「減給するなら即転職」の投資戦略で、早期退職後に1億円超え
すご腕投資家さんに聞く 『銘柄選び』の技
トランプ波乱を勝ち抜く技
アルマーニさんの場合-1回完結
イラスト:福島由恵日本株で1億円を運用する専業投資家。50歳で引退という目標を現実のものにするため、30歳代だった2010年頃から日本株投資をスタート。母親の影響を受け、安定性を重視するバリュー株狙いでスタートしたが、時には大きな値上がり益を狙って失敗することも。「一攫千金の夢を見てはいけない」との教訓を胸に刻むと、アベノミクスの追い風もあり、2019年に資産は8000万円に到達、51歳で従来の目標を実現した。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「配当・株主優待重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
・「投資家検索サービス」を使う
・「すご腕投資家」の記事一覧を見る
| この記事を読んで分かること |
| 1. 配当重視の投資で資産1億円を築いた方法 |
| 2. 売買のタイミングの見極めに役立つ銘柄管理術 |
| 3. 株式投資を「会社員生活」に見立てる理由 |
勤め先の業績が悪化しても、すぐに「ヤバい。早く転職しよう」と考える人はそう多くないだろう。業績が悪化しても、すぐに自分の処遇が悪くなるとは限らないからだ。
だが会社の業績にかかわらず、「自分の給料が減る」という現実を突きつけられると、今より条件の良い会社に移ろうとする人は増えるのではないだろうか。
今回登場するアルマーニさん(ハンドルネーム)は2019年、51歳の時に会社員生活と縁を切った。ただし、給料を減らされたからではない。配当金収入で、残りの人生を過ごすメドがたったからだ。
本人は、大学を卒業して就職した時から「50歳で隠居する」と心に誓ってきた。いわゆるFIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指したのだ。
その目標を1年遅れで実現できたのは、2010年から本腰を入れて取り組んできた株式投資のおかげ。それから10年もたたないうちに資産が8000万円に達したことで、「独身だし、住宅ローンもないから大丈夫だろう」と、早期退職した。
株式投資を「会社員生活」に見立てて取り組む
目標達成の鍵となったのが、株式投資を会社員生活と見立てて取り組んできたことだ。
アルマーニさんは、「配当」を給与、「株価」を会社の業績と考えて、株価に一喜一憂しない配当狙いの戦略に取り組んできた。ちなみに「株主優待」は、会社の福利厚生のように捉えている。
配当は給料と同じという考えから、配当金を毎月受け取れるよう工夫し、それらを着実に増やしていけるようなポートフォリオを構築してきた。
足元では、引退した当時の8000万円から1億円まで膨らますことに成功している。早期退職を実現し、その後も着実に資産を増やしてきた技を見ていこう。
■「配当・株主優待狙い」でのアルマーニさんの位置づけ(右下)

増配期待が高いのは丹青社、そのワケは
アルマーニさんは足元で約100銘柄を保有し、リスク分散を図っている。1銘柄あたり100株~1000株を基本としている。
現在の保有銘柄で、配当の期待度が最も高いのが、商業施設やイベント施設の内装を手掛ける丹青社<9743>だ。2025年1月8日に投資を開始し、直近では400株を保有。その時価評価額は50万円程度になる。
投資している理由は、「これから増配が期待できそうだから」(本人)。その理由は2つのポイントがある。
■丹青社の日足チャート(2024年11月~)

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
株探ニュース