フルハシEPO:木質系廃材のリサイクル処理受託を行う業績堅調な高配当銘柄
フルハシEPO<9221>は、木質系廃材のリサイクル処理、木質リサイクルチップの販売、建設副産物の処理受託、各種物流機器の製造販売を行う。
「バイオマテリアル事業(24年3月期実績で売上高の71.0%)」「資源循環事業(同17.8%)」「環境物流事業(同8.4%)」及び「その他」の各事業を展開している。バイオマテリアル事業は、木質系廃材のリサイクル処理受託及び木質リサイクルチップの販売を行い、木質系廃材の処理受託で顧客となる排出事業者等より処理料を受領するとともに、リサイクル処理過程で製造する木質リサイクルチップ販売による収入の双方にて収益を獲得する事業モデルとなっている。また、資源循環事業は住宅建設現場等から排出される各種建設副産物(廃棄物)のリサイクル処理を受託し、環境物流事業は木製パレット等の物流機器の製造・仕入・販売を展開している。愛知県を中心とする東海地区を基盤としており、複数の木質バイオマス発電事業への参画を実施。取り扱う廃棄物の量は国内の住宅着工動向の影響を受ける。
24年3月期の売上高は、前期比8.4%増の8,753百万円、営業利益は同23.9%増の1,039百万円で着地した。バイオマテリアル事業において前期開設した岐阜第二工場(大垣)および西東京工場(入間)が順調に稼働し売上高を押し上げ、売上高・営業利益・経常利益が4期連続過去最高を更新した。25年3月期の売上高は同9.0%増の9,544百万円、営業利益は同13.5%増の1,180百万円と増収増益見通し。
同社は、中期経営計画を開示しており、28年3月期に売上高150億円、営業利益30億円、営業利益率20%(24年3月期は11.9%)を掲げている。4ヶ年合計で約100億円を投資し、中日本エリア及び東日本エリアを中心に工場を新設するようで、年間100万トンの木質バイオマス取扱量体制(国内シェア約10%)を目指す。バイオマテリアル事業では24年10月に愛知第八工場、25年4月に名古屋工場を新設予定、資源循環事業では25年10月に湘南リサイクルガーデンを増設予定である。また、現状利益率の低い資源循環事業の利益率向上にも取り組んでいく。プラスチック、石膏ボード、外壁材などの再資源化の内製化を通してバイオマテリアル事業のようにダブルインカムの実現を目指す。そのほか、株主還元は、現中期経営計画期間(25年3月期から28年3月期)の4年間は累進配当を行うことを基本方針としている。最終年度は配当性向35%を目指しており、業績の拡大が続く高配当銘柄として今後の動向に注目しておきたい。
《NH》
株探ニュース