前場に注目すべき3つのポイント~日経平均の23000円処での底堅さを見極める格好に

市況
2020年9月1日 8時53分

9月1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:日経平均の23000円処での底堅さを見極める格好に

■菱洋エレク、2Q営業利益30.2%減、21/1期下方修正、自社株を公開買付

■前場の注目材料:楽天、東急と包括提携、データマーケティング新会社設立へ

■日経平均の23000円処での底堅さを見極める格好に

1日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうである。8月31日の米国市場ではNYダウが223ドル安となる一方で、ナスダックは上昇。TikTokの米国事業売却に中国政府の許可が必要となるよう規則が変更されたとの報道を受けて、米中対立懸念が強まったようである。ただし、連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長が長期にわたる低金利維持を示唆する新指針を再確認したことが安心感につながったほか、アップルやアマゾンなどハイテク株の上昇に支えられた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比60円安の23100円。円相場は1ドル105円90銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好からやや売り先行の展開となり、日経平均の23000円処での底堅さを見極める格好になりそうだ。米中対立への懸念が強まっていることから上値追いは慎重になりやすいほか、アップルやアマゾン、テスラといったクオリティ株への物色はみられているが、ハイテク株はまちまちの展開であり、市場反応は限られそうである。国内政治イベントを控えていることから積極的なポジションは取りづらく、次第にこう着感が強まりやすいところであろう。

物色の流れとしては米国の流れを受けてハイテク株への波及がみられるかを見極めたいところ。東エレク<8035>は高値圏での推移ではあるが、7月以降は緩やかな調整が続いている。一方で、昨日のバフェット氏による大手商社5社の株式取得報道は市場全体のセンチメントを明るくさせていた。バリューシフトが意識されやすいところでもあり、伊藤忠<8001>など商社株の動向を引き続き注視する必要があるだろう。

また、昨日大きく反発をみせていたマザーズ市場については、先週末の急落から大きく切り返している銘柄がみられていた。これら銘柄が本日も強含みの展開になるようだと、個人主体の物色意欲は引き続き活発となろう。ただし、昨日の上昇によって目先的なピーク感が意識されてきてしまうと、戻り待ちの売り圧力が次第に強まる格好になりやすく、よりバリューシフトへの思惑につながりそうだ。そのほか、日替わり的ではあろうが、政策絡みの物色も総裁選に向けて活発であろう。

■菱洋エレク、2Q営業利益30.2%減、21/1期下方修正、自社株を公開買付

菱洋エレク<8068>が発表した第2四半期決算は、営業利益が前年同期比30.2%減の7.4億円だった。あわせて2021年1月期の業績修正を発表。営業利益は従来の22億円から17億円に下方修正している。なお、TOB(株式公開買い付け)による自社株の取得を発表。1株当たりの買い付け価格は2990円で、取得する自社株の総数735万7900株、取得総額は約220億円。

■前場の注目材料

・日経平均は上昇(23139.76、+257.11)

・ナスダック総合指数は上昇(11775.46、+79.82)

・1ドル105円80-90銭

・米長期金利は低下

・日銀のETF購入

・米経済対策効果への期待

・コロナ向けワクチン開発の進展

・楽天<4755>東急と包括提携、データマーケティング新会社設立へ

・富士通<6702>携帯販売を売却、ティーガイアに286億円

・カシオ<6952>山形に新ライン、電卓組み立て8割自動化

・ローム<6963>VCSELモジュールを30%高出力、来春製品化

・グンゼ<3002>人工乳房で薬事承認、米社製品を来月販売

・小野薬<4528>投与1日1回のパーキンソン病用薬剤、オフ症状の時間短縮

・日立<6501>再生医療用細胞の情報基盤開発、来年、運用開始目指す

・デンカ<4061>千葉工場に自家発設備、年1万2000トン超のCO2減

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・08:30 7月有効求人倍率(予想:1.08倍、6月:1.11倍)

・08:30 7月失業率(予想:3.0%、6月:2.8%)

・08:50 4-6月期法人企業統計調査・全産業設備投資(前年比予想:-4.0%、1-3月期:+0.1%)

<海外>

・10:30 豪・4-6月期経常収支(予想:+130億豪ドル、1-3月期:+84億豪ドル)

・10:45 中・8月財新製造業PMI(予想:52.5、7月:52.8)

《ST》

提供:フィスコ

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