来週の株式相場に向けて=日本企業決算の佳境入りで反発狙えるか
2日の東京市場は、日経平均株価が一時300円を超す下落となる場面もあったが、売り一巡後は値を戻し、結局前日比37円安で引けた。市場の関心を集めた米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利は予想通り据え置きだった。注目のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見では、追加利上げに関して「可能性が高いとは思わない」と発言。懸念されたタカ派姿勢はみられず、1日のNYダウは87ドル高で取引を終えた。
むしろ、2日の東京市場に対して直接的な影響が大きかったのはAMD<AMD>の急落などで米半導体株が下落したことだった。しかし、東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>も朝安後はプラス圏に切り返した。このため、株式市場は大きな波乱はなく、話題は為替介入の観測が強まるなか急激な円高に振れた為替市場に集中した。とはいえ「米インフレ懸念は依然として根強く警戒は怠れない」(市場関係者)との見方は強く、6月11~12日の次回FOMCに向けて要注意の姿勢は続きそうだ。
東京市場は明日からゴールデンウイーク後半の4連休に突入するが、明日3日には米4月雇用統計が発表される。また、5月月内では15日の米4月消費者物価指数(CPI)などが注目されそうだ。また、経済指標以外では22日のエヌビディア<NVDA>決算を視野に半導体関連株は神経質な値動きが続く展開も予想される。
そんななか、来週は日本では決算発表が佳境を迎え、週末10日には700社前後が予定されている。なかでも、8日にはトヨタ自動車<7203>が場中に決算発表を行うほか、9日には日本製鉄<5401>、10日には東エレクといった主力銘柄の発表が予定されている。24年3月期の業績に関しては業績の上振れが目立つとも伝わっているが、25年3月期見通しに対して市場がどんな反応を示すかが焦点となる。
上記以外のスケジュールでは、海外では9日に中国4月貿易収支、10日に米5月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。7日にウォルト・ディズニー<DIS>、8日にアームホールディングス<ARM>の決算発表がある。国内では、9日に4月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、10日に4月景気ウォッチャー調査が公表される。決算発表では7日に任天堂<7974>、JFEホールディングス<5411>、川崎汽船<9107>、8日に伊藤忠商事<8001>、三菱重工業<7011>、オムロン<6645>、9日にパナソニック ホールディングス<6752>、日産自動車<7201>、住友金属鉱山<5713>、10日に三井不動産<8801>、ホンダ<7267>、アシックス<7936>などが予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7600~3万8600円前後。(岡里英幸)