北陸企業News-連続増配銘柄-【今村証券アナリストレポート】
●連続増配銘柄
不安定な相場展開が続く中、配当に注目する投資家は多い。今回は連続増配銘柄に注目したい。
連続増配銘柄の魅力の一つは、増配が続くことで配当利回りの上昇が期待できることといえよう。例えば、投資当初に配当利回りが2%である銘柄が毎年5%ずつ増配すれば(1年目2.00%、2年目2.10%、3年目2.205%...税金など諸費用は考慮せず)、30年目の配当利回りは8%を超えることになる。
また、元本回収期間も短縮される。配当利回りが2%の銘柄が増配をしなければ、元本回収までに50年間の時間を要する(1÷2%=50年)が、上記のように毎年5%ずつ増配した場合には元本回収期間は26年に短縮される。
長期投資や配当などのインカムゲインに着目するのであれば、連続増配銘柄への投資は魅力的といえよう。


以下は「日経連続増配株指数」に採用されている銘柄のうち時価総額上位の銘柄と北陸の増配銘柄だ。「日経連続増配株指数」にはゴールドウイン<8111>[東証P]、北陸電気工事 <1930> [東証P]も採用されている。
今回は増配を続けている北陸企業から北陸電気工事、日華化学<4463>[東証S]を取り上げる。

●北陸電気工事<1930>[東証P]
作成者 織田真由美
レーティング:NEUTRAL
◆建設投資の拡大や電力需要拡大で需要好調

北陸電力関連向けが売上の3割程度を占める。北陸地域での事業が大半だが、東京や大阪などの大都市圏での受注にも注力している。
2026年3月期連結決算は3期連続の増収増益。需要が好調な中で売上高、営業利益、経常利益、純利益がそれぞれ過去最高となった。工事の進捗が堅調だったことに加え、価格転嫁も進んだことが利益率改善につながり、営業利益・経常利益は期初想定を10億円強上回っての着地となった。

受注も好調だ。建築費高騰による影響はあるものの、AI(人工知能)の普及によるデータセンター向けの電力需要拡大、注力する内線・空調管工事が伸長したことで、受注高(個別)は前の期に比べて3割増の708億円と大幅に拡大した。3月期末の繰越工事高(手持工事高)が634億円と過去最高水準にあることで、今期も増収増益が見込まれる。

会社は「DOE (自己資本配当率)3.0%を目指す」とする株主還元方針を掲げる。2026年3月期の配当金は前の期に比べて4円増配の48円としたことでDOEは3.0%を達成した。会社は今期の配当予想を48円と前期並みとしているが、今期増益であれば「DOE 3.0%」を維持するためには増配が必要となるとみられ、16年連続の増配となりそうだ。
株価のバリュエーションは妥当な水準と考え投資判断は「NEUTRAL」とするが、連続増配の継続が期待される中、配当重視であれば投資を検討するのも一考だ。
●日華化学<4463>[東証S]
作成者 近藤 浩之
レーティング:NEUTRAL
◆化学品事業のEHD領域、化粧品事業を拡大へ

今期(2026年12月期)会社予想は、売上高、営業・経常・純利益のすべてで過去最高を見込む。また、新たに公表した中期経営計画では「2030年12月期売上高700億円、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)90億円、営業利益56億円」を目標に掲げた。今期以降5年間の伸び率は売上高が年率4.7%、EBITDAが同8.5%、営業利益が同7.8%の想定だ。中期経営計画の基本戦略はこれまでと大きな変更がなく、①化学品事業(繊維加工用薬剤等)のEHD領域(環境:Environment、健康・衛生:Health、先端材料:Digital)、②化粧品事業(美容室専売品のヘアケア剤・スカルプケア剤等)―を伸ばす。

化学品事業に占めるEHD製品の売上高比率は、今期会社予想において48%(前期比+2.9ポイント)の見通しであり、2030年には55%へ高める方針だ。先端材料(D)領域は、半導体製造プロセス(切る、削る、磨く、洗う)で用いられる水溶性の薬剤を提供し、使用後の廃液を回収・リサイクルして再び製品化する「資源循環型ビジネス」を拡大する。環境(E)領域は、「フッ素を用いない」撥水剤、カーシートやソファ、衣類などに使用される人工皮革の製造に用いる「水系」ウレタン樹脂、繊維加工工程削減・短縮、排水の公害値低減などに貢献する薬剤の販売に注力する。
化粧品事業においては、営業担当を増員し、美容室に対するサポートを強化している。複数ブランドの展開、ODM(相手先ブランド受託開発・生産)強化、東南アジアへの進出も推し進める。この戦略に伴う受注増加に対応するのが、約1年後に稼働を予定する新工場だ。約195億円(内補助金50億円)を投じ、製造能力は3倍に、自動化による人時生産性は1.5倍に高める。新工場完成後は減価償却費が嵩むため、営業利益は来期(2027年12月期)に減益となった後、増益基調に戻る見込みだ(EBITDAは来期も成長を見込む)。
配当に関しては、今期にDOE(自己資本配当率)が当面の目安である3.0%に達する見通しだ。その後も「DOE向上を継続して検討」との会社方針があることから、増配、高い配当利回りが続くとみられる。配当重視の投資対象として検討に値する。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース