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すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 某OL(emi)さんの場合-第1回

特集
2019年10月4日 13時30分


3年で億トレ、10年で「3億円プレーヤー」になった女性投資家の“特異な”投資人生

登場する銘柄

第一交通産業<9035>、淺沼組<1852>、京成電鉄<9009>、マーケットエンタープライズ<3135>、ワークマン<7564>、ファンデリー<3137> など

筆者:福島由恵
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

某OL(emi)某OL(emi)さん(ハンドルネーム・女性)のプロフィール:
女性の兼業投資家。2018年に退職して専業投資家に転身後、現在は自身のペースによりフリーランスのスタイルで仕事をする。投資を本格的に始めたのは2008年、最初の本格投資の対象が日経225のオプション取引という異色の投資人生を歩み始める。日経平均株価が大きなトレンドが出にくい状況に対応した戦略が奏効、わずか3年後には「億り人」に。14年頃からは日本株の個別株投資を本格化させ、現在は守り主眼で株主優待株やバリュー株、値上がり益狙いで新興・成長株を売買しながら、リスクヘッジでオプションを活用。個別株投資では業績の変化や、日常の報道番組から消費者に広がるブームを先取りする方法などを取る。

今回は「すご腕投資家シリーズ」で初めての女性投資家さんが登場する。その名は、某OL(emi)さん(ハンドルネーム、以下某OLさん)だ。

投資を本格的に始めたのは2008年。リーマン・ショックが起きる直前だった。比較的給与水準が高い会社に勤務し、趣味の旅行以外は節約に励み、預金口座には2000万円が積み上がっていた。

いつかは海外移住したいと貯めていたが、雀の涙にもならない低金利のまま預けていても意味はないと考え、投資に本腰を入れることにした。

アベノミクス前の混乱相場でも資産を7倍、3年ほどで億トレさんに

その決断が間違っていなかったのは約10年後の現在、某OLさんの手元には、元本の15倍になる3億円の資産があることが物語る。この実績だけでもすご腕ぶりを十分に示しているが、驚くべきは投資を始めてからわずか3年後の2011年頃には、億トレの地位を獲得したこと。11年末時点で某OLさんの資産は1億5000万に膨らんでいた。

思い出してみよう。2008~11年といえば、アベノミクス相場が始まる以前の時期。09年には民主党に政権交代して政治が落ち着かない中で、株式市場にはリーマンの後遺症が残る中で、東日本大震災や欧州債務危機という大きなショックが次々と襲った。

■日経平均株価の月足チャート(2006年以降)

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

これらによって日本株の相場トレンドをつくる海外投資家は日本株に腰が引け気味で、マーケットには力強さが欠けていた。そんな環境下で、某OLさんは資産を7倍以上に膨らましたのだ。まだ投資初心者だった某OLさんが驚異的な利益を手にした秘訣が日経平均株価のオプション取引だ。

男性比率が8割以上といわれる投資の世界で、女性投資家は珍しい存在。それ以上に某OLさんの特異さを物語るのは、最初に本腰を入れて取り組んだのが一般に難易度が高いとされる「オプション取引」だったことだ。

着目したきっかけは、当時の低迷相場でも上手に投資すれば儲ける手段があることに魅了されたこと。この時期の日経平均株価は未曾有の金融危機の発生が尾を引き、強気と弱気が交錯し、方向感が定まらないボックス相場を形成していた。

上昇・下落の両局面でもリターンを獲得できるオプション取引に魅了される

某OLさんは、日経平均が上昇するのか、下落するのかがわからなくても、それとは関係なく利益が出せるポジションを組む方法に着目。この戦略を生かしてリターンを獲得してきたのだ。

オプション取引とは、株価の上昇・下落の両局面でもリターンを生むことが可能な仕組みがある。「買い(ロング)」や「売り(ショート)」の権利を売買する取引で、権利の「買い手」と「売り手」のどちらの立場でも投資ができるためだ。

大まかにいうと、これから相場が一定以上の水準まで上がる、あるいは下がると思えば「買い手」の立場、上下とも一定以上の水準に達しない範囲で動くと思えば「売り手」の立場で取引することで、リターンを狙う機会を探る。

日経225のオプション取引では取引対象が複数あり、1つは権利行使価格と呼ぶ将来の価格水準で、もう1つは限月と呼ぶ将来の決済日で、これによって同じ限月でも複数の行使価格があり、また同じ権利行使価格でも複数の限月がある。こうした複数の取引対象があることで、多様な取引ポジションをつくることができ、それらを相場の動きに合わせて適宜ポジション調整を行いながら、利益を出すことが可能になる。

もともとは会社員として働いていた某OLさんが、どのようにして一見、複雑なオプション取引の技を習熟したのか。そして足元では、日本株の個別株でリターンを稼ぐ戦略に転換し、オプション取引はリスクヘッジで活用している中で、個別株のポートフォリオや銘柄選別とはどんなものか。これらについて4回の記事で紹介していく。

初回の今回はこれまでの投資の道のりと、足元で稼ぎの軸足に置くに日本株の投資戦略について見ていく。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 攻めの日本株、守りの日本株に分ける

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