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ヤマタネ Research Memo(4):2025年3月期第2四半期は大幅増収、減益ながら上期業績予想は達成

特集
2025年1月8日 11時34分

■業績動向

1. 2025年3月期第2四半期の業績概要

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高38,273百万円(前年同期比38.4%増)、営業利益1,489百万円(同18.7%減)、経常利益1,430百万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する中間純利益975百万円(同31.1%減)と大幅な増収ながら、各段階利益は減益となった。但し上期業績予想(売上高37,500百万円、営業利益1,440百万円、経常利益1,390百万円、親会社株主に帰属する中間純利益810百万円)は全て達成した。なお、ヤマタネ<9305>は中間期の決算発表にあわせて通期業績予想の一部修正を発表した。

前年同期比大幅増収の要因は、2023年10月に子会社化したショクカイから、2025年3月期より通期での業績寄与が始まったことである。コメ卸売販売業においては昨年の猛暑の影響により原料調達が軟調だったことから、精米販売や玄米販売が前年同期を下回ったものの、ショクカイの売上が事業所給食向けを中心に堅調に推移して減収をカバーし、食品部門の売上高を引き上げた結果、前年同期比82.4%増で着地した。物流部門は5月より倉庫事業に関する新規受託業を開始したほか、国際業務において海外引越などの取扱件数が増加したことにより売上高は同1.9%増と微増となった。情報部門は汎用機基盤の開発・運用関連の業務受注が堅調に推移し、売上高は同2.8%増となった。不動産部門は2024年3月期に取得した賃貸用物件の稼働が順調であったことや、既存物件の高稼働率を維持できたことから、売上高は同8.3%増と増収を確保した。利益面では食品部門でショクカイの連結効果により大幅増益となったものの、物流部門での外注費用、本牧新倉庫に係る不動産取得税や減価償却費の増加のほか、情報部門におけるセキュリティ強化対策に伴う費用計上が響き、総体で前年同期比減益となった。さらに今後はIT関連や人的資本関連の将来に向けた投資が予定されているため、業績予想の下方修正に踏み切ったが、将来の業績拡大に向けた一時的な成長投資と留意しておきたい。

2. セグメント別の業績概要

物流事業は、売上高が前年同期比1.9%増の12,604百万円、セグメント利益が同29.1%減の849百万円だった。国内物流では、既存顧客の解約があったものの、5月より既存顧客から受託した新規業務の開始で穴埋めしたほか、国際業務では海外引越を中心とした取扱件数が順調に伸び、前年同期を上回ったことで増収を確保した。利益面では、本牧埠頭の新倉庫竣工に伴う不動産取得税や減価償却費の負担(140百万円)のほか、庸車や外注業者などの運送関連費用の増加(59百万円)などの要因により減益となった。物流関連費用の増加を価格に転嫁させることや、業務の効率化を並行して行っているが、上期は費用増加に追い付かなかった。

食品事業は、売上高が前年同期比82.4%増の22,528百万円、セグメント利益が同249.0%増の608百万円だった。2024年3月期下期よりグループ入りしたショクカイの業績が増収に寄与した。またコメの卸売販売については、昨年の猛暑の影響からコメの生産量が減少したことに加え、2024年8月の宮崎県日向灘地震を契機とした南海トラフ地震に対する注意喚起により、コメの買い溜めが起こったことから需給がタイトになった。このため原料の玄米調達が計画通りに進まず、精米販売は30千玄米トン(前年同期比18.5%減)、玄米販売は7千玄米トン(同31.7%減)と総販売数量が減少した。ショクカイについては事業所給食向けを中心に売上が堅調に推移したほか、小売店や量販店向けの総菜販売が好調であった。同社が持つ量販店向け販売や輸送ルートを活用することでショクカイの売上拡大を目指しており、上期に早速シナジーを発揮した結果、ショクカイの堅調な業績が主力のコメ卸売の減収をカバーした。利益面では原料玄米の急激な価格上昇があったものの、8月以降は新米販売が始まり需給面が緩和したほか、仕入価格上昇分の価格転嫁が進んだことや、ショクカイの連結効果により、最終的に前年同期比大幅増益で着地した。

情報事業は、売上高が前年同期比2.8%増の893百万円、セグメント利益が同16.4%減の46百万円だった。同事業の主力であるSE派遣の常駐型ビジネスで汎用機基盤の開発や運用業務の受注が堅調に推移したものの、利益面では2024年3月期のインボイス対応特需がなくなったことや、セキュリティ強化対策コストの増加により減益となった。食品や物流など、消費者生活の重要インフラを担う企業として、企業経営の重要課題であるサイバー攻撃や情報漏洩などに対し、グループを挙げて本腰でセキュリティ強化に対応した。ほかにも、社員のセキュリティ教育などに関する施策も並行して進めている。

不動産事業は、売上高が前年同期比8.3%増の2,247百万円、セグメント利益が同9.7%減の1,000百万円だった。既存賃貸物件の稼働率が堅調であったほか、2024年3月期に取得した賃貸物件からの賃料収入が寄与し増収となった。各物件とも好立地のため、稼働率は99%と大変高い水準を維持している。利益面では平和不動産<8803>などと共同開発したオフィスビル「KABUTO ONE」の不動産取得税の減少効果がなくなったことなどもあり、セグメント利益は減益となった。

3. 財務状況

2025年3月期第2四半期末の資産合計は、前期末比1,125百万円増加の157,031百万円だった。流動資産は同90百万円増加の22,562百万円となった。主な要因は売上債権及び契約資産の増加461百万円、棚卸資産の増加309百万円、現金及び預金の減少965百万円である。固定資産は同1,058百万円増加の134,404百万円となった。主な要因は建物及び構築物の増加2,707百万円、投資有価証券の増加1,244百万円である。

負債合計は同818百万円減少の99,037百万円となった。主な要因は1年内返済予定の長期借入金の増加1,023百万円、1年内償還予定の社債の増加657百万円、長期借入金の減少2,294百万円、社債の減少926百万円である。純資産合計は同1,942百万円増加の57,993百万円となった。主な要因は親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加566百万円、及びその他有価証券評価差額金の増加866百万円である。

この結果、2024年9月末の自己資本比率は34.1%と前期末比0.9ポイント上昇した。一方、流動比率は97.5%と同7.8ポイント低下したが、長期借入金や社債の返済・償還期限が近付いたことによる一時的な影響と考えられる。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《HN》

提供:フィスコ

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