど大きくない点は魅力的と考える。ただ、足元の受注状況が踊り場局面にあることから、投資するには受注回復を待ちたい。投資判断は「NEUTRAL」を継続する。

| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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株探ニュース