コーア商HD:24年6月期配当は前期比1.0円増配の13.0円を予想、25年6月期以降も増配が続く見込み
アルファ・ウイン・キャピタル株式会社は、コーア商事ホールディングス <9273> の調査レポートを発行した。要旨は以下の通り。
2024/6期第2四半期累計(以下、Q2)業績は1.9%増収、10.8%営業増益。原薬販売事業では、その他の代謝性医薬品用、及び感覚器官用の原薬が新規採用品目で伸長したものの、循環器官用薬、及び抗生物質製剤向けの原薬が得意先での在庫調整等が影響し、外部顧客への売上高が2.3%減収、セグメント利益は1.6%増益となった。医薬品製造販売事業は9.5%増収、工場稼働に伴う水道光熱費の上昇の経営環境の悪化を増産効果と収率向上が吸収したことで、セグメント利益は35.5%増の大幅増益であった。
同社の原薬販売事業の顧客は、国内のジェネリック医薬品メーカーの過半である。自社グループの医薬分析センターを活用し、商社機能以上の付加価値を提供している。蔵王工場の高薬理活性注射剤生産ラインは、プレフィルド・シリンジとバイアル液剤・凍結乾燥ラインで多品種少量生産に適応しており、業界でも稀有な存在となっている。
同社は原薬販売事業が生み出す利益を経営の屋台骨としてきたが、医薬品製造販売事業のセグメント損益が2020/6期に黒字転換となり、原薬販売事業に加え医薬品製造販売事業も利益成長に貢献している。
原薬販売事業においては、既存顧客における新規取引品目の増加が、売上高伸長の要因となっている。その背景にはジェネリック医薬品メーカーによる原薬のマルチソース化と、2016年頃から注力し始めた同社開発部によるジェネリック医薬品メーカーへの開発段階からの営業努力等がある。
医薬品製造販売事業において、2018/6期は「マキサカルシトール静注透析用シリンジ」、2019/6期は「炭酸ランタンOD錠」の生産が本格化した。特に前者はプレフィルド・シリンジという先発品にない剤形であることから需要旺盛で、2023年1月より増産となっている。
2023年12月、同社は蔵王工場の敷地内に第二工場を新設することを公表した。プレフィルド・シリンジの年産能力は、現在の蔵王工場の約340万本に対し、新設の第二工場では同1,200万本にのぼる。また、原材料の安定在庫の確保、及び製造製品数増加などに対応するために、蔵王工場の敷地内に新しく倉庫を建設した。新規受託獲得にも力を入れており、受託製造品目は今後増加する見込みである。
2024/6期Q2開示時点において、同社は2024/6期の業績予想を4.2%増収、3.1%営業増益とする期初予想を据え置いた。唯一の修正点は、一株当たり配当金(期末のみ)を期初予想の12.0円から1.0円増配し13.0円予想へと引き上げたことである。
アルファ・ウイン調査部(以下、当調査部)の2024/6期業績予想は、会社予想を若干上積みした前回予想を据え置く。事業別の売上高及びセグメント利益も同様である。一株当たり配当金予想は12.5円から会社予想並みの13.0円へと引き上げた。
2025/6期以降の業績も当調査部では増収増益が続くと予想している。原薬販売事業においては、新規取り扱いによる増収を、医薬品製造販売事業においては、受託製造の主要2医薬品の増産体制の寄与を期待した。
同社の株主優待制度は、決算期末株主を対象にQUOカードを200株以上保有者に1,000円分、200株以上かつ1年以上保有者には2,000円分を贈呈している。加えて、創立10周年記念株主優待を実施する。創立10周年記念とは、事業子会社の持株会社である同社が、2025年1月30日に創立10周年を迎えることを記念したものである。その内容は2024年6月末日の株主名簿に記載、または記録され、同社株式5単位(500株)以上を保有している株主を対象にQUOカード2,000円分を贈呈するものである。
当調査部では、2025/6期以降も増配が続くと予想している。
(出典)アルファ・ウイン・キャピタル株式会社
株探ニュース