ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (5)決算速報は有望銘柄の宝庫

特集
2019年9月20日 10時35分

「株探の決算速報は株取引のマストアイテム 決算速報は有望銘柄の宝庫【2】」

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆さらなる業績成長は期待できるのか

これら決算の数字をどう分析したらよいのでしょうか?

決算で発表される「売上高」「営業益」「経常益」「最終益」の数字は、1年ごと、半期ごと、四半期ごとで表示されていて、現在の経営や財務状況を実績として、今後の経営や財務状況を予想として開示します。

図6をみてわかる通り、決算データは2018年、2019年、2020年と、過去からの数字が掲載されています。この数字が過去より現在、現在より未来が良くなっていれば、企業がその分だけ成長していると考えることができます。数字は伸びていることが重要です。

図6 過去の成長ペースと今後の成長余地を確認

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そして、表の一番下の欄にある「前年同期比」は、前年の同じ期と比べて伸びているのか、それとも伸びていないのかを数字などで表しています。数字がプラスであれば業績の拡大を、マイナスであれば縮小を表していて、「赤拡」は赤字の拡大を、「黒転」は赤字から黒字への転換を、「赤縮」は赤字の縮小を表しています。

なお、個別銘柄の銘柄欄には本決算の前年同期比の伸び率を基に、業績の変化の方向性と大きさが矢印で記載されています(図7)。

図7 個別銘柄の「業績」の矢印とその意味

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有望成長株は、現在の株価からさらなる成長を見込むことができる銘柄です。思惑や噂で株価が上昇する銘柄もありますが、さらなる成長を確認することができなければ最終的には叩き売られることになるでしょう。

決算短信の数字を確認して、順調に成長しているのか、そして、さらなる成長が期待できるのかを確認する必要があります。また、決算期ごとの決算書のほかに、会社側からその判断の手助けとなる情報が開示されることがあります。それが業績修正です。たとえば、「今期は20%増益の見通しだが、増益率を20%から30%に引き上げよう」と会社側が予想を見直す場合、これを「上方修正」といいます。上方修正は会社側の想定を上回って業績が好調に推移していることを意味しますので、一般にさらなる成長期待を高める要因となります。反対に、「次の決算は予想よりも悪くなりそう」と予想を見直す場合を「下方修正」といいます。業績にブレーキがかかった形ですので、成長期待は後退しやすくなります。

決算速報の一覧ページでは、通常の決算は見出しの先頭にあるラベルは赤色で表示されますが、業績修正は緑色のラベルで色分けされて一目でわかるようになっていますので活用しましょう(図8)。

図8 「決算」は赤、「修正」は緑で色分けされた「決算速報」

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業績修正の場合、個別銘柄の決算速報ページで「修正の理由」を確認することができまます。業績を押し上げる(押し下げる)要因が何であるのかを確認することは、今後を予想するための重要な判断材料となります。決算速報では開示情報の当該箇所を表示するように設定されていますが、念のために元となる開示文書も銘柄名の右横の「決算短信 PDF」のボタンから確認しておきましょう(図9)。

図9 「修正の理由」、業績押し上げ(下げ)の要因を確認

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次回は、個別銘柄の様々な指標の見方などを解説していく予定です。

>> 6回目に続く

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