マイクロアド---3Q累計経常利益は53%増益、データプロダクトサービスの稼働アカウント数は順調に拡大
マイクロアド<9553>は9日、2023年9月期第3四半期(22年10月-23年6月)連結決算を発表した。売却子会社分を考慮した売上高が前年同期比17.4%増の100.71億円、営業利益が同45.4%増の8.15億円、経常利益が同52.9%増の7.46億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同166.4%増の5.54億円となった。また、日本国内と海外拠点取引における、一時的な為替差損の影響により、4-6月期単体の経常利益は為替差損により前年同期比42%減益となった。
データプロダクトサービスの売上高は47.26億円となった。企業のマーケティング活動を支援するデータプラットフォーム「UNIVERSE」の拡大にあたっては、2022年度より顧客属性に特化した営業組織へと改変することで、より顧客属性に応じた機動的な製品開発や製品提供体制を整えている。また、リモートワーク中心に変化している顧客企業に対して、オンラインセミナーの開催やオンラインでのリード獲得を目的としたインサイドセールスに特化する新しい営業組織を構築した。これらの顧客属性に応じた営業組織の強化に加え、新たなデータパートナーとの提携による業種別プロダクトの性能強化や、地方自治体向けの「まちあげ」や、2024年からはじまる新NISAの口座開設を支援する金融業種向けの製品など、新しい業種に向けた製品の提供を開始している。これらの施策によって、より顧客のニーズや規模に合致したサービス提供を行い、主要なKPIである稼働アカウント数の順調な拡大を実現している。デジタルサイネージサービスは、期初からの計画通り一部のパートナーとの契約更改によって第3四半期より売上・粗利が減少しているが、スーパーマーケットやネイルサロン等のリテール領域への注力によって、再成長を狙っていくとしている。
コンサルティングサービスの売上高は53.45億円となった。メディア向けコンサルティングサービスは、日本国内においてインターネットメディアの広告枠を預かり、様々な広告を組み合わせることでメディア企業の広告収益を最大化するサービスを提供している。特に同社が提供する「MicroAd COMPASS」はメディア企業に対する広告枠の企画提案などによるサポート体制の強化によって利益率が改善している。海外コンサルティングサービスは、台湾を中心としたデジタルマーケティングのコンサルティングサービスを提供している。海外拠点の売却や、特定の大手広告主の予算削減等により、売上高は前年比でマイナス成長となっているが、新型コロナウイルスの影響が縮小することで訪日観光客が増加しており、日系企業のインバウンド需要が拡大している。加えて、日経企業の海外進出などのアウトバウンドの需要も増加しており、そのような需要の拡大に向け様々なサービスの提供を新たに開始している。
2023年9月期通期については、売上高が前期比10.4%増の135.00億円、営業利益が同49.9%増 の9.40億円、経常利益が同56.2%増の9.25億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同41.1%増の7.00億円とする5月15日に上方修正した連結業績予想を据え置いている。
《SI》
株探ニュース