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月々の返済は利息のみ! 60歳以上が対象の住宅ローンの使い方と注意点

特集
2022年3月31日 10時00分

清水香の「それって常識? 人生100年マネーの作り方-第46回

清水香(Kaori Shimizu)
FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表
清水香1968年東京生まれ。中央大学在学中より生損保代理店業務に携わるかたわらファイナンシャルプランナー(FP)業務を開始。2001年に独立後、翌年に生活設計塾クルー取締役に就任。2019年よりOfficeShimizu代表。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。一般生活者向けの相談業務のほか執筆、企業・自治体・生活協同組合等での講演活動なども幅広く展開、テレビ出演も多数。 財務省の地震保険制度に関する委員を歴任、現在「地震保険制度等研究会」委員。日本災害復興学会会員。

前回記事「『年収106万円の壁』が拡大、今年10月の制度改正前に知っておきたいこと」を読む

日本の高齢者は、約8割が持ち家世帯です。

超長寿社会となった現在、持ち家にはより長く住むことになりますが、時間の流れとともに住まいは老朽化し、あちこち修繕が必要になるもの。年齢を重ねれば住まいニーズも変わり、便利な場所やコンパクトな住まいへと住み替えを検討する人もいるでしょう。

【タイトル】

修繕するにせよ住み替えるにせよ、住まいについてはまとまったお金が必要です。しかし年金暮らしの高齢者が住宅ローンを組んだり、返済したりするのは困難ですし、手元資金では十分対応できない場合もあるでしょう。

こうしたとき、60歳以上向けの住宅ローンを利用する選択肢があります。月々の支払いは利息だけで、ローン負担を抑えて住まい関連費用を確保できます。

それが、住宅金融支援機構(JHF)と提携する金融機関が取り扱う「リ・バース60」です。今年2月末時点で、取り扱う金融機関は全国で76になります。原則60歳以上の人が対象で、耐震基準を満たした住宅の購入費用や、リフォーム費用などを借りられます。

「リ・バース60」とリバースモーゲージの違い

「リ・バース60」は高齢者向けの住宅ローンで、以下のような特徴を持っています。その1つは月々の返済は利息のみで、年金暮らしでも返済しやすいという点です。もう1つは、元本の返済は原則、契約者が死亡した後に、担保にした自宅の売却資金で行う点です。ただし、配偶者が連帯債務者または連帯保証人であれば、生涯住み続けられます。

この自宅を担保にローンを組み、月々の返済は利息のみで、元本の返済を自宅の売却で行うという点では、リバースモーゲージと同じです。このリバースモーゲージでも、契約者の死亡後に直ちに自宅を売却して完済しなければいけないわけではありません。契約者の配偶者が居住の継続を希望し、金融機関の審査を通れば可能です。

両者の大きな違いは、借りたお金の資金使途です。

先に触れたように、「リ・バース60」は住宅ローンであるため、生活資金を確保する目的でお金を借りたり、また投資用物件の取得資金や賃貸物件の購入にあてたりすることはできません。一方で、リバースモーゲージは借入金を生活資金として使えます。両者の違いを、下の表にまとめています。

■「リ・バース60」とリバースモーゲージの違い

商品リ・バース60リバースモーゲージ
資金使途住宅関連資金生活にかかる資金
であれば制限なし
取り扱い住宅金融支援機構と
提携した金融機関
金融機関
対象エリア全国エリア限定
本人死亡後配偶者が、連帯保証人か
連帯債務者の場合は、
死亡まで居住可能
配偶者が審査に通れば
名義変更して居住可能

リ・バース60は保証人不要

ここから今回フォーカスする「リ・バース60」について、もう少し詳しく見ていきます。

まず融資にあたり保証人は不要です。金融機関とJHFが住宅融資保険の契約を結んでおり、利用者のローン返済が滞ったときは、金融機関に保険金が支払われるしくみ。保険料は金融機関が負担します。

では、「リ・バース」60にはどのような活用例があり、また借りるにあたっての注意点はどのようなものがあるのでしょうか。

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次ページ 「リ・バース60」の活用例と、押さえておきたい2つの注意点

 

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