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日プロ Research Memo(7):ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する

特集
2020年9月1日 15時07分

■日本プロセス<9651>の中長期成長戦略

1. 第5次中期経営計画の基本方針

第5次中期経営計画(2019年5月期-2021年5月期)では、経営ビジョンに「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を掲げ、基本方針を獲得事業の主力化と新分野の開拓、持続的成長への投資、T-SES(トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス、同社の造語)の継続としている。

なお第5次中期経営計画の目標数値は公表していないが、目標とする経営指標には売上高営業利益率10%以上、株主還元の指標として配当性向おおむね50%以上を掲げている。

自動運転・ADAS関連、IoT関連を主力事業化

(1) 自動運転・ADAS関連、IoT関連を主力事業化

獲得事業の主力化では、自動車業界の技術革新を表すCASEのうち「S」以外の「C・A・E」の分野に注力している。強みを持つ車載ネットワーク制御技術、近距離無線通信技術、パワートレイン系電動化対応技術、カメラやレーダーといった外界認識センサー技術などを融合し、自動運転・ADAS関連を主力事業化した。また、前中期経営計画期間中に獲得した建設機械や医療機器などのIoT分野を、これまで培ってきた制御・組込技術と組み合わせて拡大し、主力事業に育成中である。

新分野の開拓では、AI・ディープラーニング、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなどを注力分野として、AI画像認識・識別、AI基盤システム、ロボティクス、IoT建設機械クラウド基盤などに取り組み、先行技術習得にも注力している。

(2) 人材育成など持続的成長への投資

持続的成長への投資では、働きやすい環境や成果主義に基づく評価による社員の安心・健康・快適・成長・やりがいの向上が、社員の定着・活力向上・生産性向上・技術力向上・品質向上につながることで業績が向上し、結果として会社の持続的成長や企業価値向上につながるという好循環を生み出すため、物心両面から持続的成長の基盤づくりを継続的に推進している。

具体的には、オフィスや設備など働きやすい職場環境づくりへの投資、開発・検証ツール導入など生産設備への投資、採用強化による技術者確保や技術力向上に向けた教育など人材への投資、奨学金返済支援制度や年次有給休暇の計画的付与など働きやすい制度の強化を推進している。

2020年5月期は、働きやすい環境・設備への投資として、横浜事業所の移転・拡張、日立事業所のリノベーション、本社の移転を完了した。働きやすい制度や人材への投資としては、裁量労働制の廃止とみなし残業手当の支給、全社教育及び事業部での教育などを実施した。また新型コロナウイルス感染防止対策として、リモートワーク環境の整備と推進を積極的に顧客に提案した。

なお同社は持続的成長に向けた投資として、業績連動賞与の形で社員への還元を厚くしている。2020年5月期の社員の平均年収(有価証券報告書公表ベース)は683万円となった。2021年5月期には713万円となる見込みだ。2017年5月期の584万円から4年間で129万円増加することになり、社員への還元によって業績が向上するという好循環につながっている。売上高営業利益率は表面的には低く見える形になっているが、実質的な利益率は高水準である。

(3) 長期的視点でT-SESを継続

長期的視点でT-SESを継続する。T-SESは「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス」の略で、同社の造語である。長年にわたり培ったソフトウェアエンジニアリング技術をベースとして、ソフトウェアの要件定義、システム開発、構築サービス、検証サービスから運用・保守までをトータルにサービスすることにより、顧客に最大のメリットを提供することを表している。顧客を巻き込んだ中長期的な取り組みとして継続している。

2. SDGsへの取り組み

コーポレート・ガバナンスの基本方針に基づき、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として毎年当期純利益の1%を目途に寄付を実施している。2020年5月期には2団体(公益財団法人SBI子ども希望財団、特定非営利活動法人Reach Alternatives)に寄付した。また2019年10月には台風19号の被害に対する義援金も寄付した。今後も継続的に利益の一部を社会貢献に役立てる方針だ。

さらに2015年国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に向けて、社会インフラ分野のシステム開発を得意とする企業として、地道に取り組む方針としている。

中期的に収益拡大・高収益化期待

3. 中期的に収益拡大・高収益化期待

システム開発・ITサービス企業は、急激な技術革新への対応に加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大によって新しい日常・生活様式「withコロナ」への技術対応力も求められるが、同社は安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御・組込システムなどの開発で培った高品質・信頼性に強みを持ち、大手優良顧客との強固な信頼関係を構築して小粒ながら独自のポジションを確立している。2021年5月期は保守的に減収減益予想としているが上振れの可能性が高く、さらに成長分野への取り組みを加速して中期的にも収益拡大・高収益化が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《ST》

提供:フィスコ

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