キラキラBASE<4477>も興味なし、3倍返しの基本は「お祭りスルー」
すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 ともさんの場合~第2回
具体的には、赤字から黒字に転換する時期、これまで先行投資としてかけていた広告費の負担がなくなり、広告の効果が出て収穫期に入る時期。または「のれん代」と呼ばれる費用負担が終了し、その分利益の増加が見込める時期に注目する。
この効果が実際の数字として織り込まれる前に、先回りで投資するのだ。この動きは、注目する銘柄の決算発表や中期経営計画に目を通して読み解いていく。
ちなみにのれん代とは、ごく簡単に言うと、企業がM&A(買収と合併)を行った際、買収する側に回った企業が「買収される企業のブランド、技術力の価値を上乗せして払った部分の代金」を指す。
これに相当する価格は、企業が保有する大規模な機械等と同じく、日本の会計基準では毎年一定額(または一定率)ずつ減価償却する方法で会計処理をしていく。減価償却の期間が終われば、その分、利益がかさ上げになる。国際会計基準や米国会計基準では、業績悪化などキャッシュフローへの影響に応じて、減損処理する。
日本基準ののれん処理を家計に例えるならば、長年払い続けた住宅ローンを完済し終わり、とたんにリッチな感じになったようなもの。のれん償却は経理処理上の費用負担で、ローン返済のように実際のキャッシュアウトはないが、収支計算上の余裕が生じる点では同じだ。
ロコンドでは4回、チャンスをつかむ
こうした考えのもと、ともさんは、ロコンドでは、2017年12月に初の買い出動に乗り出して以降、合計4度、株価上昇の波に乗ることに成功する。特に最近のコロナ相場の最中に訪れた3回目と4回目の波では、同社株の大きな株価上昇をさらい、総額4000万円程度のリターンをゲットした。
では、どんな着眼点をもってロコンドに参戦し続けたのか。この点は、先に紹介した
「広告費の負担が消えてその効果が表れる時」
「赤字から黒字に転換する時」
――の2つを材料に株価が跳ねるのを狙おうと目論んだ。
時系列で見ていくと、上昇の第1波をさらったのは、18年の春から秋にかけて。ともさんは同銘柄について、17年12月から仕込み始めていた。きっかけは、この時期株価が動意づいて上がっており、売り上げの順調さも確認できたからだ。