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ダウ3万ドルでかすむも、グロース株バブルが“健在”なわけ

特集
2020年11月25日 10時00分

大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 第53回

足元でコロナは世界中で再拡大を見せ、再び期先の不透明感は増しています。また、ECB(欧州中央銀行)はさらなる資産購入の拡大プログラム(PEPPやTLTRO)の実施を示唆しており、米連邦準備理事会(FRB)も追加緩和実施の可能性を含ませています。

日銀も、政策決定会合において「必要なら躊躇なく追加措置を実施する」と発言していますので、さらなる緩和的な手段を講じる可能性もゼロではありません。そう考えれば、短期的な流動性の再拡大、つまりグロース・バブルがもう一花火打ち上げられる可能性を考えた方がいいかもしれません。

マザーズでも、もちろん格差は拡大

最後に、日本の成長株市場である東証マザーズについても軽く触れておきます。マザーズ市場内も、足元で急速にグロース株が買われ続ける現象が発生しているのは同様です。(マザーズ銘柄は遡及データが安定しないため過去10年間で見ています)。

そもそもマザーズにバリュー株を求める投資家は少ないでしょうから、これはあくまで「マザーズでも投資するなら成長株」というイメージを再確認しただけのものです。

■東証マザーズ指数のPBR格差の動向

【タイトル】

出所:データストリーム

それよりも気になるのは、マザーズの活況がいつまで継続するのかという点でしょう。これについては、先ほどと同様に長期金利のデータと「東証マザーズ指数÷TOPIX」の相対指数で観察すれば、そのヒントを得ることができます。

基本的に、市場内PBR格差とほぼ同じような推移が見られます。金利が下がればマザーズ優位、足元は金利横ばいでも過剰流動性でマザーズ高騰、といった流れです。

足元はやや頭打ちが見られますが、11月18日には下落相場で逆行高を見せるなど、いまだに需要の強さを感じさせます。

今後を考えても、グロース株同様にマザーズも、最後の緩和拡大によって「もう一花火」がある可能性がありそうです。短期的には、下がったところを押し目で成長株に入れる、というスタンスが機能する可能性があります。

■東証マザーズ÷TOPIXと日本の長期金利

【タイトル】

出所:データストリーム

とはいえ、現在は「景気のドン底でのバブル後最高値」という、誰にでも簡単に理解できる異常さと矛盾をはらんだ相場です。

最後の一花火をあげ、株価が暴走した末に流動性を手仕舞いせざるをえない状況になった際、起こりうる逆流のマグニチュードは想像したくもありません。あくまで引っ張らず、引き際を間違えないように、グロース・バブルの最後の花火を見届けたいものです。

最後に、参考までに今回の分析に関連する銘柄の例を添付します。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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