クオルテックが大幅3日続伸、第3四半期営業利益が通期計画上回る
クオルテック<9165>が大幅高で3日続伸している。14日の取引終了後に発表した第3四半期累計(23年7月~24年3月)単独決算が売上高28億1600万円(前年同期比10.6%増)、営業利益4億円(同25.7%増)となり、営業利益が通期計画を上回って着地したことが好感されている。
信頼性評価事業で、高単価で難易度の高い分析検査の受注や断面研磨工程作業の受注が好調に推移したほか、パワー半導体向けのパワーサイクル試験も受注回復傾向にあることが寄与した。なお、24年6月期通期業績予想は、売上高36億円(前期比10.0%増)、営業利益3億6000万円(同18.4%増)の従来見通しを据え置いている。
また、15日午前9時30分ごろ、新規次世代半導体材料を使用するパワー半導体の早期実現に向けた研究開発拠点を、滋賀県が独創技術や新製品の研究開発を行う場として設立した「滋賀県立テクノファクトリー」内に開所したと発表したことも好材料視されている。
同社は23年12月、世界で初めてシリコンカーバイド上のルチル構造二酸化ゲルマニウム(GeO2)製膜に成功した立命館大学発ベンチャー、Patentix(滋賀県草津市)と資本・業務提携を締結しており、同研究開発拠点ではGeO2薄膜の大面積化に向けて、電気特性評価や膜中に存在する欠陥評価などを行う。GeO2半導体は、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などに比べ低損失化、高耐圧化、小型化の面で優位性を持つことから、新規次世代半導体材料として有力視されており、同事業への早期参入を目指すのが狙いとしている。
株探ニュース