明日の株式相場に向けて=米大統領選後に待つのはブルかベアかカオスか

市況
2020年11月2日 17時00分

名実ともに11月相場入りとなった2日の東京株式市場は、日経平均株価が318円高の2万3295円と急反発した。中長期波動の分水嶺である75日移動平均線上で粘り腰を発揮する格好となった。

日経平均は前週末の下げ分を9割方取り戻す大幅高をみせた。前週末の米株市場が波乱安の余韻を残し、きょうは米大統領選の投開票日直前ということもあって持ち高整理の売りが継続すると思いきや、そうならないところが相場の難しさでもある。あすが文化の日で休場のためホールドしにくい環境にも関わらず、好決算銘柄にここぞと押し目買いが入り、日経平均は先物を絡め急反発に転じたのはやや意外だった。俗に2日新甫は荒れるというが、とりあえずスタートは買い意欲旺盛の地合いだったといってよい。

もっともこれは東証1部に限った話。「個人投資家の体感温度はかなり低く、(季節よりも)ひと足早く木枯らしに晒されている」(ネット証券アナリスト)という声もある。これは、マザーズ市場が下げ止まらず、歯車が逆回転を始めている状態にあることを言っている。

きょうマザーズ指数は一時1150を下回り75日移動平均線との上方カイ離をほぼ帳消しにした。仮に75日線を下抜けると今年4月下旬以来となり、コロナショック後「世界最強の戻り足」といわれたこの半年の上昇相場にピリオドを打つ可能性も否定できない局面にある。まだ、「信用の追い証発生は限定的で、総投げ状態には至っていない」(ネット証券アナリスト)というが、マザーズ市場の信用評価損益率は前週末時点でマイナス23.3%まで下落した状態で堰を切る寸前の様相。東証1部銘柄を担保としている場合はまだしも、「マザーズ銘柄の2階建てで信用取引をやっている投資家は仕切り直すよりなくなっている」(同)ともいう。中小型材料株については、今は引き続き落ちてくるナイフはつかまないことを心掛ける段階にあるといえそうだ。

米大統領選は、投開票直前になっても市場関係者の意見が大きく割れている。かたや99%バイデン勝利という人と99%トランプ勝利という人の両極が混在している。郵便投票などカオスの火種を抱えていることで余計見えにくい。法廷闘争に持ち込まれた場合は株式市場も負の影響を受けるという点については大方の意見が一致しているが、果たしてどうなるか。ここまで来たら結果を見守るよりない。

あすは、東京市場は文化の日で休場となる。米大統領選の投開票にマーケットの視線が集中するが、すぐには結果が判明しない可能性もある。明後日4日の東京市場はいずれにせよボラティリティが高まりそうだ。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2020年11月02日 18時24分

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